夢のチョコレート工場
2012年1月22日 映画 コメント (5)
1971年、メル・スチュアート監督作品。
ロアルド・ダール原作童話「チョコレート工場のひみつ」の映画化(日本では劇場未公開)。数年前にできたティム・バートン監督&ジョニー・デップ主演のものが有名だが、この旧版は、ウォンカ氏がジーン・ワイルダー!てんで、スカパーでやったものを録画視聴。
世界一のチョコレート工場の持ち主ウォンカ氏(ワイルダー)は、チョコに仕込んだ招待券を手に入れた子ども5人を、秘密工場へと招待する。とても貧しいが優しい少年チャーリー(ピーター・オストラム)も招待され、ワクワクしながら祖父(ジャック・アルバートソン)と出かけて行く。工場内では不思議な小人ウンパルンパたちが忙しく立ち働き、魔法のように奇妙な仕掛けや新商品で満ちていた。我がまま身勝手な他の4人は、各自の愚行の報いを受けては見学ツアー中次々と脱落していき、最後に残ったのはチャーリーだけだったが…
…
うーむ、やっぱり。
ジーン・ワイルダー最高。
いとも優しげだけどてんで冷酷でほんのり狂気をにじませ、明るいようで哀しみの翳が背後にさしてる。新作は飛行機の中で断片的に見たあと、TVの吹替え版で抜けた所を埋めたりしたのでちゃんと評価する資格はほんとはないのだが、ジョニー・デップの神経症的な「頑張ってる感」に比べて、なんと自然にしっくりした不思議紳士なんだーーー!
夢のような工場を案内しつつ「夢の世界ほどすばらしい世界はない」としっとり歌って、でもそこに、どこかしら不幸や歪みや淋しさを、ほんのちょっぴりだけど確実に感じさせるのは、あの、どでかくて妙に色の淡い青い目が効いているのだろうか。
何にしろ、ウォンカさん、救われるのを待っていたんだとラストでよくわかる(しがみつくようにチャーリーを抱きしめるウォンカ!)。狂騒的なコメディ演技も勿論悪くないが、こういう奥深さもあってあなどれないんだよね、ワイルダー。
CG以前の時代なので、新作の派手派手ゴージャスな映像にくらべるとちんまりと手作り感が強いけど、だがそれがいい!サイケ時代の残り香もあるし、ウンパルンパだって一人ずつちゃんと違うし(なんか、サンダーバードの人形のようだった。等身とかのせいか(爆))、ミュージカル風なのはどっちでもいいけれど、ウンパルンパの曲はこちらの方が素朴でいいなあ、やたら耳に残る。
新作が、最後にウォンカ氏の親子関係を創作して追加したのは、メイキングとか見ると、原作では「なぜ子供たちを招待したか、理由はわかるが動機が不明」だから、らしい。
この71年版も、最後にちょっと追加された原作にないひとひねりは、この動機を明らかにさせるものだ。個人的には、こちらの方がすっきりして童話らしく、しかも空を飛ぶ素敵シーンを組みこめたという点で、いい感じだと思う。71年版には、原作者ダール自身が脚本に加わっていたけど不満が残って作品は見ようとしなかったらしい(ありがち)が、ラストについてはどうだったんだろう。
てなことでワイルダーぶんだけ、意外と熱心に見てしまいました。
ただ、Foxmoviesって、なんでこんな画質悪いんだろ。それにTVサイズに端切ってないか?
「コーマ」放映時にも思ったけどね…
…さて、そろそろほとぼりさめたかな~<スパム
ロアルド・ダール原作童話「チョコレート工場のひみつ」の映画化(日本では劇場未公開)。数年前にできたティム・バートン監督&ジョニー・デップ主演のものが有名だが、この旧版は、ウォンカ氏がジーン・ワイルダー!てんで、スカパーでやったものを録画視聴。
世界一のチョコレート工場の持ち主ウォンカ氏(ワイルダー)は、チョコに仕込んだ招待券を手に入れた子ども5人を、秘密工場へと招待する。とても貧しいが優しい少年チャーリー(ピーター・オストラム)も招待され、ワクワクしながら祖父(ジャック・アルバートソン)と出かけて行く。工場内では不思議な小人ウンパルンパたちが忙しく立ち働き、魔法のように奇妙な仕掛けや新商品で満ちていた。我がまま身勝手な他の4人は、各自の愚行の報いを受けては見学ツアー中次々と脱落していき、最後に残ったのはチャーリーだけだったが…
…
うーむ、やっぱり。
ジーン・ワイルダー最高。
いとも優しげだけどてんで冷酷でほんのり狂気をにじませ、明るいようで哀しみの翳が背後にさしてる。新作は飛行機の中で断片的に見たあと、TVの吹替え版で抜けた所を埋めたりしたのでちゃんと評価する資格はほんとはないのだが、ジョニー・デップの神経症的な「頑張ってる感」に比べて、なんと自然にしっくりした不思議紳士なんだーーー!
