橘公司著。

「このラノベがすごい!」に、富士見期待の新シリーズ(既に三巻まで出てる)、大人気、とあったので手を出してみたが…

なにこの日本語。
凄く強くてクールな美形女戦士が、お気に入りの姪っ子の前ではへにゃへにゃ…という落差の笑いを狙ってるコミカル・アクション・ファンタジーのようだが、笑う以前に彼女のクールで無敵な活躍の描写に、著者としてはカッコつけた文体なのだろうが、変な語彙とビジュアライズ不能なテキトー描写がまじりこむため、読んでるとテンポが崩されまくり。

「轟声」ってナニ。轟音ならあるけど…
「大型バイクのような形をした天駆機関」てナニ。空中での戦闘シーンを支えるキモじゃないのかこのキカイ。そんな投げやりな描写でいいのか。そのくせヒロインは足に「天駆機関」とやらを装着しているらしい。説明もなく、天駆機関ごとキックしてるらしい(彼女の装着してる天空機関が鎧型だとの説明は数十ページ後にやっと出てきた)。わからなさすぎる…
「頭中に後悔を巡らせた」…頭中?…頭中を、後悔が、巡る?(胸中じゃないのね)

まだ笑いに到達しない、ヒロインすら登場するかしないかの最初のたった4ページで3回も脱力してしまうとは、ほんとにもう…
カルマたちの存在する異世界では普通に使われている語彙なのかもしれないが、辛いです。
カルマが痛い性格なのは狙ってのことですが、普段クールな彼女が溺愛してる姪がほんのちょっとしたケガをしたのを見ただけで笑えるほど動転する、というシーン。「指先に3センチほどの切り傷がある(だけ)」ということですが、少女の細い指に3センチは結構な流血の予想される、それなりに派手な怪我ではないのか。ここは3ミリが適正でしょう…じゃなくて、この著者、具体的に脳内でビジュアライズもしない(できない?)ままテキトーに文章を連ねているのか?

これは、久々に…最後までとても読めない作品になるかも。
笑える最強ヒロインてんで編集部が「スレイヤーズ」を引き合いにだしてたけど、神坂さんはもっとずっと日本語がうまかった!うまい上で崩しているからこそ、あのテンポの良さが生まれてるのだが!編集者は何やってるんだ。新人作家の日本語がヘンだったら突っ込むのが仕事じゃないのか。

…もう放っておいて、寝ます、この本。


<追記>
翌日、読了。
三章目あたりからの展開は多少予想外だったので最後まで読めた。が、もうちょっと世界設定ちゃんと描写入れてほしいなあ。だいたい空獣て何なのか結局きちんと書いてないし、だから騎士団て何のためにいるのかはっきりしない。「雰囲気だけ」にもほどがある。もちろん日本語も普通になってくれんとなあ。読了はできたので★はひとつだけ増やしたが。

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