1939年、ウィリアム・A・ウェルマン監督作品。
画像のメーカーではないがワンコインDVDで鑑賞(399円で売ってたので)。の割に画像状態もよく満足。
何度もリメイクされた有名な外人部隊モノ。クーパーのルックスがイマイチ好きじゃなくてスルーしていたのだけど、主人公の子供時代を、子役やってた頃のドナルド・オコナー(12歳くらい?)が演じてるってんで手が出てしまった(爆)
見てみると、意外に面白くてわくわく楽しめました。話の古めかしさとかは全ッ然、気にならないほうだしね!
北アフリカあたりの、砂漠に孤立した小さな砦。原住民の襲撃の知らせを聞いて駆けつけてきた救援部隊が声をかけるが城門は開かない。全滅したのか?と思えば一発の銃声が…
まずラッパ手がロープで偵察のため侵入する。なかなか戻らないので続いて将校が城壁を乗り越えてみると、砦の中は死屍累々、だが指揮官らしい軍曹は味方の銃剣で刺されて死んでいた。
ラッパ手の行方にも首をひねりつつ将校が外に出ると、今度は砦の一角から炎が上がる。
いとも謎めいた導入部から、物語は一転、丸15年遡って、英国貴族のブランドン家に育つ5人の子どもたちの姿へと飛び、物語はゆるやかに再スタート。
その中でも仲良し3人兄弟はボー、ディグビー、ジョン。5人中この3人はレディ・ブランドンに引き取られた孤児なのだが、実の甥オーガスタスよりデカイ顔して遊んでいるあたりに、夫人の人徳がしのばれる。当主のヘクター卿の方は、金策の時しか帰宅しない遊び人で、じりじり家を傾けつつあるのだが。
海軍ごっこだバイキングごっこだアーサー王ごっこだとやっているうち、屋敷に飾られた大きな甲冑に隠れたボーは、夫人の秘密をもれ聞くことに…。
成人した三兄弟は、ゲーリー・クーパー、ロバート・プレストン、レイ・ミランドの三兄弟となる。ジョン(ミランド)はやはり養女のイゾベル(スーザン・ヘイワード)と恋仲にもなっている。が、家宝のサファイアを売却するため、久々に当主が帰ってくるらしいと聞いた日、長兄ボー(クーパー)は宝石と共に姿を消す。続いて次兄(プレストン)も「盗んだのは本当は自分だ」と置手紙をして失踪する。身を隠そうとするならば…と、推理の末に外人部隊に志願したジョンは、思惑通り、危険な戦場で兄たちと再会する。
再会を喜び合う3人だが、上官のマーコフ軍曹(ブライアン・ドンレヴィ)は悪逆非道の冷血漢で、しかも兄弟が隠し持つ(と軍曹は思っている)宝石を奪う隙を狙って、兄弟を分断して小さな砦の守備隊に入れる。そこへ敵の大群が…
古い原作つき冒険物語(1926年)。ある程度、先も読めるように出来ている。
そして、それぞれに「自分が盗んだ(だから誰かをかばうつもりで『自分だ』と言わなくて良いんだよ、の意?)」と主張し合う兄弟の突っ張った兄弟愛(?)は、多少苦しいような気もする…(古い話だからなぁ)。頻繁なアイコンタクトは兄弟の絆の強さを印象付けていい感じだが。
しかし何より、最初に提示された、全滅した砦の全ての真相、そしてなぜ宝石が盗まれなければならなかったか、…小出しに小出しにと繰り出されるエピソードの数々の、語り口の滑らかさが大変に素晴らしい。最終的に、どう冒頭の絵の形に全てのピースがはまってゆくのかと、息をのんで見入ってしまった。
悪役のドンレヴィも噂にたがわぬ迫力で盛り上げてる。サイテーの男だが兵士としては最高の逞しさをも備えている…