夢のような工場を案内しつつ「夢の世界ほどすばらしい世界はない」としっとり歌って、でもそこに、どこかしら不幸や歪みや淋しさを、ほんのちょっぴりだけど確実に感じさせるのは、あの、どでかくて妙に色の淡い青い目が効いているのだろうか。
何にしろ、ウォンカさん、救われるのを待っていたんだとラストでよくわかる(しがみつくようにチャーリーを抱きしめるウォンカ!)。狂騒的なコメディ演技も勿論悪くないが、こういう奥深さもあってあなどれないんだよね、ワイルダー。
CG以前の時代なので、新作の派手派手ゴージャスな映像にくらべるとちんまりと手作り感が強いけど、だがそれがいい!サイケ時代の残り香もあるし、ウンパルンパだって一人ずつちゃんと違うし(なんか、サンダーバードの人形のようだった。等身とかのせいか(爆))、ミュージカル風なのはどっちでもいいけれど、ウンパルンパの曲はこちらの方が素朴でいいなあ、やたら耳に残る。
新作が、最後にウォンカ氏の親子関係を創作して追加したのは、メイキングとか見ると、原作では「なぜ子供たちを招待したか、理由はわかるが動機が不明」だから、らしい。
この71年版も、最後にちょっと追加された原作にないひとひねりは、この動機を明らかにさせるものだ。個人的には、こちらの方がすっきりして童話らしく、しかも空を飛ぶ素敵シーンを組みこめたという点で、いい感じだと思う。71年版には、原作者ダール自身が脚本に加わっていたけど不満が残って作品は見ようとしなかったらしい(ありがち)が、ラストについてはどうだったんだろう。
てなことでワイルダーぶんだけ、意外と熱心に見てしまいました。
ただ、Foxmoviesって、なんでこんな画質悪いんだろ。それにTVサイズに端切ってないか?
「コーマ」放映時にも思ったけどね…
…さて、そろそろほとぼりさめたかな~<スパム
コメント
(ジョニデ&バートンのほうが毒がない…ちなみに私はワイルダー派です)
小さいときに観ていたら、軽くトラウマになったかも。
あら、もう再開しちゃって大丈夫?
今日はこちらにコメントで。
私もこれ見ましたよ~。ダール本人が脚本って事で期待して見ました。
確かにあんまり上出来ではなかったけど、原作の雰囲気にはこっちの方が近いんだろうな・・と思いながら見た記憶があります。
そうそう、ウンパルンパが旧作はCGじゃなくて、役者さん揃えてるんですよね。
バートン版も私は大好き。やっぱりウンパルンパが、ツボなんですよね、私。(笑)
東京はさっきから雪になりました。明日の朝辛そう~。(:_;)
>秋林 瑞佳さま
>ジョニデ&バートンのほうが毒がない…ちなみに私はワイルダー派です
ジョニデの演技はちょっと毒々しく感じるんですが、子どもたちがヨレヨレになりつつ助かっている場面は挿入してあるので、本当はそうなんでしょうね。旧版の脱落組は、何気にスルーされたまま映画が終わっちゃってるー(笑)
子どもの時に見たのじゃなくてよかった♪
>ごみつ さま
>そうそう、ウンパルンパが旧作はCGじゃなくて、役者さん揃えてるんですよね。
>バートン版も私は大好き。やっぱりウンパルンパが、ツボなんですよね、私。(笑)
ふふふ、歌って踊って大活躍ですよねウンパルンパ。
私的には旧作の歌が好きですが、バートン版ウンパルンパの方で一番よかったところは、エスター・ウィリアムズの水中レビューモドキにチョコの河に飛び込むシーンですな。←クラシックミュージカル好き
…大阪も冷え込んでいてエアコンの効きが悪いです(雪はないですが)。くすん。
私がエジプトで見ていたFOX MOVIEは、ワイドの作品はワイド画面でした。
サイズの件は、想像ですが、昔のTV受像機サイズに合わせたソフト/プリントを使っているからだとおもいます。
Gyaoの無料作品もほとんどがTVサイズですね。
画質が悪い原因は、経年劣化以外には思いつきません。
>サイズの件は、想像ですが、昔のTV受像機サイズに合わせたソフト/プリントを使っているからだとおもいます。
地上波時代ならともかく、いまどき、ねえ…
画質だって、そのつもりになればもっとちゃんとしたものが入手できるでしょうに。DVDもBDも出ている作品なんですから…
一瞬だけ、市販品を買って見直そうかと思ってしまいました。…一瞬だけですが。