三上延著。
古本屋「ビブリア古書堂」のあるじは、本の話をする時以外は超内気で頼りない、地味目美人な栞子さん(骨折のため現在入院中)。本に興味はあるのに「体質的に」本が読めない大輔は、ふとしたことからこの店でバイトをすることになる。査定のため入院中の栞子に本を届けるたび、彼女は本についての謎も解いてしまう…
全四話、四冊の本にまつわる連作短編集。

本屋や古本屋が舞台の小説というとそれだけで本読みには楽しい。
半ばラノベなんだろうけど渋めに整えた会話や雰囲気も悪くない。
ただ、どうしてもどうししても、主人公が本が読めない体質(活字を追うと気分が悪くなるらしい)になったのが、幼い頃祖母の大事な本を触ってこっぴどく叱られたトラウマのせいらしい、というのが納得がいかない。いくら理由があったって、この祖母自分が本好きだったなら、それまでそこそこ本好きだった孫が本を読まなくなったら、もう少し早い内に気にしたり反省して何か手を講じたりするのが当たり前ではなかろうか。だいたい、可愛そうじゃないの孫が。

「本の虫ってのは同類を好きになる者だからさ」なんて、この祖母、きいたふうなことを言ってはいるが、本の虫は「同類を増やそう」とする生き物でもあると思う。だから栞子さんはどんなに内気で口下手でも、本についてはいくらでも喋れてしまうのだ。
かなり話題になっている本のようだが、どうしてもそのへんが納得いかなくて、★は3どまり。

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