1969年、ジャック・ドレー監督作品。
30代半ば、美貌と実力のバランスが整い、まさに円熟期に入ったアラン・ドロンがジャン=ポール・ベルモンドを口説き落として共演したノスタルジック風味のギャング映画(ドロンはプロデューサーも兼ねていた)。フランス二大人気スター初の本格的競演!ということで本国でも大成功した模様(二人は駆け出しの頃端役で共演したことがあるので「初共演」ではない)。日本ではDVDは出てなくて、BS放映分視聴。
1930年のマルセイユ。しがないチンピラのロッコ・シフレディ(ドロン)とフランソワ・カペラ(ベルモンド)は一人の女をめぐって出会い、殴り合いを経て親友になる。野心家で上昇志向の強いロッコと、天然で憎めない永遠の悪童といった風情のフランソワ。全く性格の違う彼らはガッチリ手を組み、マルセイユの暗黒街でのしあがってゆく。だが、トップにのぼりつめたと思った瞬間こそが、至福の時の終わりでもあった…
30年代に舞台をとったとはいえ、おとぎ話のようなサクセスストーリーは、フィルム・ノワールのリアリズムにはほど遠い。だが、これは、一種の青春映画としてのニュアンスの中で、対照的な二大スターの魅力を堪能すべき作品。だからこそ、パリではなく明るい陽光あふれる港町マルセイユに舞台をとったのだろうし、特に前半はコミカルな描写が多い。冒頭、出所したロッコが手下二人に出迎えられ、なじみの女ローラ(カトリーヌ・ルーヴェル)を訪ねて行くと彼女はフランソワの愛人におさまっていて…てんで、派手な殴り合いを繰り広げる場面など、ベルモンドはお手の物だがドロンずいぶんキャラを崩してがんばってるなあって感じにコメディタッチ。プロデューサーとしてベルモンドをたててる感じだが、それが、この映画をより魅力的なものにしていると思う。
コミカルもOK、アクションも勿論OK、憂愁もアンニュイもOKと、ベルモンドの懐の広さは明らかにドロンより上なのだが、あて書きしたかのような脚本で(したんだろう実際)、ベルモンドとドロンの個性の違いが際立ち引き立てあっている。
そして、クロード・ボランの音楽!これがまた素晴らしい。ラグタイム・ピアノ風のメイン・テーマがまずいいし、ジャジーな第二テーマ"Arts Deco(アールデコ)"も結構いい。ほろ苦くノスタルジックなシャンソン"prends-moi matelot(水兵さんを連れてきて)"も聞くだけでジーンとなる。というか、この音楽がなければ、映画そのものが成り立たなかったのではというくらい貢献していると思う。脚本は雰囲気重視で結構穴があるから(爆)
そういや高校の時、このサントラのEP盤(小さいヤツ)を買ったなあ…いや、ひょっとしたら「ボルサリーノ2」のほうだったかも(でもボルサリーノのテーマも入っていたと思う)。
屋根裏にあるかも。また探してみよう。
んなわけで、堅苦しいことは考えず、素敵な音楽に身をゆだねつつ、30年代ファッションで粋にお洒落にキメまくるドロンとベルモンドにうっとりするべし。ン十年前にTV放映一度見たきりだったので、久々にしかもノーカット字幕版で見られてほんとによかった。ドロンのみ出る続編「ボルサリーノ2」もあるが(これは学生時代映画館でみた)、正編の方が圧倒的にゴージャス。
しかし、彼らのワンピース水着に「?」と思う人がいるみたいですね時々(ネットサーフしてると見かける)。戦前の男水着はレスラーみたいなワンピーススタイルだったんですよ。別に奇をてらっているわけではなく、時代考証によりああなってるだけですのでご安心ください。
しかし二人ともしっかり鍛えて引き締まったいいカラダしてますなあ(*^^*)。あれ以上マッチョになると逆に私のストライクゾーンから離れていきますが。
カメオ出演のミレーユ・ダルクも造作なく見つかりました。階段の娼婦の一人なのね。
画像はサントラCDだけど、とりあえず試聴できる仏アマゾンサイトへのリンク↓
