1994年、バド・フリージェン, マイケル・J・シェリダン監督作品。
といってもアンソロジーだけど。PART1・2の20年後の3。

そういやパート3も、スカパー録画したのに見忘れていた…と視聴。
最初の二作の感想のときにも書いたように、一作目でクラシックミュージカルにハマってから幾星霜。大人買いしまくれる年だし、コレに出てくる珍しい場面も、ある程度は(特に好きなスターのものは)既に手元にDVD持ってたりレンタルやTVやYouTubeで見たりしちゃってるのだが、それでもボチボチ「へぇ~」っていうのはあるので楽しい。基本的に好きなんだなミュージカルが。
へぇー、エスター・ウィリアムズも彫像と踊った(厳密には泳いだ)ことがあったのかあ(「ショウほど素敵な商売はない」のオコナーを思い出した)とか、ジーン・ケリー、ヘタに気合い入れてバレエやるより新聞紙とカジュアルにタップ踏む方が素敵だなあ(「サマー・ストック」)とか。
なるべく撮影所の裏側とか公開時カットされた映像を見せようという姿勢も楽しめます。

タイトルの文字が邪魔してよく見えない二人のステップを!と「ブロードウェイのバークレイ夫妻」オープニングからタイトル消して見せてくれたのなんか、笑っちゃいましたがファンのツボついてますね。
凄く新味があるってほどでもないけど楽しく見れました。

が、のんびり観てると突然ナレーションが「40年代に入り、ハリウッドは南米ブームに突入!」と…そしてリカルド・モンタルバンやカルメン・ミランダ、加えて偽カルメン(ミッキー・ルーニー!)のクリップが。

なにー!

先日YouTubeで見た"ハリウッド・ミュージカルの歴史"的なナンバーが、創成期⇒バスビー・バークレー⇒アステア⇒?⇒ジーン・ケリー、の流れで、「?」部分がなぜ「ヒート・ウェイブ」だったのかと首をひねっていたのだが…(単に英語が聞き取れなかったせい)。

そーゆーことだったんだーーーー!
(6/27日記参照 http://13374.diarynote.jp/201006272305409464/)

戦争突入で暗い世相がちょー明るそうな南米ムードを歓迎したそうですが、そんなの当事者(戦争相手)な日本人の私たちには、逆にわかんないですもんね。
それでなくても40年代前半の映画なぞ、終戦後に順番ばらばらで(しかも勿論全てではない)入ってくるし。
何事であれ、謎が解けて納得するのは気持ちのよいことです。よかったよかった。

コメント

nophoto
たけだ
2010年7月13日10:17

おはようございます

1、2、3とそれぞれ面白いのですが、やっぱり1が一番面白かったですね。
2、3には、貴重な映像も有るのですが全体的な「熱量」が不足気味ではないかと・・・。

アメリカ以外で40年代のアメリカ映画がまともに公開されたのは南米だけですね。
戦争(の雰囲気)を嫌って戦争中南米に避難したアメリカ人も多かったはずです。
アメリカ政府としても裏庭の南米には親米でいてもらわないと困るので40年代はかなり南米諸国にややおもねった作品も多いです。
『ギルダ』やグレイブルの『遥かなるアルゼンチン』などはこの文脈で見直すと興味深いですね。
カルメン・ミランダは、日本では知る人ぞ知る人物でしょうがアメリカではかなりの人気があったようです。

ボースン
2010年7月14日0:04

こんばんわ。

タップの(というかクラシック・ミュージカルの)復権を一発で果たした「1」の威力はやはり最大だったと思いますね。
私もこれを見ていなければ…(そしてその前段階として偶々TV放映の「パリの恋人」でアステアを見ていなければ)、映画人生(大袈裟)けっこう変わっていたろうと思います。

>アメリカ政府としても裏庭の南米には親米でいてもらわないと困るので40年代はかなり南米諸国にややおもねった作品も多いです。

なるほど、それはありそうですね。納得。

nophoto
たけだ
2010年7月14日9:54

そのうちに読もうと思ってる本にマヌエル・プイグの『リタ・ヘイワースの背信』があります。『蜘蛛女のキス』は映画化されているのでこちらの方が有名でしょうね。

ハリウッド映画最盛期である1933-1948年のブエノス・アイレスが舞台の小説です。

ボースン
2010年7月14日10:29

南米から米国文化への思いにも、良きにつけあしきにつけ、濃厚なものがあるのでしょうね。タイトルにハリウッド・スターの名があしらわれているだけで、図書館などで見かけても、気になりますし強烈な印象が残っていました。…読まないと思いますが…。そもそも南米の文学をろくに読んでいないので(^^;)

でも、面白くて読みやすかったらまた教えてください。m(__)m

nophoto
なにわすずめ
2010年7月15日23:32

今晩は。
先ほど『錨を上げて』を鑑賞し終えたのですが、本当に楽しめました。
確かに、南米色濃いですね。メキシコらしき町の風景が出てくるのですが、なんか国境なんか無い、一駅先(?)みたいな描き方でした。
唄われるナンバーもラテン系がふんだんでしたし。
それにしても、この映画って、終戦直前に作られてるんですね。
水兵マニアのデイーン・ストックウェル少年とか、最後の『錨を上げて』の演奏シーンを見ると、戦時色濃い作品ではあるのですが、この頃の日本は・・・その差に愕然としますね・・・やはり。

ところで、昨日は『ギルダ』を見たのですが、『リタ・ヘイワースの背信』とは、どういう内容なんでしょう。ちょっと、気になります・・・。

ボースン
2010年7月16日8:05

おはようございます。
『錨を上げて』はだいぶ前に見ています(なので細部は少し忘れてます)。ジーン・ケリーはタッパはないけどガテン体型なので水兵服がよく合いますよね。オトモダチがシナトラでヒロインがキャスリン・グレイスン?
舞台もロスだかハリウッドだったかと思うので、メキシコも結構近いですよね。"南米ブーム"の影響があったのは気がついていませんでしたが(笑)

>水兵マニアのデイーン・ストックウェル少年とか、最後の『錨を上げて』の演奏シーンを見ると、戦時色濃い作品ではあるのですが、この頃の日本は・・・その差に愕然としますね・・・やはり。

ガテン臭のない他のミュージカル・スターたちも、やっぱりアメリカ、一度もスクリーンで水兵服を着たことのない人は珍しいかもしれません(アステアですら着ている!似合わないけど)。
水兵さんたち、休暇中ならあくまで女の子をおっかけまくって正常(それで元気をたくわえて、愛国心に結び付けばなおよし)、という健全さ?は筋が通ってると思いますが、日本ではそんなの通らなかったみたいですもんね。ふぅ。

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