1941年、ヘンリー・ハサウェイ監督作品。モノクロ。
レンタルDVDで視聴。

ケニアの英軍駐屯地。地方長官クロフォード(ブルース・キャボット)は、地元民の間へと密かに銃が持ち込まれているらしいと知る。ナイロビ基地からも、真相究明のため総督補佐クームス少佐(ジョージ・サンダース)がやってくる。姿の見えない敵をさぐる二人に、謎めいた美女(ジーン・ティアニー)がからむ。

戦争が始まるか始まらないかの頃に作られたのだろうか。敵ってのが何だかちっともはっきりしない。敵は陸から海を制圧するつもりなんだ!とか叫ぶイタリア人(捕虜だが良心的戦争忌避者なのかな、オトモダチぽくなじんでいる)も、誰が敵なのかはっきり言わない。当時見たらピンと来るのだろうが、字幕のせいかもしれないが何ともまだるっこしい。
そのぶん、ラストの「感動的」がんばれ英国プロパガンダが余計に浮いている。

地方長官は、酸いも甘いもかみ分けた「味のある」統治をしいているらしい。一方
少佐はタカビーで権威的、かと思うと、意外と話が通じるようだったり、イマイチ性格づけがはっきりしない。まあ、ジョージ・サンダースが悪役でなく出ているという事で楽しく見た(←ミーハー)。ラストにとってつけたように急に活躍して感動的?長セリフをかましてくれるのだが、それらを見る楽しみは映画の出来とは完全に無関係だ(笑)
ブルース・キャボットは、ティアニーと軽くラブだが「どうでもいい」印象。むしろハンターのハリー・ケリーの方が、やっぱり素敵オジサンだ。

ティアニーは、白人とアフリカ人のハーフの女商人。エキゾチックな服装を披露して美しい(がまあ、それだけ)。風景も、アフリカへは行ってないと思うが野趣あふれてよろしい。マサイ族出身の兵士の若妻(チョイ役)がドロシー・ダンドリッジだったのにクレジットタイトルを見て最後に気がついた。わりと可愛かったもんなあ。

一時間半の映画を三分の二ほど見て、いよいよ敵陣潜入というあたりで、溜まっていた疲れのため船こいでしまった(潜入するのがキャボットだけだったし)という点で、できばえはおして知るべし、ということで…(笑)
でも、ようやく見れた!よかったよかった(いやもう、ここんとこ忙しくてねぇもう(涙))。

コメント

nophoto
たけだ
2012年1月28日15:19

ボースン様

この映画は数年前にレンタルDVDで見ました。

この作品に関しては、『傷だらけの映画史』中公文庫に興味深い事が語られています。

フォードの『駅馬車』やヒチコックの『海外特派員』などを製作したウォルター・ウェンジャーというプロデューサーが製作した一本です。

20世紀フォックスは、自社のティアニーをどうやって売り出すか考えあぐねていたのですが他社に貸し出した『砂丘の敵』でエキゾチックな役を演じた事で人気に火がついたそうです。

『ローラ殺人事件』に至までに『激闘』では、南洋の島娘、『チャイナガール』では、中国娘を演じます。
ティアニーは、西洋人としては目と目の間が離れていて、ちょっと東洋的な容貌なので、こういった役も似合ったのですね。
もっとも『砂丘の敵』では、実は白人だったことが解る訳ですが・・。

製作年度が1941年ですから、とりあえず、現地の反乱軍が敵ですが、裏で糸を引いているのがナチスである、といったストーリーだったように記憶しています。

ボースン
2012年1月28日23:00

こんばんわ、たけだ様。

なるほど、ジーン・ティアニーの出世作だったんですね。
目と目の間が少し広いし、高めの頬骨も、エキゾチックな役が似合う要素なんでしょう。

>製作年度が1941年ですから、とりあえず、現地の反乱軍が敵ですが、裏で糸を引いているのがナチスである、といったストーリーだったように記憶しています。

持ち込まれていた銃がチェコ製だったり、におわせてはあるんですが、文字数限界もあってでしょうが何ともわかりにくい字幕でした。まあ、今回途中でウトウトしたりしたくらいで私の頭もちょっと回転数が落ちていたのも確かです(笑)

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