Destination Gobi
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1953年ロバート・ワイズ監督作品。日本未公開。
でも『モンゴル第一騎兵隊』というタイトルでTV放映されたことはあるようです。主としてIMDbのデータや英語圏での情報をたよりに字幕なし録画で視聴。どーして普通の海軍さんな主人公(CPOというと兵曹長?下士官クラスのようです)が、突然引き抜かれてモンゴルの奥地にある米海軍の気象観測隊基地に行かされるのかだけはよくわかりませんが、だいたいにおいてあまり英語がわからなくても何とかなるようなご都合主義お気楽展開です。なんでネタバレ全開で。
もちろんリチャード・ウィドマーク目当てです。

太平洋戦争末期のお話。主人公マクヘイル(リチャード・ウィドマーク)は、はえぬきの海の男なのにゴビ砂漠の真ん中に派遣されてしまい、ちょっとクサりつつ任務をこなしている。だが、日本軍の爆撃で上官(階級は高いが気象観測官)は死亡、無線やラジオも破壊されて本部と連絡もとれなくなり、一応最先任の彼は僅かな可能性に賭け、残りの隊員を率いて強引に海を目指そうと決める。海辺にさえ出ればどうとでもなる(そのへんの船を奪えばいいし)!という安直な発想は、海軍さんには定番ですね。定番すぎて仕方がないです。あのホーンブロワー艦長だって、とりあえず「海にさえ出たら…」ではるばるフランスから英国まで脱走しますし。

知り合いの遊牧民の部族に米軍製の鞍をやるからと協力をとりつけ、まずラクダ、やがて馬に乗ってひたすら海を目指すのですが、さすがに街に立ち寄ったところで日本軍に捕まってしまう。とはいえ捕虜収容所は海の近くで、裏切ったかと見せて後から助けに来てくれた遊牧民のリーダー(マーヴィン・ヴァイ)たちの手を借りてアッサリと脱走し、日本軍の追撃を振り切り奪ったジャンクで、目指せオキナワ!

設定はちょっと個性的なのだが、とにかく大変ご都合主義的で、モンゴル人コレ見たら怒るんじゃないかというくらい遊牧民の描写も適当で、これでウィドマーク様がカッコよくなければ全く何の価値もない、しかしカッコイイのはカッコイイんですね。いや、スカな映画でも必ずいい仕事してくれますよウィドマーク様。★三つもつく映画ではないけど欲目という奴で。

遊牧民族服の借り着は似合わないけど、金髪のミスマッチ感が楽しい。部下の中には、またまた、ほえーとした顔のダメ弟役者アール・ホリマンもまじっていました(「折れた槍」「拳銃の罠」で二回もウィドマークのダメ弟役)が、今回はそんなにまずいこともせず。遊牧民リーダーが「拾った女」の警部補とかいう時点で既にモンゴル習俗については期待はできませんが、日本人同様小柄な筈のモンゴル人の乗る馬はもっと小さいのではないのか(日本の馬も小さいし)、とか、バリバリの誇り高き騎馬遊牧民族がほんとに外国製の鞍なんかほしがるのか(毛布はまだしも)、とか、ほんとにあの程度歩いたり馬乗ったりしただけでモンゴルの奥地から海に出られるのか、などと、考え出すとどうしょうもなくなる(=ウィドマーク様が見れなくなる)のでなるべく考えないことに(苦笑)あ、日本兵の日本語も、お約束通り変でした、やっぱり。

どう見ても西部劇のノリで作っている戦争映画でしたね(インディアンライクな遊牧民!)。

多分私大昔にTVで見ているようなんですが、今見ても全くなんにも思い出せず。ひょっとしたら前回も、本能的になるべく細部を気にしないようにしながら見たのかも(笑)…ありえる…

コメント

nophoto
なにわすずめ
2010年1月8日1:24

あの、でかい風船は、気象観測用なのだと思うのですが、何をしようとしていたんでしょう?ジャンクに乗って行く先はオキナワだったのですか?