http://www.amazon.fr/gp/recsradio/radio/B00005OMPJ/ref=pd_krex_dp_001008?ie=UTF8&track=008&disc=001
フランスのマーケットプレイスだと画像のCDも何とか買えるみたいですね(笑)
30代半ば、美貌と実力のバランスが整い、まさに円熟期に入ったアラン・ドロンがジャン=ポール・ベルモンドを口説き落として共演したノスタルジック風味のギャング映画(ドロンはプロデューサーも兼ねていた)。フランス二大人気スター初の本格的競演!ということで本国でも大成功した模様(二人は駆け出しの頃端役で共演したことがあるので「初共演」ではない)。日本ではDVDは出てなくて、BS放映分視聴。
1930年のマルセイユ。しがないチンピラのロッコ・シフレディ(ドロン)とフランソワ・カペラ(ベルモンド)は一人の女をめぐって出会い、殴り合いを経て親友になる。野心家で上昇志向の強いロッコと、天然で憎めない永遠の悪童といった風情のフランソワ。全く性格の違う彼らはガッチリ手を組み、マルセイユの暗黒街でのしあがってゆく。だが、トップにのぼりつめたと思った瞬間こそが、至福の時の終わりでもあった…
30年代に舞台をとったとはいえ、おとぎ話のようなサクセスストーリーは、フィルム・ノワールのリアリズムにはほど遠い。だが、これは、一種の青春映画としてのニュアンスの中で、対照的な二大スターの魅力を堪能すべき作品。だからこそ、パリではなく明るい陽光あふれる港町マルセイユに舞台をとったのだろうし、特に前半はコミカルな描写が多い。冒頭、出所したロッコが手下二人に出迎えられ、なじみの女ローラ(カトリーヌ・ルーヴェル)を訪ねて行くと彼女はフランソワの愛人におさまっていて…てんで、派手な殴り合いを繰り広げる場面など、ベルモンドはお手の物だがドロンずいぶんキャラを崩してがんばってるなあって感じにコメディタッチ。プロデューサーとしてベルモンドをたててる感じだが、それが、この映画をより魅力的なものにしていると思う。
コミカルもOK、アクションも勿論OK、憂愁もアンニュイもOKと、ベルモンドの懐の広さは明らかにドロンより上なのだが、あて書きしたかのような脚本で(したんだろう実際)、ベルモンドとドロンの個性の違いが際立ち引き立てあっている。
そして、クロード・ボランの音楽!これがまた素晴らしい。ラグタイム・ピアノ風のメイン・テーマがまずいいし、ジャジーな第二テーマ"Arts Deco(アールデコ)"も結構いい。ほろ苦くノスタルジックなシャンソン"prends-moi matelot(水兵さんを連れてきて)"も聞くだけでジーンとなる。というか、この音楽がなければ、映画そのものが成り立たなかったのではというくらい貢献していると思う。脚本は雰囲気重視で結構穴があるから(爆)
そういや高校の時、このサントラのEP盤(小さいヤツ)を買ったなあ…いや、ひょっとしたら「ボルサリーノ2」のほうだったかも(でもボルサリーノのテーマも入っていたと思う)。
屋根裏にあるかも。また探してみよう。
んなわけで、堅苦しいことは考えず、素敵な音楽に身をゆだねつつ、30年代ファッションで粋にお洒落にキメまくるドロンとベルモンドにうっとりするべし。ン十年前にTV放映一度見たきりだったので、久々にしかもノーカット字幕版で見られてほんとによかった。ドロンのみ出る続編「ボルサリーノ2」もあるが(これは学生時代映画館でみた)、正編の方が圧倒的にゴージャス。
しかし、彼らのワンピース水着に「?」と思う人がいるみたいですね時々(ネットサーフしてると見かける)。戦前の男水着はレスラーみたいなワンピーススタイルだったんですよ。別に奇をてらっているわけではなく、時代考証によりああなってるだけですのでご安心ください。
しかし二人ともしっかり鍛えて引き締まったいいカラダしてますなあ(*^^*)。あれ以上マッチョになると逆に私のストライクゾーンから離れていきますが。
