山本一力著。
お江戸の細腕繁盛記。十代でアイデア満載の一膳飯屋を開いてガンガン稼ぐつばきは、借金まみれの職人安治(腕はいいのにウッカリ博打で…)と料理屋で働く母親みのぶとの間に生まれた娘。三人姉妹の長女ということで、気付くと妹たちの母親状態にもなってるし、ちょー働き者だし(まぁこれは時代もあるか?)、かなり気が強いし、あまりに私と対極の性格のヒロインに、話は面白いのだがちょっとノれなかった。

はぁ…江戸っ子なのだろうなあ。京阪神をろくに出たことのない私は、江戸っ子気質にはつい違和感が。"きっぷがいい"っていうのかもしれないけど、攻撃性が見ていてしんどい。火事や水害などの描写にも迫力があり、上手いとは思うのだが、どうもついていけない所があって残念でした。

コメント

nophoto
たけだ
2010年5月20日9:54

ボースン様

この人は、池波正太郎になりたいようですけれどまあ、無理な話ですね。
高知県で生まれ14歳まで育ったのですから。その後上京したとはいえ江戸っ子気質を肌で感じる事は殆どなかったでしょう。
東京の落語家には地方出身者が結構居ますが、そういう人はどことなく解りますね。江戸落語というのは、地方出身者にとってはかなりハードルが高いと思います。
関西落語は、描写の仕方が違うのか、文化圏が広いのか、関西人の血のせいか誰が演じても(上手い下手はともかく)余り違和感はないですね。

香園
香園
2010年5月20日12:31

山本一力では「あかね空」がなかなか良かったです。

ボースン
2010年5月21日0:16

こんばんわ、たけだ様、 香園様。

>高知県で生まれ14歳まで育ったのですから。その後上京したとはいえ江戸っ子気質を肌で感じる事は殆どなかったでしょう

そういえば高知=土佐も女性が強くて有名だったような。それが入り混じっているので無暗に強気なヒロインになってしまったのかな?
池波正太郎は数冊読んでいますが(特にファンなわけではない)、風合いはだいぶ違いますね。目標にするのは別にかまわないけど(時代小説書きには自然なことかも)。

>山本一力では「あかね空」がなかなか良かったです。

確か、直木賞受賞作ですよね。きっとそちらの方が代表作、一番よくできた作品なのでしょう。リベンジしたくなったら「あかね空」にいってみましょう。ただ、ほんとは私、下町人情を求めて時代小説を読むというのはあまり普段してなくて…
なにしろ一番尊敬する時代小説書きが山田風太郎ですから(笑)

nophoto
たけだ
2010年5月21日18:53

山本一力とは無関係ですが。

なんと一条ゆかりの『プライド』が実写映画化だそうです。
主演女優二人は全く知りませんが監督は金子修介(ガメラなど)です。

ボースン
2010年5月21日20:04

「プライド」は面白かったですー!大好きでした。いつまでも面白い一条ゆかり。
実写映画を見る気は全くないのですが、さてどんな出来なんでしょうかねえ。

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