そして終盤、幼年時代の三兄弟の言動がいちいち伏線として効いてくるのが泣かせます。あそこがじっくり丁寧に描かれていたのがホント大きいですね。私なんざ、最初のラッパ手がロバート・プレストンだったのにしばらく気がつかなかったのだが、ちびディグビーが"バイキングの葬礼"ごっこでラッパを吹いていなかったら、気づくのもっと遅れたかもしれないな(爆)
若い人にはピンとこないかもしれないけど、アレは昔の英国のそこそこ以上家庭の子どもの遊びとして実に伝統的な描写だったと思う。だって、ナルニア国物語でもツバメ号シリーズでも「とぶ船」でも、とにかく英国児童文学の古典じゃみんなあんな感じですよ。兄弟内では絶対的な年功序列、女の子もこみで階級とか規律とか設定に妙にうるさいごっこ遊びをするんですね。今は違うんだろうけど。
少年オコナー、子どもの時からやっぱり首が長くて、美少年ではないけどスッキリしてる☆
http://www.youtube.com/watch?v=XZSuUV1UiuE
大砲までぶっぱなせる高価そうな帆船模型で遊んで、砲戦で半ば壊しちゃったら、次は火をつけて“バイキングの葬式だ”と流してしまうのは、日本の小市民兼帆船ファンとしては…勿体無い!ブルジョワ過ぎ!と叫びたくもなりますが…(^^;
画像のメーカーではないがワンコインDVDで鑑賞(399円で売ってたので)。の割に画像状態もよく満足。
何度もリメイクされた有名な外人部隊モノ。クーパーのルックスがイマイチ好きじゃなくてスルーしていたのだけど、主人公の子供時代を、子役やってた頃のドナルド・オコナー(12歳くらい?)が演じてるってんで手が出てしまった(爆)
見てみると、意外に面白くてわくわく楽しめました。話の古めかしさとかは全ッ然、気にならないほうだしね!
北アフリカあたりの、砂漠に孤立した小さな砦。原住民の襲撃の知らせを聞いて駆けつけてきた救援部隊が声をかけるが城門は開かない。全滅したのか?と思えば一発の銃声が…
まずラッパ手がロープで偵察のため侵入する。なかなか戻らないので続いて将校が城壁を乗り越えてみると、砦の中は死屍累々、だが指揮官らしい軍曹は味方の銃剣で刺されて死んでいた。
ラッパ手の行方にも首をひねりつつ将校が外に出ると、今度は砦の一角から炎が上がる。
いとも謎めいた導入部から、物語は一転、丸15年遡って、英国貴族のブランドン家に育つ5人の子どもたちの姿へと飛び、物語はゆるやかに再スタート。
その中でも仲良し3人兄弟はボー、ディグビー、ジョン。5人中この3人はレディ・ブランドンに引き取られた孤児なのだが、実の甥オーガスタスよりデカイ顔して遊んでいるあたりに、夫人の人徳がしのばれる。当主のヘクター卿の方は、金策の時しか帰宅しない遊び人で、じりじり家を傾けつつあるのだが。
海軍ごっこだバイキングごっこだアーサー王ごっこだとやっているうち、屋敷に飾られた大きな甲冑に隠れたボーは、夫人の秘密をもれ聞くことに…。
成人した三兄弟は、ゲーリー・クーパー、ロバート・プレストン、レイ・ミランドの三兄弟となる。ジョン(ミランド)はやはり養女のイゾベル(スーザン・ヘイワード)と恋仲にもなっている。が、家宝のサファイアを売却するため、久々に当主が帰ってくるらしいと聞いた日、長兄ボー(クーパー)は宝石と共に姿を消す。続いて次兄(プレストン)も「盗んだのは本当は自分だ」と置手紙をして失踪する。身を隠そうとするならば…と、推理の末に外人部隊に志願したジョンは、思惑通り、危険な戦場で兄たちと再会する。
