曽根崎心中 / 国立文楽劇場
国立文楽劇場へ行って来ました~。
生まれてはじめての、ナマ文楽(笑)

割とギリギリ(数日前)にチケットとった私がイカンのだが、席がろくに残ってなくて、凄く端っこの方の席だったのが残念でした。といってもぽつりぽつりと私の席よりいい場所にも空席はあるけど、あれはキャンセルかしら、団体でおさえてた枠に全員入らなかったってことかしら。それでも9割以上入ってたんじゃないかな。
不入りだなんて、市長のウソツキ!

しかも斜め前に座ったオッサンが行儀悪くて、通路とのさかいの柵に肘をつく、そこまではまあいいとしても、時々シッカリ肘ついたまま手をあげて耳を触ったり頬杖ついたり。

舞台に腕がかぶさって視界のメチャ邪魔なんですけど!!!(怒)

大変な状況の文楽、一人でも沢山客が来てくれたほうがいいのだが、こんな奴来るな!(-”-;)

そして、いつか、もっと前の方のいい席とってリベンジしてやる!
…と、心に誓ったくらい、

文楽、すばらしかったです!!

文楽はもちろん歌舞伎も能も、伝統芸能ゼンゼン縁のなかったシロートですが、見にくい席で散々身をよじっていたにもかかわらず、初ナマ文楽にもかかわらず、おおいに満足。

人形の動きのこまやかさが凄いねー。「曽根崎心中」、心中だから、いうなれば悲恋ものなんですが、徳兵衛とお初のカップルの繊細な動きから、濃密な心の結びつきをガッツリと伝わってきて、すっかり感情移入してしまいました。
邦楽もぜんぜん興味なかったのですが、三味線の音色に、いつのまにかしっとりとからめとられて。
「生玉社前の段」「天満屋の段」「天神森の段」の三つの段だけなんで二時間もないコンパクトなプログラムだったのですが、「天満屋の段」のラスト、主人公たちがやっとのことで天満屋を抜け出すのに成功して手を取り合って喜ぶ(といっても心中しにいくんだけど)ところで、突然じわっと来てしまって、アレ?
既に涙腺が緩んでいたので「天神森の段」ではずーっとウルウルで見てしまいました。

この段だけ、なぜか語りも三味線もすごく沢山の人が出てきて並んでてただごとでなさげだったしな(笑)…端っこだけど、「出語り床」が結構近いので、語りと音楽はとてもよく見えて聞こえてだったのでした。なんか、みなさんそろって凛といい顔をしてらっしゃるしね。カミシモってほんとカッコイイですね。まあそれはさておき。


…うわー初見でこんな泣けるとは思わなかったよ。
そんな一回二回見たくらいで伝統芸能がわかるわけないだろと思ってたし。
しかし、これはいいな。
旅行予定が入ってるからこの夏の公演は残念ながらもう行ける日がないけど、とにかくいずれまた見に来たい。次は11月公演でもしかも「仮名手本忠臣蔵」を通し狂言でとか言ってるからいつも以上に一回が長いからちと難しいかもしれないが(←まだちょっとヘタレ。いや、素人ですから!)。

そだな、新規観客開拓というなら、上演する側のコストパフォーマンスは悪いのかもですが、こういう時間短めのプログラムを夏以外にも時々やってくれるといいなぁ。初心者はあまり長いとそれだけでちょっと腰が引ける。短時間ならトライして見ようかと思いやすいもんね。

コメント

秋林 瑞佳
2012年7月27日23:35

なんかエラソーに市長が苦言云ってた感想よりボースンさんのご感想を信じます。

ボースン
2012年7月28日0:09

ありがとうございます!

そりゃ好き嫌いとかピンとくる来ないは、こと芸術/エンタティンメントにかけては個人差が大きいと思いますが(合わなかったら、「合わなかった」でいいんですよね)、私はかなり気に入ってしまいました。人形遣いさんの顔を気にするヒマもありませんでした(笑)

ちなみに、お?もしかしたら合うかも?文楽さっさと行っとこうか?と思わせてくれたNHKの解説番組は、『祇園祭礼信仰記』という作品の一部を紹介していたもので、時代物、とゆーか、囚われのお姫様(但し人妻)を、木下藤吉郎モドキが知略で助け出すというような、舞台の大仕掛けがウリな冒険譚でした。
だから、泣くような要素は皆無だったし、それだけに、今回いきなり涙腺が陥落したのにはビックリでした(^^;)

またああいう番組やらないかなぁ。そうしょっちゅう劇場いけないし、劇場の方でも地方公演行っちゃったりするし。

夜霧のネオンサイン
2012年7月28日8:45

文楽おもしろいですよね!って、私もずいぶん前に一度見ただけなんですが。
江戸時代の人にとって、歌舞伎がTVドラマなら文楽がアニメって感じかな、っておもいました。
私が見たのは曽根崎心中と、なんかすごく派手な演出の演目だったんですが、海の場面で人形が船からぽーんと飛んだりとか、これは人形だからよりありえない表現が可能なわけで、ああ、アニメだなぁと。
私も来月文楽観に行きます!三谷幸喜の作品♪

nophoto
たけだ
2012年7月28日8:55

ボースン様

初文楽、好印象のようでよかったですね。
文楽関連の書籍はちょっと思いつきませんが、歌舞伎関連では服部幸雄の中公新書『歌舞伎の構造』が刺激的でした。

とっくに絶版になっていますが図書館にならあるかもしれません。

ボースン
2012年7月28日23:52

まとめレスにて失礼します。m(__)m

>夜霧のネオンサインさま

>江戸時代の人にとって、歌舞伎がTVドラマなら文楽がアニメって感じかな、っておもいました。

なーるほど!うまいことをおっしゃいますね。
二次元だからこそ表現でき、三次元だと出せないカッコよさとか美しさとかがある。人形だからこその独特の魅力がある…
「人形なのにこんなに」という驚異が舞台上にあふれていて、満足でおなかいっぱいになりました☆

三谷文楽、面白かったらぜひ感想をアップして下さいね♪

>たけださま

はい、予想以上に夢中になれて、素晴らしい時間を過ごせました。
歌舞伎に比べても文楽はTVで取り上げられることも少ないみたいですが、それが不思議でしかたがありません。
勉強もしたほうがもっといいのかもしれませんが、文楽興業そのものの親切さにも助けられました。

…歌舞伎だと多分、劇場に字幕はないですよね(爆)

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