首(おびと)の姫と首なし騎士 (角川ビーンズ文庫)
2011年10月15日 読書
睦月 けい著。
本ばかり読んでいる内気で地味で出不精な国王の第四子(末っ子)シャーロット姫は、ある日突然、戦場での恐るべき活躍(苛烈凄惨の一語らしい)から「首なし騎士」と呼ばれるコワイコワイ美青年アルベルトに「主と仰ぐに値するか確かめたい」とつきまとわれるようになって大混乱。彼の狙いはいったい?
妙に理屈っぽくて後ろ向けで、でも時々ぼそっと毒舌吐いたりクソ度胸を発揮したりのヒロインはなかなか面白い。
デビュー作らしくギクシャクしたところも多いが、登場人物たちの描き方に意外と奥行き?があるのがよかった。ちょっと見とは違った色々な顔が、後から次第に見えてくる。特に主人公はいろいろあって無意識にかなり自分自身を押し込めてしまっているので、少しずつ少しずつ、過去の真相がほどけていく経過で読ませる。気弱なのか大胆なのかわからない主人公と、無愛想な騎士のやりとりもこのテのキラキラしい絵のついた女の子向けラノベには珍しいオフビートな可笑しさがある。あとは日本語がもう少し自然になるといいな。「国王陛下」でなく「国王様」なんていうのもビミョーに気になるしね。
たぶん続編も出るだろう。今後の成長がちょっと楽しみな作者だ。
本ばかり読んでいる内気で地味で出不精な国王の第四子(末っ子)シャーロット姫は、ある日突然、戦場での恐るべき活躍(苛烈凄惨の一語らしい)から「首なし騎士」と呼ばれるコワイコワイ美青年アルベルトに「主と仰ぐに値するか確かめたい」とつきまとわれるようになって大混乱。彼の狙いはいったい?
妙に理屈っぽくて後ろ向けで、でも時々ぼそっと毒舌吐いたりクソ度胸を発揮したりのヒロインはなかなか面白い。
デビュー作らしくギクシャクしたところも多いが、登場人物たちの描き方に意外と奥行き?があるのがよかった。ちょっと見とは違った色々な顔が、後から次第に見えてくる。特に主人公はいろいろあって無意識にかなり自分自身を押し込めてしまっているので、少しずつ少しずつ、過去の真相がほどけていく経過で読ませる。気弱なのか大胆なのかわからない主人公と、無愛想な騎士のやりとりもこのテのキラキラしい絵のついた女の子向けラノベには珍しいオフビートな可笑しさがある。あとは日本語がもう少し自然になるといいな。「国王陛下」でなく「国王様」なんていうのもビミョーに気になるしね。
たぶん続編も出るだろう。今後の成長がちょっと楽しみな作者だ。
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