1968年、バート・ケネディ監督作品。スカパーでの録画を視聴。
一時コミカル西部劇で人気があったケネディ作品。懐かしい~☆
ゴールドラッシュで急成長した西部の町。町の規模は大きくなってもケンカとリンチと娼館ばかりで秩序など無いまま、歴代の保安官も給料日までもった試しがない。そんなある日、トボけた流れ者ジェイソン(ジェームズ・ガーナー)が新たな保安官に任命される。さっそく彼は、町を脅かす最大のガンであるダンピー一家の三男ジョー(ブルース・ダーン)を殺人罪で逮捕するが、留置所は建設途中で、まだ鉄格子がはまっていないという有様。
それでも保安官は結構平気な顔。「ルールは守ろうな」と、笑顔と銃でおどされて、素直に中に座っている息子を見て、怒鳴りこんできた父ダンピー(ウォルター・ブレナン)がそのアホさ加減にガックリ…というのが笑わせる。
毒気を抜かれて一度は引きさがったダンピー一家だが、勿論それで済むわけはない。息子の奪回のためあの手この手を繰り出すが、この飄々とした保安官には案外スキがなく、にわか仕込みの保安官助手(ジャック・イーラム)や町長のお転婆娘(ジョーン・ハケット)と協力して、次々と敵を撃退してゆくのだった。…他の町民は、町長(ハリー・モーガン)含めて全く頼りにならないのだが…。
ちなみに原題は“SUPPORT YOUR LOCAL SHERIFF!”
「リオ・ブラボー」のような、西部劇にはいかにもよくある設定、よくある光景を、オフビートな笑いをまぶして楽しく見せてくれる。いい感じに肩の力の抜けたガーナーがやっぱりイイ。ほのかにB級ぽさがあり「60年代のジョージ・シーガル」と言ってもいいようなガーナーだが(私の勝手な持論だ)、こと西部劇に関してはTV・映画を含めてそれなりのアイコンとなってもいるぶん、西部コメディには最高のスターだと思う(映画でアープも演じればTVの西部劇シリーズも人気だった)。トボけた会話のひとつひとつが、“お約束”を踏まえて安定している。相棒役のジャック・イーラムもイイ味だしてるし。
ケネディの演出も、最初の泥んこ集団喧嘩シーンがちょっとダラダラしてる以外は、それぞれヘンな登場人物たち(ヒロインだって、いい加減ヘンな娘だ)を縦横にさばいて快調。
おちゃらけているけど、まだまだ安っぽくはなってないのがいい。
姉妹編「地平線から来た男」と、「悪党谷の二人」もじつは録りだめてある。そのうち再見するのが楽しみだ。
★4はつけすぎだろうが、★3では気の毒。気軽で気楽な快作だが、コメディの採点は難しい…
一時コミカル西部劇で人気があったケネディ作品。懐かしい~☆
ゴールドラッシュで急成長した西部の町。町の規模は大きくなってもケンカとリンチと娼館ばかりで秩序など無いまま、歴代の保安官も給料日までもった試しがない。そんなある日、トボけた流れ者ジェイソン(ジェームズ・ガーナー)が新たな保安官に任命される。さっそく彼は、町を脅かす最大のガンであるダンピー一家の三男ジョー(ブルース・ダーン)を殺人罪で逮捕するが、留置所は建設途中で、まだ鉄格子がはまっていないという有様。
それでも保安官は結構平気な顔。「ルールは守ろうな」と、笑顔と銃でおどされて、素直に中に座っている息子を見て、怒鳴りこんできた父ダンピー(ウォルター・ブレナン)がそのアホさ加減にガックリ…というのが笑わせる。
毒気を抜かれて一度は引きさがったダンピー一家だが、勿論それで済むわけはない。息子の奪回のためあの手この手を繰り出すが、この飄々とした保安官には案外スキがなく、にわか仕込みの保安官助手(ジャック・イーラム)や町長のお転婆娘(ジョーン・ハケット)と協力して、次々と敵を撃退してゆくのだった。…他の町民は、町長(ハリー・モーガン)含めて全く頼りにならないのだが…。
ちなみに原題は“SUPPORT YOUR LOCAL SHERIFF!”
