1941年、ラオール・ウォルシュ監督作品。モノクロ。
日本版VHSは絶版でAmazonに画像もないので、せめて海外版VHSの画像を。海外じゃもちろんDVDも出てるんですけどね。私は図書館で借りました。
ちょっと昔、世紀の変わり目頃の、のんびりしたアメリカ。
お客も来ない日曜日、友人ニコラス(ジョージ・トビアス)と裏庭で蹄鉄投げをしながらも歯科医のビフ(ジェームズ・キャグニー)はイライラ。顧客がつかないのは前科があるとバレているからなのか?そこへ偶然、市会議員ヒューゴ(ジャック・カーソン)が歯痛を訴え駆け込んでくる。かつてヒューゴに酷い目にあわされたビフは、チャンスだ復讐してやる、といきまく。
ここからが回想。働きながら通信教育で歯科医の勉強をしていたビフは町一番の美女ヴァージニア(リタ・ヘイワース)に夢中。ようやくデートにこぎつけたものの、何かと調子がよく抜け目のないヒューゴにかっさらわれる。しかも…
濃厚なノスタルジック風味のもとに描かれる、ほろ苦い恋愛模様。ラブコメというには厳しい展開に驚かされるが(元は舞台劇らしい)、最後にはほっと出来ますのでご心配なく。
キャグニー独特の庶民的で生き生きとした個性は、昔風のおおらかな人間関係にぴったり。変人で女好きで喧嘩っ早い父(アラン・ヘイル)や気のいい友人とのやりとりは大仰だがほのぼのとしたユーモアに満ちている。ウォルシュだからロマンスより酒場の殴り合いのほうがお得意なのか?
前半がちょっとダレて感じたのは、演出がどうこうでなく私があまりリタ・ヘイワースのルックスに魅力を感じないからかもしれない(少数派なのだろうが)。ダブル・ヒロインの“新しい女”を気取るヴァージニアの親友エイミー(オリヴィア・デ・ハヴィランド)はビフに気があるそぶりを見せるが、彼にまるで相手にされないところはかわいそう。ちょっとギクシャクしてるが(“新しい女”にも多少ハッタリが入っていたと後でわかる)、それでもデ・ハヴィランドのほうが可愛いと思うなあ私。あの妙なウィンクは忘れられない(笑)
それに、血の気が多くてしょっちゅう殴り合いをしてるのに、今回珍しく負けが多い目にアザつくりまくりのキャグニー。どうしたんだいったい。
ビフが振られてからは、文句なく引き込まれる。運命の荒波に振り回されるビフとエイミーの姿は、ほろ苦い笑いをちりばめつつ、しっとり、じっくり描かれる。
ついに現在にまで到達し、ラストシーンに至る頃には、一世紀以上昔の、けれども根っこでは変わることのない人情の機微、愛情の機微にほろ酔い気分になっていること必定。後半だけなら★4つは行くのだが。
ノスタルジー趣味が嫌いな人には薦めないけれど、…キャグニーって、昔風のキャラクターがほんとに似合うなあ。うんうん。
日本版VHSは絶版でAmazonに画像もないので、せめて海外版VHSの画像を。海外じゃもちろんDVDも出てるんですけどね。私は図書館で借りました。
ちょっと昔、世紀の変わり目頃の、のんびりしたアメリカ。
お客も来ない日曜日、友人ニコラス(ジョージ・トビアス)と裏庭で蹄鉄投げをしながらも歯科医のビフ(ジェームズ・キャグニー)はイライラ。顧客がつかないのは前科があるとバレているからなのか?そこへ偶然、市会議員ヒューゴ(ジャック・カーソン)が歯痛を訴え駆け込んでくる。かつてヒューゴに酷い目にあわされたビフは、チャンスだ復讐してやる、といきまく。
ここからが回想。働きながら通信教育で歯科医の勉強をしていたビフは町一番の美女ヴァージニア(リタ・ヘイワース)に夢中。ようやくデートにこぎつけたものの、何かと調子がよく抜け目のないヒューゴにかっさらわれる。しかも…
濃厚なノスタルジック風味のもとに描かれる、ほろ苦い恋愛模様。ラブコメというには厳しい展開に驚かされるが(元は舞台劇らしい)、最後にはほっと出来ますのでご心配なく。
キャグニー独特の庶民的で生き生きとした個性は、昔風のおおらかな人間関係にぴったり。変人で女好きで喧嘩っ早い父(アラン・ヘイル)や気のいい友人とのやりとりは大仰だがほのぼのとしたユーモアに満ちている。ウォルシュだからロマンスより酒場の殴り合いのほうがお得意なのか?
前半がちょっとダレて感じたのは、演出がどうこうでなく私があまりリタ・ヘイワースのルックスに魅力を感じないからかもしれない(少数派なのだろうが)。ダブル・ヒロインの“新しい女”を気取るヴァージニアの親友エイミー(オリヴィア・デ・ハヴィランド)はビフに気があるそぶりを見せるが、彼にまるで相手にされないところはかわいそう。ちょっとギクシャクしてるが(“新しい女”にも多少ハッタリが入っていたと後でわかる)、それでもデ・ハヴィランドのほうが可愛いと思うなあ私。あの妙なウィンクは忘れられない(笑)
それに、血の気が多くてしょっちゅう殴り合いをしてるのに、今回珍しく負けが多い目にアザつくりまくりのキャグニー。どうしたんだいったい。
ビフが振られてからは、文句なく引き込まれる。運命の荒波に振り回されるビフとエイミーの姿は、ほろ苦い笑いをちりばめつつ、しっとり、じっくり描かれる。
ついに現在にまで到達し、ラストシーンに至る頃には、一世紀以上昔の、けれども根っこでは変わることのない人情の機微、愛情の機微にほろ酔い気分になっていること必定。後半だけなら★4つは行くのだが。
ノスタルジー趣味が嫌いな人には薦めないけれど、…キャグニーって、昔風のキャラクターがほんとに似合うなあ。うんうん。
コメント
次に予約を入れてるのは、私です(笑)。見たら、コメント入れますね。
ウチにある2コマのフィルムには、エプロンを着けたキャグニー(そばに歯科医らしい小道具あり)の背後で、オリヴィアがなにやら悲しそうな表情で立ってる場面ですが、さて、どんな展開なのでしょう・・・楽しみです。
まだ見ておられない筈だしと、なるべくネタバレを控えるように書いたつもりです。
フィルムの場面は、最初のほうの“現在”かな?
ヘイワース嬢に好感度が高いなにわすずめ様の方が、私よりもっと楽しめるのではと思います。お楽しみに。
もともと舞台劇なんでしょうか?
本作を含めて3回映画化されているようですで。1933年のゲーリー・クーパー、フェイ・レイと同時上映する映画館がないものでしょうか。
私が午前10時の映画祭に求めるのは、こういう企画なんですけどねえ。
>1933年のゲーリー・クーパー、フェイ・レイと同時上映する映画館がないものでしょうか。
魅力的な企画ですよね。たまにdvdで新旧カップリングを出すことがありますが、コレなんかよさそうなのに。