再会を喜び合う3人だが、上官のマーコフ軍曹(ブライアン・ドンレヴィ)は悪逆非道の冷血漢で、しかも兄弟が隠し持つ(と軍曹は思っている)宝石を奪う隙を狙って、兄弟を分断して小さな砦の守備隊に入れる。そこへ敵の大群が…
古い原作つき冒険物語(1926年)。ある程度、先も読めるように出来ている。
そして、それぞれに「自分が盗んだ(だから誰かをかばうつもりで『自分だ』と言わなくて良いんだよ、の意?)」と主張し合う兄弟の突っ張った兄弟愛(?)は、多少苦しいような気もする…(古い話だからなぁ)。頻繁なアイコンタクトは兄弟の絆の強さを印象付けていい感じだが。
しかし何より、最初に提示された、全滅した砦の全ての真相、そしてなぜ宝石が盗まれなければならなかったか、…小出しに小出しにと繰り出されるエピソードの数々の、語り口の滑らかさが大変に素晴らしい。最終的に、どう冒頭の絵の形に全てのピースがはまってゆくのかと、息をのんで見入ってしまった。
悪役のドンレヴィも噂にたがわぬ迫力で盛り上げてる。サイテーの男だが兵士としては最高の逞しさをも備えている…
そして終盤、幼年時代の三兄弟の言動がいちいち伏線として効いてくるのが泣かせます。あそこがじっくり丁寧に描かれていたのがホント大きいですね。私なんざ、最初のラッパ手がロバート・プレストンだったのにしばらく気がつかなかったのだが、ちびディグビーが"バイキングの葬礼"ごっこでラッパを吹いていなかったら、気づくのもっと遅れたかもしれないな(爆)
若い人にはピンとこないかもしれないけど、アレは昔の英国のそこそこ以上家庭の子どもの遊びとして実に伝統的な描写だったと思う。だって、ナルニア国物語でもツバメ号シリーズでも「とぶ船」でも、とにかく英国児童文学の古典じゃみんなあんな感じですよ。兄弟内では絶対的な年功序列、女の子もこみで階級とか規律とか設定に妙にうるさいごっこ遊びをするんですね。今は違うんだろうけど。
少年オコナー、子どもの時からやっぱり首が長くて、美少年ではないけどスッキリしてる☆
http://www.youtube.com/watch?v=XZSuUV1UiuE
大砲までぶっぱなせる高価そうな帆船模型で遊んで、砲戦で半ば壊しちゃったら、次は火をつけて“バイキングの葬式だ”と流してしまうのは、日本の小市民兼帆船ファンとしては…勿体無い!ブルジョワ過ぎ!と叫びたくもなりますが…(^^;
コメント
良いでしょう?
ストーリー展開は予想できるんですが、予想通りに進む気持ちよさというか、語り口の滑らかさが気持ちよいというか、ハリウッド古典期の醍醐味が味わえる作品ですね。
クーパーはやっぱりイマイチですけどね(笑)…いや、好演してるとは思うんですが。
釈迦に説法だとは思いますが他の人のために付け加えると、ボー・ジェストは、クーパーの役名でありますがフランス語で気高い行為/立派な行動という意味でもあります。
ボー・ブランメル(ダンディズムの元祖)とか実際にいるので特殊な通称ってほどでもないのでしょうし。
イギリスにはフランス新教徒(ユグノー)の移民も多かったし上流社会ではフランス語もかなり流通していたと思います。
まあ、ウィリアム征服王とか、ロビンフッドに出てくるアングロ人とノルマン人の確執など英仏の交流/戦争にはながーい歴史が有りますね。
船をある程度沖まで送リ出してから、火のついた矢を船に向けて放つ場面がとても厳粛に描かれていました。その場面だけしか覚えてないんです^^;
なんという映画なのかご存知でしょうか・・・・
それは『ヴァイキング』ではないですか?