「リオ・ブラボー」のような、西部劇にはいかにもよくある設定、よくある光景を、オフビートな笑いをまぶして楽しく見せてくれる。いい感じに肩の力の抜けたガーナーがやっぱりイイ。ほのかにB級ぽさがあり「60年代のジョージ・シーガル」と言ってもいいようなガーナーだが(私の勝手な持論だ)、こと西部劇に関してはTV・映画を含めてそれなりのアイコンとなってもいるぶん、西部コメディには最高のスターだと思う(映画でアープも演じればTVの西部劇シリーズも人気だった)。トボけた会話のひとつひとつが、“お約束”を踏まえて安定している。相棒役のジャック・イーラムもイイ味だしてるし。
ケネディの演出も、最初の泥んこ集団喧嘩シーンがちょっとダラダラしてる以外は、それぞれヘンな登場人物たち(ヒロインだって、いい加減ヘンな娘だ)を縦横にさばいて快調。
おちゃらけているけど、まだまだ安っぽくはなってないのがいい。
姉妹編「地平線から来た男」と、「悪党谷の二人」もじつは録りだめてある。そのうち再見するのが楽しみだ。
★4はつけすぎだろうが、★3では気の毒。気軽で気楽な快作だが、コメディの採点は難しい…
コメント
これは見たと思い込んでいましたが、見たのは続編の『地平線から来た男』でした。
この時期のバート・ケネディは、この手の西部劇が多いですね。
他にはシナトラが「汚れ役」を演じる『大悪党ジンギス・マギー』なんかも見ています。
この時期にここまで西部劇に徹した監督も珍しいですね。
ケネディのコミカル西部劇は結構ファンが多いですよね。久々に見たけど安心して楽しめました。リオ・ブラボー風展開の敵役がブレナンというのも可笑しいです。ウェイン&ダグラスのA級スタータッグの「戦う幌馬車」も、意外とコミカルな部分があり良かったです。
80年代後半になっても同じようなモノを撮っていたのにはビックリしましたが…"Once upon a Texas Train(1988年)"のDVDをウィドマーク見たさに買いましたが、老人西部劇コメディ全開でした。ジャック・イーラムもチャック・コナーズも出てるし。さすがに劇場公開でなくTVムービーのようでしたが…。⇒13374.diarynote.jp/200709232227430000/
イタリア人であるレオーネの西部劇『ウェスタン』でのイーラムの起用がこの「イーラムルネサンス」の要因だと思いますが皮肉ですね。
そうかもしれませんね。いつのまにか「西部劇の顔」のひとつになってるようですが、この作品以前にどんな役でどんな映画に出ていたか聞かれるとちっともピンときません(笑)
先週NHK BS2で放映された『ヴェラクルス』と『OK牧場の決闘』にも出てますが・・・・?!
