1938年、ハワード・ホークス監督作品。モノクロ。
所謂スクリューボール・コメディの中でもぶっとんだモノのひとつだとは聞いていた。まあ、そのとおりだ。
ナサケナイ眼鏡をかけた動物学者(古生物学者?)ケイリー・グラントは、あと骨一本届けば(既に発送中!)研究中の恐竜の骨の復元が完成し、かつ助手のアリスとも明日は結婚式…という、忙しくもめでたい状況にある。ところが、博物館への寄付を頼もうと接待ゴルフに出掛けた先で、超マイペースなじゃじゃ馬娘キャサリン・ヘップバーンに出会ったばかりに、彼の運命はジェットコースター状態に…。
接待どころか、車は壊され服は破かれ泥だらけになり、彼女に足止めを食らう間に大事な恐竜の骨は犬に盗まれ、逃げたペットの豹探しに巻き込まれ、はては犯罪者に間違われ…
ちょっと男が気に入ったからと、男にシャワーを薦めておいてその間に彼の服をクリーニングに出す凶悪なまでの天然娘は凄い。何をしでかしても全く悪びれないのである。まあそれでも、「新婚旅行より研究の方が大事でしょ」と言ってはばからない婚約者よりはいいかなあ。
若いキャサリン・ヘップバーンはとても細くて、ファニー・フェイスだけど可愛くて、なんだかかなり現代的なツラガマエなのが印象的。
だが何といっても、ケイリー・グラントだなあ。
キザで洒脱に女の子を引っ張りまわす役もうまいが、とことん引っ張りまわされるオトボケぶりはもう最高に魅力的。メガネはずすとハンサムという少女マンガ的お約束も生身でやれるんだもんなあ。
とはいえ、うーん…
やっぱり、ハワード・ホークスのコメディって、何かものたらない気がする私。
世間的評価は凄く高いんですが、「ヒズ・ガール・フライデー」「モンキー・ビジネス」「赤ちゃん教育」すべて"何かがものたらない…"と思ってしまった私はたぶんホークスコメディ音痴です(西部劇は好きだ!)。ケイリー・グラントは常に魅力的なんだけど。
豹もなかなか芸達者だった。
コメディは好きですし、スクリューボール・コメディのようなぶっとんだものにも大いに理解があるつもりなんですが…プレストン・スタージェスもルビッチも大笑いできるんだけど。なんでかな。
所謂スクリューボール・コメディの中でもぶっとんだモノのひとつだとは聞いていた。まあ、そのとおりだ。
ナサケナイ眼鏡をかけた動物学者(古生物学者?)ケイリー・グラントは、あと骨一本届けば(既に発送中!)研究中の恐竜の骨の復元が完成し、かつ助手のアリスとも明日は結婚式…という、忙しくもめでたい状況にある。ところが、博物館への寄付を頼もうと接待ゴルフに出掛けた先で、超マイペースなじゃじゃ馬娘キャサリン・ヘップバーンに出会ったばかりに、彼の運命はジェットコースター状態に…。
接待どころか、車は壊され服は破かれ泥だらけになり、彼女に足止めを食らう間に大事な恐竜の骨は犬に盗まれ、逃げたペットの豹探しに巻き込まれ、はては犯罪者に間違われ…
ちょっと男が気に入ったからと、男にシャワーを薦めておいてその間に彼の服をクリーニングに出す凶悪なまでの天然娘は凄い。何をしでかしても全く悪びれないのである。まあそれでも、「新婚旅行より研究の方が大事でしょ」と言ってはばからない婚約者よりはいいかなあ。
若いキャサリン・ヘップバーンはとても細くて、ファニー・フェイスだけど可愛くて、なんだかかなり現代的なツラガマエなのが印象的。
だが何といっても、ケイリー・グラントだなあ。
キザで洒脱に女の子を引っ張りまわす役もうまいが、とことん引っ張りまわされるオトボケぶりはもう最高に魅力的。メガネはずすとハンサムという少女マンガ的お約束も生身でやれるんだもんなあ。
とはいえ、うーん…
やっぱり、ハワード・ホークスのコメディって、何かものたらない気がする私。
世間的評価は凄く高いんですが、「ヒズ・ガール・フライデー」「モンキー・ビジネス」「赤ちゃん教育」すべて"何かがものたらない…"と思ってしまった私はたぶんホークスコメディ音痴です(西部劇は好きだ!)。ケイリー・グラントは常に魅力的なんだけど。
豹もなかなか芸達者だった。
コメディは好きですし、スクリューボール・コメディのようなぶっとんだものにも大いに理解があるつもりなんですが…プレストン・スタージェスもルビッチも大笑いできるんだけど。なんでかな。
コメント
ホークスのコメディはその速度と過激さ故に観客は、あっけにとられてゆっくり笑う暇のないままに映画が終わってしまうのだと思います。
過激なのはいいのですが、ゆっくり笑う暇がないほどテンポが早いとしたら、やはり過ぎたるは及ばざるがごとし、ですかね。ミュージカルだって(少なくとも昔のミュージカルは)、ダンスナンバーのあと、拍手できる(または、ほうっとウットリ息をつく)だけの一瞬の空白が入っていました。
それより、ラブコメにしてはホークス作品って、他監督のスクリューボール・コメディに比べると男女関係のロマンチックなニュアンスの描写が大味だと思います。やっぱり基本、男の作家、なのかも。
ちなみにこの映画の中でわりと面白かったのは、ハンティング経験のある紳士が、本物の豹が近くにいると知らないまま豹の鳴き真似をするところです。まあ、ヘプバーンを何とかしようと口を開きかけてはぐったり脱力するケイリー・グラントを見ていれば、それだけでも、そんなには飽きないのですが。
確かにホークス作品に「ロマンチック」な雰囲気は殆ど有りませんね。
なんだか人間もひたすらメカニカルであると言えば良いのか、情緒はあまりありません。
『脱出』『三つ数えろ』『ハタリ!』『リオ・ブラボー』などのカップルも「ロマンチック」とは言いがたい。
この作品で、みんなが保安官事務所?の檻に入れられた後の顛末は、あっけにとられるしか有りませんでした。
ボギー&バコールのカップルには、ふにゃふにゃしたロマンチックは不要、というか見る方もそれを求めないと思います。ただ、ケイリー・グラントだと逆に、そういったモノがないと勿体なくてねえ(笑)
>この作品で、みんなが保安官事務所?の檻に入れられた後の顛末は、あっけにとられるしか有りませんでした。
だんだん収牢人数が増えていくあたりはちょっと笑えました。が、あっけにとられて、あとから笑いがこみ上げてくるのなら傑作なんですが、このあとひと押しのおかしさが、出そうで出きらないのがホークス・ラブコメの「惜しい」ところです。