1960年、ジャック・ベッケル監督作品。フランス映画、モノクロ。
レンタルDVDで視聴。
フランス、ラ・サンテ刑務所。脱獄計画を練る男たちは、多少の逡巡の末新入りを加えた5人でひたすら穴を掘る。掘る道具も、見張りや偽装も、すべて自分たちの工夫と肉体で解決してゆく。逞しく寡黙でいかにもフランス的リーダーなロラン(ジャン・ケロディ)、いつも変な顔のジョー(ミシェル・コンスタンタン)、若い頃のカーク・ダグラスみたいなマニュ(フィリップ・ルロワ)、親しみやすい笑顔の“大僧正”(レイモン・ムーニエ)、この四人に比べれば何かおぼっちゃまな新入りガスパール(マルク・ミシェル)。個々人の描写は最低限なのだが、彼らの勤勉さにうたれて?あっというまに全員に心がなじんでしまう。音楽もなくひたすら淡々と、かつ緊張感たっぷりに描かれる脱獄の顛末は、…うーんやっぱりフランス映画ですね。面白くて、見入ってしまうけれど、やっぱ重い(^^;)
成功しようが失敗しようがちょっとでも「冒険」めいたコトがあればそこに夢を見てしまう英国映画テイストのほうがやっぱり私は好きだなあ、と思いながら見終わってしまいました。
天下の「穴」なんですけどね。いや、見ている間(特に中盤まで)はとても面白かったんですが。
もはやこれは「好み」の問題。
最後は『Fin』ではなく『Vous venez de voir(=You have just seen)』と出て、初めてポロンポロンと控えめに流れだす音楽(ピアノ)。フランス的お洒落感ありありです。
が!
なぜこの曲?というかこの曲の題名誰か知りませんか?
これって、日本未公開ミュージカル“Curtain Call at Cactus Creek”の中でドナルド・オコナーがタップ踊っていた曲と同じなんですが!…但し絶対映画のオリジナル曲じゃないと思う…
びっくらしました!!
(そして、監督の意図とはたぶん全然違う方向で、ホッとして嬉しくなりました(爆))
“Curtain Call at Cactus Creek”
http://www.youtube.com/watch?v=rCswIUV2HSI
レンタルDVDで視聴。
フランス、ラ・サンテ刑務所。脱獄計画を練る男たちは、多少の逡巡の末新入りを加えた5人でひたすら穴を掘る。掘る道具も、見張りや偽装も、すべて自分たちの工夫と肉体で解決してゆく。逞しく寡黙でいかにもフランス的リーダーなロラン(ジャン・ケロディ)、いつも変な顔のジョー(ミシェル・コンスタンタン)、若い頃のカーク・ダグラスみたいなマニュ(フィリップ・ルロワ)、親しみやすい笑顔の“大僧正”(レイモン・ムーニエ)、この四人に比べれば何かおぼっちゃまな新入りガスパール(マルク・ミシェル)。個々人の描写は最低限なのだが、彼らの勤勉さにうたれて?あっというまに全員に心がなじんでしまう。音楽もなくひたすら淡々と、かつ緊張感たっぷりに描かれる脱獄の顛末は、…うーんやっぱりフランス映画ですね。面白くて、見入ってしまうけれど、やっぱ重い(^^;)
成功しようが失敗しようがちょっとでも「冒険」めいたコトがあればそこに夢を見てしまう英国映画テイストのほうがやっぱり私は好きだなあ、と思いながら見終わってしまいました。
天下の「穴」なんですけどね。いや、見ている間(特に中盤まで)はとても面白かったんですが。
もはやこれは「好み」の問題。
最後は『Fin』ではなく『Vous venez de voir(=You have just seen)』と出て、初めてポロンポロンと控えめに流れだす音楽(ピアノ)。フランス的お洒落感ありありです。
が!
なぜこの曲?というかこの曲の題名誰か知りませんか?
これって、日本未公開ミュージカル“Curtain Call at Cactus Creek”の中でドナルド・オコナーがタップ踊っていた曲と同じなんですが!…但し絶対映画のオリジナル曲じゃないと思う…
びっくらしました!!
(そして、監督の意図とはたぶん全然違う方向で、ホッとして嬉しくなりました(爆))
“Curtain Call at Cactus Creek”
http://www.youtube.com/watch?v=rCswIUV2HSI
コメント
この映画は、評するのが難しいですねえ。
色々すごい所が有りますが、好きか?と訊かれると、素直に「好き」とは言わせない何かがあります。
『モンパルナスの灯』は、素直に好きと言える作品です。
『穴』の原作者は、ジョゼ・ジョバンニ(『ラ・スクムーン』などの監督)。
ベッケルは、この作品完成の2週間後に53歳で死去。
佳作の上、映画監督としてのキャリアは、これからだったのに実に残念です。
佳作→寡作
>この映画は、評するのが難しいですねえ。
終盤までずっと面白いんですけどね。「時計がなくて房に戻るのが遅くなってヤバかった」なんて話の後、医務室で小さいガラス瓶の並んだ棚の前をうろつく大僧正。むっ、砂時計、砂時計作るのでは!などとか、彼らの工夫を先読みして楽しんだりするのですが、そういう楽しみかたは否定されているのかな?(^^;)
でもこの映画に限らない気がします。話の収め方は、結構ふつーにフランス的だと思ってます。
それにしても53才は早すぎですね。
>『穴』の原作者は、ジョゼ・ジョバンニ(『ラ・スクムーン』などの監督)。
ジョゼ・ジョバンニは監督以外でもたくさんの映画にかかわっているようですね。原作小説として出版されているものも結構ありますし…読んでないけど。
彼の映画はそれなりに何本か見ています。『ラ・スクムーン』、むせび泣くような音楽が印象的でした(話はともかくベルモンドはかっこよかった)。ミシェル・コンスタンタンも出ていましたね。あの時からずっと変な顔…と思っていて…「穴」の方が先なんですが(爆)
もう見ているのが怖くなってそれでもはらはらドキドキしながら、見たのを思い出します。一回しか見ていないのですが、裏切りがあったんでしたっけ?
フランス映画はいまいちピンとこないものが多いので困りますが…
ジャン=ポール・ベルモンドは大好きで、彼のすちゃらかアクションコメディなんかは大好物なんですが、ああいうのは日本ではあまりDVDやBD出なくて残念。「大頭脳」なんか、米国盤は出てるんだから、日本盤出てくれないかなーと待ち焦がれています。