2001年、クリス・バー・ヴェル監督作品。
珍しくも最近の映画。さる筋から「映画好き(特にクラシック映画好き)には、オススメ!」とのことで手を出して(レンタルして)みました。

カメラやフィルムなどの映画的小道具をあしらったクレジットタイトル。なんだか60年代のB級スリラーかTV番組みたいな主題曲。おお、今時らしくなくて期待できるかも…?

クレジットが終わったとたんに、映像は、雨の中ずぶぬれのオードリー・ヘプバーン!?アレレ?と、思いきや。
ガラすきの映画館内、うるんだ目で「ティファニーで朝食を」のラストシーンに見入る男(ティム・アレン)。彼の正体は、実は殺し屋“毒舌ジム(Critical Jim)”だった。
重度の映画マニアな彼は、マフィアの依頼で捕らえた男タウト、実はフィンチ(クリスチャン・スレイター)に、近頃の映画はなっていないと愚痴る。
「昔の映画はいい。ストーリーがある」

「僕にもある」と答えた犠牲者に、殺し屋は言う。では話してみろ、処刑の最終指令を待つ間。
話が面白ければ、ポケベルが鳴っても無視してやるかも…
そこでフィンチはジムには捕まるまでの込み入ったいきさつを語り始める。それはダイヤモンド泥棒と脱獄とマフィアの追撃と、そして恋の物語だった…(回想場面つき)。


いやー、面白かったです!
なんてったって「映画愛」のお話なのがいいですね。しかもクラシック映画寄りなので、派手な流血や爆発や濡れ場なんかはお呼びでない、とことんファンタジックでロマンチックでクラシック。奇術師でもある泥棒(リチャード・ドレイファス)は、通行人に夢を振りまく片手間にダイヤをかっさらって逃げてくし、通信手段というと、イマドキ鳩だ!(笑)
「そんなんで大丈夫か?(リアリズムじゃないんじゃない?)」と思う人はいるかも。ユルい所も多少ある。が、“素敵場面作り”優先のストーリーは、私の好みにはバッチリ合っている。ロマンチック・コメディといってもいいかな。

ジムは様々な映画からの引用を口にしたり、語りの手法(?)についてツッコミを入れつつ「素晴らしい結末」を期待してフィンチの「物語」に聞き入る。まさに映画ファンの典型だ。リアルを映画的至福に変えてしまいたい、そして時には映画の中の展開をあわよくば自分好みに変えてしまいたい、と望む、映画ファンの抜きがたい習性をオノレの心のおもむくまま、我儘放題に発揮するジムに、映画好きは何度でもニヤリとせずにはいられないだろう。
ふふふふ…


ラストまで、完璧にヤられました。最後の最後まで、キモチのいい映画。
オススメに従ってよかった~♪ありがとうございました!m(__)m
「近頃の映画」でも、たまにはこんなのがあるんですね(笑)最近の映画なのに驚いて★多め。
そうしょっちゅう使える手でもないでしょうが…

エンドタイトル、ジムの口にした映画の数々について、いちいち表記してるのもいいですね(笑)
邦題は手抜きな気がしますが、かといって中身を語らずにうまくタイトルつけるのも難しそう。
でもせめて、ロマンチスト向きな映画であることが分かるといいのにな…。
まあ、原題からして何だかわかんないんですが。⇒"Who Is Cletis Tout? "


<追記>
あとで、エライことがわかりました。
モノクロ映画と思って見ていたのですがカラーだったんですね!(爆)

たまたまその日だけ、プレイヤーのケーブルがゆるんででもいたのかなあ。なにしろ私のみる映画はモノクロ率結構高いので全然不思議に思いませんでしたよ、やれやれ。
それともまさかDVDが不良品とか、いやそれはないか?レンタルだったんで今ではもうわかりませんが(笑)
モノクロって上品だなーと思いながら観ていたワタシ…

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