午前十時の映画祭/ショウほど素敵な商売はない
2010年5月10日 映画 コメント (5)
「午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本」が始まって数カ月たつが、ようやく私のお待ちかね「ショウほど素敵な商売はない」がやってきた。
いや、「50本」の中でミュージカルを選ぶなら、もっと凄い作品が何本もある筈だが(アステアが一本もないのは言語道断…)、今回50本の中で一番「見たい」と思ったのがこれだった。
これは2年ほど前VHS(図書館レンタル)で見て、すぐにDVDを買いに走った作品。(http://13374.diarynote.jp/200804112327130000/参照)
こんどは映画館のスクリーンで見てみたい、と行ったのだが、正解。当たり前のことだが、やっぱり大スクリーンで見るのとTV画面でみるのとは全然違うね。
リズムが、メロディが全身で味わえる。行ってよかった。
モンロー映画として取り上げられているようだが、あくまでもこれはとある芸人一家の悲喜こもごもの年月を描く人情バックステージもの(モンローは次男の恋人になる歌手役)。ストーリーを繰り返すのはよすが、あらためて見て、この家族愛、ベタなようでも親心のこまやかな描写にまたまた泣けた。子育てにおいて、夫婦は戦友なんだよね。勝てるわけのない戦に肩を寄せ合ってのぞむ戦友。どんな人間関係にも別れがある。子どもを育て上げることは、子どもに「親から離れていく力をつける」ことに等しい。どんなに仲良し家族でも、道が分かれることもある。それでも子どもたちを可愛い、いとしいと思う心で、つまらないことにも共に一喜一憂しながら、夫婦は絆を強めるのだ。
若いころより中年になってこそ沁みるものがある(私はトシ食ってから見たが)。
ダンナを連れてって一緒に見たかったな…
スクリーンで見ると、アクが強いと思ってたエセル・マーマンがDVD鑑賞時よりも魅力的に感じた。肝っ玉かあさんだから、美人でなくても、芝居がかった演技でも別にいいんだけどね☆
ミッツィ・ゲイナーも最高!どうしてミッツィを見ながらコレを「モンローの映画」と思えるのか私にはわからない。スタイル良し踊り良し、キュートでしっかり者の長女をとてもいい感じで演じてる。モンローが悪いわけではないのだろうけど、彼女の役に必要な、舞台に賭ける根性やパワーが、少し不足に感じられるのだ、私には。
モンローを一番上手く歌わせたのはビリー・ワイルダーだと思っている。「お熱いのがお好き」のシュガーの舞台は文句なしの素晴らしさ。
ドナルド・オコナーの軽やかさも大好きだし(困ったちゃんな次男坊なのだが、バカな子ほどかわいいというやつだ。ダンスも歌も上手いのでもっともっと見たかった…)、お父さんダン・デイリーもやっぱりいいなあ。この時代のミュージカルスターの中では例外的に大柄で、スマートだがスマートすぎないいかにもアメリカンな感じがやっぱり素敵。
「ショウほど素敵な商売はない」。
アーヴィング・バーリンの素晴らしい曲の数々にのせて庶民の哀歓を描きだす、やっぱり傑作のひとつなのかなあ。
ちなみにこの歌の歌詞も、ドラマチックでとても素敵です。手ばなしに楽天的にショービジネスを「素晴らしい」と言っているのではない。辛いことも苦しいこともあって、それでも力強く舞台に夢を投げかける歌。
ああ、やっぱり大スクリーンはよかった。
…画質はVHSクォリティな感じではあったが…
<追記>
夜、ウッカリあまぞんで"Call Me Madam"をポチってしまいました…
(エセル・マーマン、ドナルド・オコナー、ジョージ・サンダース主演)
しかし不思議なのは、米アマゾンのマーケットプレイスで買うより、英国アマゾンのマーケットプレイスでしかも同じ店(多分アメリカの店)で買った方が安いことだ。送料の関係、というにしても同じ店だと思うんだがナゾだなぁ(海外でまでマーケットプレイスが定着し始めたダイタンな私…)。
いや、「50本」の中でミュージカルを選ぶなら、もっと凄い作品が何本もある筈だが(アステアが一本もないのは言語道断…)、今回50本の中で一番「見たい」と思ったのがこれだった。
これは2年ほど前VHS(図書館レンタル)で見て、すぐにDVDを買いに走った作品。(http://13374.diarynote.jp/200804112327130000/参照)
こんどは映画館のスクリーンで見てみたい、と行ったのだが、正解。当たり前のことだが、やっぱり大スクリーンで見るのとTV画面でみるのとは全然違うね。
リズムが、メロディが全身で味わえる。行ってよかった。
モンロー映画として取り上げられているようだが、あくまでもこれはとある芸人一家の悲喜こもごもの年月を描く人情バックステージもの(モンローは次男の恋人になる歌手役)。ストーリーを繰り返すのはよすが、あらためて見て、この家族愛、ベタなようでも親心のこまやかな描写にまたまた泣けた。子育てにおいて、夫婦は戦友なんだよね。勝てるわけのない戦に肩を寄せ合ってのぞむ戦友。どんな人間関係にも別れがある。子どもを育て上げることは、子どもに「親から離れていく力をつける」ことに等しい。どんなに仲良し家族でも、道が分かれることもある。それでも子どもたちを可愛い、いとしいと思う心で、つまらないことにも共に一喜一憂しながら、夫婦は絆を強めるのだ。