そんなイーラムが、サラリと物語の「まとめ」をして立派なポーズを決めて見せるエンディングは素敵でした(笑)
バート・ケネディのコメディ西部劇の人気は、60年代後半~70年代が、正統派西部劇を好んで見るのが肩身が狭くなってきた時代だったからではないかという気がします。マカロニ・ウェスタンとニュー・シネマに挟撃された時代に、「笑い」というひとひねりを加えることで敷居を下げ、でも昔ながらの西部劇への好意的な目くばせや慣れ親しんだ"ニオイ"が頻出する。癒されますよ(笑)
中学生くらいのころに姉妹編「地平線から来た男」をテレビで見まして、これが滅法面白かった~!と感激(それ以来めぐり合う機会がなく、また見たいのですが、その願いはかなっていません)。
詳しい物語はもちろん覚えていないのですが、ガンマンとして名を成したいジャック・イーラムが「練習したから早撃ちを見てほしい」とかいってガーナーの前で早撃ちをやって見せるものの、いつもガーナーのほうが早く抜いて「俺はこれでも遅いほうなんだよ」とかなんとか言い放つ・・・というシーンだけは覚えています。
「夕陽に立つ保安官」はそれから数年後に見たのですが、吹き替えでガーナーの声を担当した小林修さんの“すっとぼけた”感じが実にすばらしいのです。ブルース・ダーンの山田康雄さんとのやり取りも楽しく、また、町にやってきた殺し屋と通りの真ん中と対峙したとき、撃ち合いになだれ込むのではなく、ガーナーが石を投げて殺し屋を追い払うところが無性におかしかったです。石を投げる前に、殺し屋に向かって「帰れ!バカ」と一喝する、ちょっとハイトーンな声が、ツボでした。
絶妙の行き当たりばったり感に、なんだか癒されます(*^^*)
バート・ケネディ監督は他にも「モンタナの西」「戦う幌馬車」、それにウィドマークさんの「ONES UPON A TEXAS TRAIN」は好きな作品です。
大昔に見た「モンタナの西」っていうのも、流れ者の老人・・・といっても当時50代ですが、バディ・イブセンが町の若者の根性をたたき直して去っていくというお話でした(だっと記憶しています)。バディ・イブセンといえば、「じゃじゃ馬億万長者」という、大好きなテレビシリーズで“ジャド”というお父さんを演じてた人で、忘れがたいです(「じゃじゃ馬億万長者」も吹き替え収録でDVD化してほしいです。輸入版はもっているのですが、やはりこれはせめて字幕でもないと辛いです)。
聞いたこともないのにコレを一緒に頼んだのは、安かったのもあるけどバート・ケネディ監督というのもありました(日記にも書いたけど)。ワキではやはり、自転車に乗るジャック・イーラムが素敵でした☆
「モンタナの西」はあいにく未見です。バディ・イブセンはろくに見ていないし噂に聞く「じゃじゃ馬億万長者」とかのイメージで誤解していましたが、ほんとは踊れる人だったそうですね。ドナルド・オコナーのタップダンス教習ビデオにもゲストで出てました。
バディ・イブセンが踊れる人だったとはビックリです。allcinemaのフィルモグラフィを見てみると、確かに若いころはミュージカルにも出ていますねえ。おどろきです。
ン十年程前、珍しいクラシック映画の映像に出会える可能性のある30分番組として、結構一生懸命録り溜めていたものです。今見ると、録画状態が酷いのは3倍速VHSなので当然として、ナレーション内容も時々胡散臭い気がしましたが、声自体は野沢那智さんでした☆懐かしい~。
私が初めて意識した声優さんは、大塚さんではなくこの人でした。
アラン・ドロンの声も有名でしたが、私は、「0011ナポレオン・ソロ」のデビッド・マッカラムにぞっこんだった小学生でしたので。(あ、この頃から金髪男性が好きやったんやろか・・・ウィドマーク様にハマル以前のことです)
>あ、この頃から金髪男性が好きやったんやろか・・・ウィドマーク様にハマル以前のことです
金髪で広大なオデコ。ウィドマーク様の方が勿論渋いですがパーツ的には似たトコありますよね。「襲われた幌馬車」DVDのパッケージ写真など、妙にマッカラムに似て見えます。仕方がないでしょう(爆)
関西では放映されたかどうかは、解りません。
DVDは、発売されているようです。
「ナポ・ソロ」は確実に関西でもやっていましたが…。
…なにわすずめ様、ご存じないですか~?(笑)
NCISは、最近です。本国ではまだ放映中のようですよ。
このじいさんみたことあるなあ。
あっデビッド・マッカラムだ!
という反応でした。