ヘンリー・ウィンターフェルト著。
ドイツ児童文学の古典の一冊とは、以前から知っていた。

が、今ごろ手を出してみたのは、実はこのおハナシ、古代ローマ帝国を舞台にした少年探偵団モノだときいたからだ。いやービックリ。

カイウスの悪ふざけに悩まされた同級生のルーフスは、ついつい書字板に「カイウスはばかだ」と書いて、教室の壁にぶらさげた。ところがこの、ごくありがちな子どものケンカが、思いもよらない深刻な大事件に発展する。窮地に堕ちた友達を救うため、クラスの首席ムキウスをリーダーに、子どもたちはにわか探偵と冒険とをくりひろげるが…

いやー面白かったです。
結構帝政ローマの時代風俗にきっちりのっとった上で話が展開するし、こりゃ密偵ファルコ少年探偵団版だなあ(笑)
二転三転する事件の展開のなめらかさや、個性さまざまな子どもたちの言動がとても楽しい。ギリシャ人のクサンチップス先生の私塾に通う、ええとこの子どもたち7人が中心なのだが、この先生も、がみがみ屋だがなかなか味のある御仁。
ミステリとしてもそれなりによくまとまっていると思う。

絶版だったがなんと運よく、今月岩波少年文庫で出し直してくれるようだ。
ローマ帝国好きにはオススメだ!
続編も出ているようす。やっぱり絶版だけど(まあ図書館の書庫にはボロいのがちゃんとあるのだが)、これも岩波から出し直してくれないかなあ。

コメント

夜霧のネオンサイン
2011年6月3日0:00

なんと偶然私も古代ローマの探偵物をちょうど読んだところでした。
こちらも面白そうですね!しかも岩波少年文庫で出し直しとは。
(やはりテルマエ・ロマエ効果?)
絶対購入します~。

ボースン
2011年6月3日7:59

こんにちわ。
「カイウス」はなかなかオススメですよ!
50年以上前に出たもののようですが、ちっとも古くありません(古代ローマだけに…(笑))
テルマエ・ロマエ効果で、古代ローマものがもっと色々出て欲しいですね。

密偵ファルコも新訳が止まっていますし…(涙)。

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