若いころより中年になってこそ沁みるものがある(私はトシ食ってから見たが)。
ダンナを連れてって一緒に見たかったな…
スクリーンで見ると、アクが強いと思ってたエセル・マーマンがDVD鑑賞時よりも魅力的に感じた。肝っ玉かあさんだから、美人でなくても、芝居がかった演技でも別にいいんだけどね☆
ミッツィ・ゲイナーも最高!どうしてミッツィを見ながらコレを「モンローの映画」と思えるのか私にはわからない。スタイル良し踊り良し、キュートでしっかり者の長女をとてもいい感じで演じてる。モンローが悪いわけではないのだろうけど、彼女の役に必要な、舞台に賭ける根性やパワーが、少し不足に感じられるのだ、私には。
モンローを一番上手く歌わせたのはビリー・ワイルダーだと思っている。「お熱いのがお好き」のシュガーの舞台は文句なしの素晴らしさ。
ドナルド・オコナーの軽やかさも大好きだし(困ったちゃんな次男坊なのだが、バカな子ほどかわいいというやつだ。ダンスも歌も上手いのでもっともっと見たかった…)、お父さんダン・デイリーもやっぱりいいなあ。この時代のミュージカルスターの中では例外的に大柄で、スマートだがスマートすぎないいかにもアメリカンな感じがやっぱり素敵。
「ショウほど素敵な商売はない」。
アーヴィング・バーリンの素晴らしい曲の数々にのせて庶民の哀歓を描きだす、やっぱり傑作のひとつなのかなあ。
ちなみにこの歌の歌詞も、ドラマチックでとても素敵です。手ばなしに楽天的にショービジネスを「素晴らしい」と言っているのではない。辛いことも苦しいこともあって、それでも力強く舞台に夢を投げかける歌。
ああ、やっぱり大スクリーンはよかった。
…画質はVHSクォリティな感じではあったが…
<追記>
夜、ウッカリあまぞんで"Call Me Madam"をポチってしまいました…
(エセル・マーマン、ドナルド・オコナー、ジョージ・サンダース主演)
しかし不思議なのは、米アマゾンのマーケットプレイスで買うより、英国アマゾンのマーケットプレイスでしかも同じ店(多分アメリカの店)で買った方が安いことだ。送料の関係、というにしても同じ店だと思うんだがナゾだなぁ(海外でまでマーケットプレイスが定着し始めたダイタンな私…)。
コメント
この間NHK BSで放映されたときに見始めたのですが我が家のテレビはシネマスコープ版を見るには小さすぎることと、ゆっくり見ていられる時間もなかったので断念しました。
私が住んでいる地域では、この作品が来るのは11月です!
『魅惑の巴里』(この作品も50本に入っていない)のゲイナーも良かったなあ。
モンローで好きな作品は『帰らざる河』と『バス停留所』です。
ですが、やはりスクリーンで見ないとたけださまのご指摘のように、本当の魅力は伝わってこないかもですね。
ぼーっと見ていたのですが、あの成長してコミカルにダンスを踊っていたのがゲイナーだったんですね。かわいいですね。「南太平洋」のときよりも。
たけださま、「帰らざる河」は、やはり曲もすばらしいですよね。
ウエスタン名曲集LPには必ず入っていたのでは・・・・
シネマスコープはうちのテレビにも荷が重いです。買い換えたいけど家が狭いから限度が…
『魅惑の巴里』も良いんですか?しまった録画してるのにずっと放ってあった!(ジーン・ケリーがそれほど好きでないせいでしょう)近いうち見ます。楽しみです。
>なにわすずめ様
こんばんわ。肌色のドレスで…というと、モンローが初めてオコナーと会ったあたりですね?
あの日一家全員家に帰ってからが物語の本題…という感じですが、アステアを期待して見ると最後までノレないかもしれません。ま、人の好みはそれぞれですから!
オコナーが気に入ってればいいのですが(軽妙さはあります)、彼の見せ場ももう少し後からですし、コテコテに人情話の要素が大きいですから。私は最初の曲「アラバマ行きの夜行列車」から大好きなんですが、ヴォードヴィル一家なので割と最後まであんな感じです(笑)。シネ・ミュージカル的な凝ったナンバーは、中盤にひとつだけしかありません。
ここでのゲイナーは、凄く可愛いですよね。「南太平洋」とはえらい違いです。ロジャース&ハマースタインなせいかもしれませんが(爆)
ご安心下さい『魅惑の巴里』では、ケリーは脇役です。
主演の3女優が素晴しいのです。なかでもケイ・ケンドールが魅力的です。
レックス・ハリスンと結婚してまもなく白血病で早死にしてしまいました。
まことに残念。
ストーリーは一種の「薮の中」です。
キューカーはゲイなので女性には興味なかったでしょうが、女性を綺麗に撮るのが抜群に上手いですね。
なにわすずめ様
プレミンジャーもモンローも『帰らざる河』には余り乗り気ではなかったようです。
確かにプレミンジャーっぽいひねりがない作品ですが、逆にそこが良かったんでしょうね。
安心しました(笑)
『魅惑の巴里』は女優たちの方が中心な映画なんですね。今度見てみます♪