バシュフル盆地のブロンド美人 (The Beautiful Blonde from Bashful Bend)
バシュフル盆地のブロンド美人 (The Beautiful Blonde from Bashful Bend)
バシュフル盆地のブロンド美人 (The Beautiful Blonde from Bashful Bend)
1949年、プレストン・スタージェス監督作品。カラー。

美人女教師はお尋ね者?
トンデモ展開が得意なスタージェスにしても荒っぽく感じられちゃう西部コメディ(^^;)
日本未公開だがWOWWOWから録画してたものを鑑賞。

酒場の歌姫にして拳銃の名手フレディ(ベティ・グレイブル)は、賭博師ブラッキー(シーザー・ロメロ)に夢中だが、彼が他の女といちゃつくのを見てカッとなって発砲、誤って弾を判事のお尻に命中させたため逮捕される。妹分コンチータ(オルガ・サン・ファン)と共に逃げ出した彼女は他の町で女教師になりすまし、不良生徒を銃で脅して心酔させたり鉱山主の息子(ルディ・ヴァレー)に求婚されたりと調子よく…行きそうに見えたのだが、お尋ね者となった彼女をブラッキーが訪ねあてて…

とまあ、このへんまではそれなりに笑えるのですが、終盤の銃撃戦の中のギャグがイマイチ泥臭いのはなぜ。
やっぱり都会こそ似合うライター(兼監督)なんでしょうかスタージェス。
そして、「ああ、やっぱり」な着地。
そりゃまあコメディというのは、意外さで笑わされる場合と、ある程度予測のつく方へ状況が流れていく、想定内だけど「そうこなくっちゃ」と思える納得の笑いと、二種類があると思う(そして、最終的なまとまり次第で、どちらが上とも決められないと思う)。しかし、このラストは「そうこなくっちゃ」というより、「ああ、結局そうきたか」と思えてしまった。
スタージェスにしては並なコメディでした(^^;)

グレイブルは2曲ほど歌う。悪くないが、どちらかというとおとなしい芸風だと思うな。やっぱり「フツーっぽさ」が人気のカギだったのかしら。

オルガ・サン・ファンは、先日見た「Are You With It?」ではドナルド・オコナーと歌い踊っていたが、ここでは特になし。この人はカルメン・ミランダ二世という扱いらしいですが(笑)、ヒスパニックの筈が行きがかりで途中からは先住民のふりをして三つ編み姿。彼女とロメロというキャスティングは、40年代の南米ブームの流れなのかしら。ブラッキーがかなり性格悪く見えるのはちょっとねえ。最後は改心したようではありますが…

そしてルディ・ヴァレー。「結婚五年目」同様のお坊ちゃん役ですが、この人見ていて若い頃の田淵幸一選手を思いだすのは私だけ?賛同者いませんか?

コメント

nophoto
たけだ
2010年11月28日11:47

お早うございます

うーん、どうなんですかねえ、スクリューボール・コメディではないということなのでしょうか?

「男女間の戦いは二人の愛の絆を強めることになり、勝者は常に女性である」というジャンルの定義にどのくらい近いのかというのがこの種の作品を評価する際のポイントだと思うのですが・・・。

このジャンルは、1949年にはもうかなり衰退していましたし、作品としても遺作に近いので、スタージェスは、だいぶ弱っていた?


ボースン
2010年11月28日20:56

こんばんわ、たけだ様。やっと見ましたよ(笑)

スクリューボール・コメディではないのかもしれません。
最終的に愛という局面では、戦闘を経ての女の勝ちと見えますが、社会常識、社会規範には勝てていません(笑)イニシアチブも、色悪ぽい男の方にあります。

恋人を撃とうとして判事のお尻に一発。なんとか判事をなだめすかしている所に恋人が入ってきたので逆上してまた一発、で逃亡したヒロイン。
ラスト、改心したらしいロメロが法廷で弁護してくれたのが効いて全面ハッピーエンドになりそうに見えたものの、二度あることは、やはり…
喜劇としてはそれなりに納得の着地なんですが、私たちがスタージェスに望むものとはちょっと違うような?(苦笑)

ちなみにウチのWOWWOWは11月でいったん打ち止めです。
来月のジーン・ティアニー特集は見られませんので悪しからず(^^;)←「街の野獣」DVDは日米二枚も持ってるので…(爆)

nophoto
たけだ
2010年12月1日17:21

ボースン様

グレイブルは、『ピンナップガールの女王』みたいな扱いが一般的ですが、戦中から戦後にかけて10年連続BOX OFFICE NO.1という偉業は、同性である女性からの人気もないと実現できませんよね。
戦中のアメリカ本国と言えば、多分女性の人口の方が多かったはずですし・・・。
グレイブルは、バーバラ・スタンウィックのソフトヴァージョンというか、日常ヴァージョンというか、そんな気配を私は感じます。
女性の目から見るとグレイブルの評価ってどうなんでしょう?

ボースン
2010年12月1日23:01

>グレイブルは、バーバラ・スタンウィックのソフトヴァージョンというか、日常ヴァージョンというか、そんな気配を私は感じます。

なんとなく、わかります…
「華奢」とか「可憐」とか「儚げ」とか、そういう一種よわよわしい系の魅力が、この人にもスタンウィックにも縁遠いです。なんか基本的に「丈夫」なんですね(笑)

>女性の目から見るとグレイブルの評価ってどうなんでしょう?

スタンウィックもあまり魅力がわかりませんでした。「レディ・イブ」を見てちょっと見直しましたが。スクリューボール・コメディは"魅力的で図々しい女性"というのを描くのに向いているのでしょうか。

なので、グレイブルの魅力も、私には今ひとつわかりません(笑)
"フツー"で"日常的"なので、嫌いってほどではないですが。華奢とか可憐とかの方が好きですね。…自分のことはさておいて(笑)

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