女好きが過ぎたから天国には行けやしない、と、死後閻魔大王だか地獄の番人だか(レアード・クリーガー)の所へ出頭した老人ヘンリー(ドン・アメチ)。請われて一生をふりかえる彼の恋愛＆結婚生活は…
ルビッチだからなんか凄い話だったりしないのか、と思ったが、ほのぼのノスタルジック・ロマコメだった(主人公は19世紀の生まれ)。優等生なイトコの婚約者(ジーン・ティアニー)に一目ぼれして駆け落ちし、やがて憎めないエロジーサンになって死ぬまで。
上品でクスリと笑えて(特に主人公の祖父チャールズ・コバーンがカワイイ)、ジーン・ティアニーは可憐で、でもなんかルビッチにしては軽量級というかアッサリというか、でした。
主人公の「女好き」の程度が、控えめに描かれすぎていまいちハッキリしないのが、見ていてスッキリ腑に落ちないとこもあり。あれで地獄堕ちなんですか。
ドン・アメチはそんなに二枚目とも思えないしそんなにすごく洒脱とも思えないんだけど、40年代はそこそこ人気があったんですかね。太平楽なボンって感じで嫌みはないが…
あ、…アメリカ版夫婦善哉か？？モリシゲ…
まあ実はルビッチに期待したよりは、レアード・クリーガーが見てみたかった私でした。
出番はわずかだけど威厳があって、でもロンパリな目つきがビミョーに常人じゃなくて良かった。
ほんと惜しい人を若死にさせちゃったもんだ…
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コメント
実はリメイクのリメイクもあるんですが、私はビーティ版が大好きなのですよ。でも今度は「天国は待ってくれる」を観てみようと思います。
原題は同じなのですが、実は「天国から来たチャンピオン」の元になったのは、1941年の「幽霊紐育を歩く(Here Comes Mr. Jordan)」の方です。私も見てはいないのですが、天国側の手違いで死んでしまったボクサーが、妻とその愛人に殺された富豪にのりうつって…という話だそうで。おんなじですね(笑)
主人公が死んだとこから始まるという以外は、「天国は待ってくれる」は、あまり「天国から来た…」とは似ていません。ひたすら一生を回顧するのみです。
あ、「天国から来たチャンピオン」は、私も結構好きな映画ですよ。昔、公開時に映画館で見ました。死んでからどーだこーだとか、他人に乗り移ってとかいうようなファンタジー・ロマコメって大好きなんですよね♪
そのさらにリメイクした版までは見ていませんが(そんなのがあったとは知らなんだ…)。
むしろ、いつかは、さかのぼって「幽霊紐育を歩く」を見たいなと思ってます(笑)
DVDは出ているみたいだし。
最近ようやく帰国しました。
この作品は、ルビッチにしては今ひとつのような気がします。
ティアニーはともかく、アメチーが余り好きではないのが上記評価の一因ですね。
私が最初に観たルビッチ作品がおそらく例外的な大傑作の『生きるべきか死ぬべきか』だったので、どうしてもこれと比較してしまうのも評価を低くする原因でしょうね。
ルビッチに比べたらワイルダーのコメディーがいかに野暮かがよく分かりますねえ。
>この作品は、ルビッチにしては今ひとつのような気がします。
>ティアニーはともかく、アメチーが余り好きではないのが上記評価の一因ですね。
>私が最初に観たルビッチ作品がおそらく例外的な大傑作の『生きるべきか死ぬべきか』だったので、どうしてもこれと比較してしまうのも評価を低くする原因でしょうね。
いやーもぅ全く同感です！私も「生きるべきか…」が初ルビッチでしたし。
アメチはジャック・ベニーのように三の線に徹するでもなく、ハーバート・マーシャルほどのエレガンスに達するでもなく、嫌みはないけど「そこそこ」としか言いようのない演技でした(^^;)
まあ、ワイルダーはワイルダーで好きなんですが、ルビッチの突出した「粋」が、確実に存在はするのだけどめっきり薄味だった…というのが、この映画の弱点なんでしょう、たぶん。