幌馬車

2011年7月17日 映画
1950年、ジョン・フォード監督作品。モノクロ。

スカバーで録ったのを視聴。
主役がベン・ジョンソン、ハリー・ケリー・ジュニア、ワード・ボンドの脇役トリオ(爆)、という、地味さと短さにもかかわらず、フォードの語り口のなめらかさに堪能させられてしまいました。

新天地を求めて幌馬車隊を編成するモルモン教徒の一団(イロイロ変わったところのある宗派なので、自分たちだけの開拓団を作り、モルモン教徒の町を作りたかったんですね彼らは)。
案内人として雇われた若い馬喰二人(ジョンソン、ケリー)、モルモン教徒のリーダー(ボンド)の三人は、様々な困難を乗り越えて幌馬車隊を進めてゆく。

こまごまとした西部劇的日常の描写はいつも通りにあざやかですが、インディアンに遭遇したり、逃亡中の強盗団につきまとわれたりで、凝った展開ではないけれどかなりのスリルや緊張感がじっくりと味わえる。こんなに地味なのにこんなにしっかり「詰まった」感があるのは、さすがというしかない(小味には違いないけれど)。
フォードは一作だけ刑事モノ「ギデオン」というミステリー映画も作っているけど(スコットランド・ヤードの刑事の忙しい一日、てな風合いの話)、そっち系の才覚も確かにありますね。
ジェーン・ダーウェルのいつも通り肝っ玉なおっかさんとか、アラン・モーブリーのキザな薬売りとか、チャールズ・ケンパー率いる親子強盗団とか、みんな存在感ありです。もちろん名もなきフツーの幌馬車隊の人たちも。
花を添えるのはジョーン・ドルーとキャスリーン・オマーリー。「赤い河」以上に鉄火なドルー、なかなか魅力的。

それにしても字幕の「馬喰」って、若い人にわかるんですかね(爆)
カウボーイと書くとちょっと違うのかな。「馬喰」というのは牛馬の仲買人、なんだそうで、馬を売り歩いてる主人公たちにはカウボーイより馬喰のほうがより正確なのかな…

そういや、なにげなく幌馬車隊の中に仔馬がまじって走っていたの、可愛かったなー(*^^*)

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