警視庁FC

2011年4月4日 読書
今野敏著。

「警視庁FC?」「まさか、サッカーチームじゃないでしょうね」
フィルム・コミッション、つまり映画などの撮影現場に便宜を図ってやる(できたばかりの)部署だという。

基本的になーんにもやりたくない、ルーティンワークでひっそり定年まで流したいという、やる気なし巡査な主人公がなぜだかこの部署に配属されて。
ミステリ映画の撮影現場で、本当に殺人が起こっちゃった!てんで、捜査にもかかわる破目になり、早く帰りたい早く帰りたいと毎日思ってるのに、「デキル奴」と周囲に勘違いされながら事態は進む。まあ、案外観察力はあるのかって感じなんだけど。映画のロケ現場だからと妙にうかれ気味の仲間に内心ツッコミまくりの語り口はテンポがよく笑わせてくれる。
先輩格のミーハーな強面刑事はいい味。交通課の二人はもう少しうまく使ってほしいかなあ。気付くとただの引き立て役になっていたような。

うさんくさーい捜査現場が後半少しぐだぐだになったのは惜しかったが、まあ結構楽しめた。極道シリーズ二作もそうだったが、ユーモアのセンスはそれなりにいいよ今野さん。
オチはちょっと弱かったが…あと、主人公がどーしてこんなになーんにもやりたくないのか、もう少し知りたかったな。ミステリーとしてはちょっと難ありだけど、ユーモア小説としてなら薦めたい。★三つしかつけてはいないが、続編出てくれたらきっと読むよ私。


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