アール・ホリマン同様、ホエーとしながら鑑賞した私には、まだまだ謎が多い作品でしたが、ウィドマーク様は、若いし、かっこいいねえ。(^^♪海軍の制服も決まっていたし!最後に、勲章盗まれて、オタオタする場面もかわいかったし。
あの顔で、三蔵法師のようないでたちになるのは、あまりにも珍品で、しかも、似合ってませんでしたが、珍しいので許す(爆)
さすがに、ラクダには乗ったように見せて、乗ってないんだろうな、あの撮影だと。(ラクダって、乗りこなすの、とっても難しいらしいです。私は、子供の頃に乗ったことがありますが、尻が痛くて悲しかった記憶が・・・・・)

それと、最後に、米空軍が、彼らのジャンクを発見しますよね、あのときの若いパイロット、見覚えありませんか?

ボースン
2010年1月8日1:41

こんばんわ、なにわすずめ様。
でかい風船持ってましたね。気象観測用の気球だと思いますが。観測機器をくっつけて上げるのでしょうね、細かくは知りませんが。

>ジャンクに乗って行く先はオキナワだったのですか?

ひとりが『Road to OKINAWA!』と言ってましたよ。…オキナワ珍道中か…

>あの顔で、三蔵法師のようないでたちになるのは

帽子のとんがりぐあいが三蔵法師を思い出させましたね。でもやはり無帽の方がいいですよね。帽子を脱いで、モンゴル?服だけにすれば似合わないということもないと思います。なで肩なので、キモノを含め、東洋ぽい服自体はイケる気がする…「長い船団」での白いローブなども素晴らしかったですし(そんなことばっかり観賞しているなぁ)。

>それと、最後に、米空軍が、彼らのジャンクを発見しますよね、あのときの若いパイロット、見覚えありませんか?

んー、ないです。ピンとこないです。すいません(^^;)
ですが、IMDbで調べてみると、端役のパイロットが「拾った女」にも出てるように書いていますね。凄い観察力ですね、なにわすずめ様!

nophoto
たけだ
2010年1月9日15:33

こんにちは

この映画は見ておりませんが題材に惹かれてちょっと検索したところ、事実に即したストーリーのようですね。

SADDLES FOR GOBI, US MARINES IN CHINA, MARINE CORP GAZETTEで検索すると記事が見つかると思います。

日本海の天候はシベリア辺りの気象に大きく影響を受けるのでこの辺りの気象データは米軍に取って重要だったようです。

ボースン
2010年1月9日21:50

こんばんわ、たけだ様。

そうなんですね、何やらモトネタになるような記録があるらしいと聞いてはおりました。しかし、ひところのハリウッド映画にあまりに典型的な現地人描写連発なので(土着民は欧米人に出合うと、ほぼ自動的に欧米人の持ち物を盗みまくるとか…)、私自身そんなにモンゴルに詳しいわけでもないとはいえ、この映画にリアルさはちっとも感じられません(苦笑)

記録自体も米軍の我田引水的なものだったりして?←偏見

nophoto
たけだ
2010年1月9日22:49

ボースン様

日本軍の中国侵入後、中国に残留した米海兵隊が存在し、その重要な任務は中国軍の対日ゲリラ戦に協力することだったのですが同時に気象観測も任務の一つだったと言うことのようです。

nophoto
なにわすずめ
2010年1月9日23:09

たけださま、こんばんわ。
謎が少し解けました。ありがとうございます。
何でここに日本人がいるのとか、何でモンゴルで気象観測するのとか、何でオキナワ目指すのとか、もー、何でかわからんけど、ウィドマーク様はええなあと思いながらホエーと見ていた私でしたので、歴史的なお話が伺えて勉強になりました。

ボースン
2010年1月9日23:57

たけだ様、こんばんわ。

なるほど史実はそういうことだったのですね!ありがとうございます。
映画の方は、ちっとも戦闘力のない純粋な気象観測部隊に、一人くらいは戦闘とかわかるちゃんとした軍人を付けとかないと、で、空母から何故か主人公引き抜かれてゴビ砂漠へ、みたいな感じに話を進めていました。
実際にはあんなのいるわけないだろ、という呑気さ漂う部隊でした…日本軍が近づいて来るまでは(笑)

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