睦月けい著。シリーズ二作目。

主人公が末っ子とはいえ王女さま、城では陰謀が横行してるシリアス状況…な割には、著者が必ずしも世界史が得意じゃなかったのか、なんだかコトバの使い方がギクシャクしてるのはまだ治っていないんだけど(なぜ“国王陛下”でなく“国王様”?)、ふつうの宮廷ラノベとちょっと違った妙な誠実感があって、つい読まされてしまう。
ヘタだけど一所懸命さが伝わってきて。まあこのまま5冊も6冊も続いたらちょっとアレだけどさ。

救いはキャラクター描写でしょうか。これもみんな根っこがまじめなんだけど、表層的には結構ひねりが入っている。
育ちかたのせいもあり、ひどく自己評価が低い割には芯が強いのか、意外な口の悪さと皮肉がダダもれなヒロインはやはり新鮮(笑)
ひとりごとの多い理屈っぽい系ヒロインと、凶悪皮肉屋の騎士アルベルト、アブないシスコン王子・長兄レイフォードのベタ甘発言&暴走との丁々発止?は飽きさせない。別の危なさ漂う新キャラ二名をからめて、正しく王に相応しい人を選べるようにがんばらなくっちゃー…なヒロインの奮闘はまだしばらく続きそうだ。じっくりじっくりの進み方は、中世風ファンタジー・ラノベに経済学を持ち込んで、その新鮮さで一躍大ヒットとなった「狼と香辛料」を思い起こさせなくもない(世界観、風俗描写に「狼…」ほどの説得力と華はないが)。
まあ精進して下さいな著者さま。

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