幡大介著。

「富豪刑事」の大江戸版(笑)
大商家に生まれた優男の遊び人のボンが、行く末を案じた祖父の思いつきで同心株を買ってもらってにわか侍となり(まあ同心なんてのは、実は武士とはいえ足軽クラスの最下層らしいです)、もちろん剣の心得もなく夜道も怖い箱入り息子なんですが、ありあまる金力と、遊蕩で築いた妙に広い人脈とで事件を解決しちゃう、というノーテンキなおはなし。
放蕩記とか書いてるけどエロは皆無。むしろ遊びのネタが尽きてタイクツしてるって域ですし。
ミステリーとしてはアレですが、主人公の設定がなかなか楽しくてよろしい。

おぼっちゃま君すぎて茫洋とした物腰(よくわからない時は「芝居で見た」所作のまねっこをしてやりすごす)が大物と誤解されるのは、ありがちだけど笑えるし、何も考えてないようだけど、たまには考えている、のかもしれない、というつかみどころのなさと、何かというとすぐ涙ぐんじゃう妙な優しさが同居した人物像は案外よく練れている。ヒマにまかせて色々な習い事に手を出していたため、意外に多芸多才だったりするのもご都合主義を駆使しやすくできている。短期間だが蘭方医に入門してみたこともあるので、夜道は怖くても、流血も死体も怖くない!

孫命の大旦那様とか、陰間茶屋がヒイキの用心棒とか、野暮すぎる幇間とか、主人公以外にもヘンなキャラ多し。

これは、なかなか楽しいシリーズだ!★4は我ながらつけすぎだが、バカバカしくて良い。
ちょっとおっかけよう。

コメント

nophoto
だぶるえんだー
2011年3月15日20:48

おもしろそうですね。ぼくも時代小説はすきなのですが、十手もの(一般には何と呼ばれているのでしょう。捕物帳?)はあまり読まないのです。開拓してみましょうか。

ボースン
2011年3月15日22:29

軽いけど楽しい作品でした。シリーズとなり今四冊目まで出ています。
今日二巻が届いたので、近々紹介できると思いますよ♪
捕物帳と言っていいかは少し迷いますが、ユーモア時代小説です。

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