船に乗せられた遺骸はカーク・ダグラスです。
トニー・カーチス、ジャネット・リーが共演。
アーネスト・ボーグナインも出ていたように記憶しています。
『エクスカリバー』や『キング・アーサー』にもにたような場面があったような・・・・。
「突然パリのデパートに思い至」れるたけだ様、カッコよすぎです(^^;)
>なにわすずめ様
私も『ヴァイキング』に一票。
そもそも本格的なバイキング葬礼はこの映画でしか見ていないってこともありますが…
ショーン・コネリーは、弓を射てから死ぬ(自分が)という場面が「ロビンとマリアン」にあったような気がします…船は関係ないですが。
「ボー・ジェスト」は、カタカナのみのタイトルですが、インパクト大です。
まだ見ていませんが、何度も映画化されてる作品だけあって、面白そうですね。
とても見てみたくなりました。
バイキング関係と言えば。幸村誠の「ヴィンランド・サガ」というマンガが面白いです。お気に入りキャラが一人退場したので、続きを読もうかどうしようかちょっと迷ってはいるのですが。
そして「ボー・ジェスト」も面白かったですよ。なるべく筋を知らずに見るのがコツです。
YOU TUBEでFIRST KNIGHT 23で検索すると問題のシーンが観られます。
画質もきれいです。
Final Scene Einar vs Eric 1958で検索すると『ヴァイキング』の同種のシーンが観られます。
名手ジャック・カーディフ撮影のこちらの方が美しいと思います。
最近のこの手の映画では、ジェームズ・フランコ主演の『トリスタンとイゾルデ』は結構良い出来です。
ありがとうございます。両方見比べてみました。
「ヴァイキング」では、大勢の部下が火の矢を放って、にぎやかに死者を送っていくんですね。一方『トゥルー・ナイト』は、たった一人の火の矢が、素晴らしい命中度で(!!)船に火を送っていました。
後者の映画の出来はおそらくイマイチだったと思いますので、内容はほとんど覚えてないのですが、やはり、このラストはちょっと感動しました。
ラストシーンの雰囲気が似て非なるのも何か意味があるとは思いますが、そもそも、ヴァイキングと、アーサー王とはどう違ってるのかすらあまりよく知りませんので(^^ゞ、そのうち調べてみます・・・・。
ボースン様、
>幸村誠の「ヴィンランド・サガ」
画像検索してみました。こないだのお風呂のマンガにちょっと似たような緻密な画風ですね。この作者が、実際に描画してる映像があったのですが、左利きの人なんですね。丁寧に、慎重に描いていらしたのが印象的でした。
ヴァイキングの方は、北欧神話の戦士の魂が死後行く場所であるヴァルハラへの葬送ですね。多分時代考証的にも正しいのだと思います。
アーサー王は、架空の人物(モデルなった人物はいたようですが)なので映画向け演出でしょうが、イギリスもキリスト教が広まる前は北欧神話もしくは同様な神話が存在した可能性は十分有ると思います。
アーサー王の話はケルト系の神話や伝説が元になっていたはずです。
よくわかりませんがケルト神話と北欧神話は関係があるのではないでしょうか?
それとも遺体だけ荼毘に付されるように一人だけの小火力で…?
アーサー王(orそのモデル)はたしか5世紀頃のウェールズの人間ですし、北欧のヴァイキングが欧州全体を荒らしまわるようになるのはもう何世紀か後になってですから、時代的地理的にはちょっと離れていると思います。
ちなみに、「ヴィンランド・サガ」の登場人物の中には、父親はデーン人(スカンジナヴィア人)のヴァイキングですが母親は彼にさらわれたウェールズのお姫様でアルトリウス(アーサー王のモデルな人)の血を引いているのを誇りにしているというキャラクターがいました。この話は11世紀が舞台です。…描き込み、かなり緻密ですね。これに比べると、テルマエはギャグなので“なんちゃって描き込み”かもしれません(笑)