カメオ出演のミレーユ・ダルクも造作なく見つかりました。階段の娼婦の一人なのね。
画像はサントラCDだけど、とりあえず試聴できる仏アマゾンサイトへのリンク↓
http://www.amazon.fr/gp/recsradio/radio/B00005OMPJ/ref=pd_krex_dp_001008?ie=UTF8&track=008&disc=001
フランスのマーケットプレイスだと画像のCDも何とか買えるみたいですね(笑)
コメント
ドロンがプロデューサーで、いわばドロンの御用監督のジャック・ドレーが監督ですから・・・・・。
LE REGARD D’ALAIN DELONというサイトで「ボルサリーノ」の製作経緯等を読むことが出来ます。
ジェラール・フィリップ絡みでドロンの話しが出ましたが、フランスのインテリや映画評論家はドロンをあまり評価しませんでしたが、一般大衆には人気がありました。
フランスは階級社会で、1年間に一冊も単行本を買わない人達(テレビガイドの類いは毎号買う)が沢山居ますが、こういう層には非常に人気がありました。
ドロンはイタリア系なのでイタリア系のフランス人にも人気があったでしょう。
数年前にフランスのトーク番組にゲストとして登場したとき、司会者やスタジオの観客は、全員が立上がり拍手でドロンを迎えたのが非常に印象的でした(ベルモンドも同様に迎えられますが)。
そして、きっちりポマードで固めた髪をセンターで分けて、颯爽と粋なスーツで
登場する二人。ホント、似合ってるし、絵になってました。
ところで、ドロンって、イタリア系だったんですかーーーー!!!
いままで知りませんでした。生粋のフランス人だとばかり思ってました。
まあ、地続きだから、いろんな先祖がいても不思議ではないですが・・・
フランク・シナトラとか、アル・パチーノなんかは、出身がイタリア系というのも
納得なんですけども。
まさに「顔見せ興行」ですね、よくも悪くも。あの二人だからこそ(音楽のサポートもありつつ)これだけの楽しさを生み出せ、同時に内実はそれほど濃いものとはいえない…
でも、映画の楽しさにも色々種類があると思うし、これもそのひとつでしょう。
LE REGARD D’ALAIN DELON も見てきました。なるほど凄いドロン情報サイトですね。ベルモンドの記事も多いし、楽しめました。
私もドロンにイタリアの血がって知らなかったんですが、たけだ様のコメントを見てImdb見てみたら、コルシカ人の先祖がとか書いてましたね。
そういやフランス映画にも結構イタリア系の人多いですね。イブ・モンタンも、リノ・ヴァンチュラもイタリア系ですよね。
ドロンは、ビスコンティ、アントニオーニ、ズルリーニ等イタリアの監督の作品にも随分出演していますがベルモンドが出演したイタリア映画は、2本くらいしかないと思います。
逆にベルモンドはヌーベルヴァーグ系の監督に重宝されましたが、ドロンは敬遠されました(ゴダールは『ヌーベルヴァーグ』でドロンを使いましたが)。
ベルモンドはシラノを演じ、ドロンはゾロを演じた・・・・。
ベルモンドはブルジョワ出身で大卒後、コンセルヴァトワールで演劇を勉強、ドロンは、17歳で軍隊入り、除隊後世界を放浪。映画デビューはほぼ同時ですね。
ところで、私は残念ながら観ていないのですがベルモンドとミア・ファローが共演した『J−P・ベルモンドの交換結婚』という映画は御覧になっていますか?
…ベルモンドのほうが、作品を選ばない感は強いですね(爆)
allcinemaではコメントが一つだけ寄せられていました。
引用初め
ラウア・アントネットのピチピチぶりが見られるからいいじゃないですか
引用終わり
どっちにしろ興味がないので…ベルモンドが出ていること以外は(^^;)
ヌーヴェル・ヴァーグは性にあいませんで… m(__)m