1952年、ラオール・ウォルシュ監督作品。カラー。
たぶん大昔のTV放映(カットあり)で見ているのだが細部は適当に忘れていた。他所で話にでたこともあり、スカパー録画分を再見。
黄金期のハリウッド・スターの中で、海の男、船乗りのイメージが一番あるのは、グレゴリー・ペックかもしれない。(エロール・フリンもだが、厳密には海賊イメージだ)。
「艦長ホレーショ」「白鯨」もあるが、「大いなる西部」で"東部から来た海の男"の設定だったり、「ナバロンの要塞」で漁師に扮して要塞島に潜入したり。海の男は西部男とかに比べるとちょっとおおらかな感じだからか(西部男は抜く速さを競ったり、案外イラチな部分もあると思う)。
男性的なタッチの職人監督・ウォルシュと組んで、おおらかでカラフルな海洋活劇に仕上がっている。19世紀の話とあって帆船乗り(スクーナー)なのが更に嬉しい。ライバル船長ポルトゥギ(アンソニー・クイン)との互いの船を賭けたレース場面など素晴らしい迫力だ。登場人物のアップになるとスクリーンプロセス全開であるが…まあ、古い映画だからなあ。しゃーないか。
物語の舞台は19世紀半ば、アラスカがまだロシア領だった時代。ジョナサン・クラーク船長(ペック)は片腕と頼むディーコン(ジョン・マッキンタイア)らと共に、アラスカでオットセイの密猟をして稼いでいるが、アラスカを買い上げてしまいたいと思いつき、サンフランシスコで資金集めの大パーティを開く。そこへ、アラスカまで送ってくれる船を探し中のロシアの伯爵令嬢マリーナ(アン・ブライス)が身分を隠してまぎれこむ。意にそまぬ結婚から逃れるためだ。二人は恋に落ちるが、翌朝追いかけてきた婚約者(ロシア皇帝の甥)がマリーナを連れ去ってしまう…
甘いマスクに長身のペックと華奢なブライスは組み合わせとしては悪くない。彼女、首が長いから色っぽいけど上品だし。
陽気で下品で恥知らずなクインもお約束だが、少し驚いたのがマッキンタイア。先日見た「六番目の男」では性格の悪いオヤジ=ラスボスだったのだが…カッコイイじゃないか、オイ。
ヒゲ面だが美文調でキザにしゃべり、要所で船長のワキを固め(また割と甘いんだな船長のワキって)、アクション場面では船長以上にキレのあるスマートな動きを見せる。驚きました。コレだったらウィドマーク様のオヤジと言われても許せるかも。(ただ、調べると彼と7歳しか実年齢違わないのね。それで父子ってなんなのあのキャスティング…)
おおらかで、言葉を換えると大味で、とりあえず気楽に楽しめる典型的ハリウッド娯楽作品。
帆船好きにはオススメできます☆
たぶん大昔のTV放映(カットあり)で見ているのだが細部は適当に忘れていた。他所で話にでたこともあり、スカパー録画分を再見。
黄金期のハリウッド・スターの中で、海の男、船乗りのイメージが一番あるのは、グレゴリー・ペックかもしれない。(エロール・フリンもだが、厳密には海賊イメージだ)。
「艦長ホレーショ」「白鯨」もあるが、「大いなる西部」で"東部から来た海の男"の設定だったり、「ナバロンの要塞」で漁師に扮して要塞島に潜入したり。海の男は西部男とかに比べるとちょっとおおらかな感じだからか(西部男は抜く速さを競ったり、案外イラチな部分もあると思う)。
男性的なタッチの職人監督・ウォルシュと組んで、おおらかでカラフルな海洋活劇に仕上がっている。19世紀の話とあって帆船乗り(スクーナー)なのが更に嬉しい。ライバル船長ポルトゥギ(アンソニー・クイン)との互いの船を賭けたレース場面など素晴らしい迫力だ。登場人物のアップになるとスクリーンプロセス全開であるが…まあ、古い映画だからなあ。しゃーないか。
物語の舞台は19世紀半ば、アラスカがまだロシア領だった時代。ジョナサン・クラーク船長(ペック)は片腕と頼むディーコン(ジョン・マッキンタイア)らと共に、アラスカでオットセイの密猟をして稼いでいるが、アラスカを買い上げてしまいたいと思いつき、サンフランシスコで資金集めの大パーティを開く。そこへ、アラスカまで送ってくれる船を探し中のロシアの伯爵令嬢マリーナ(アン・ブライス)が身分を隠してまぎれこむ。意にそまぬ結婚から逃れるためだ。二人は恋に落ちるが、翌朝追いかけてきた婚約者(ロシア皇帝の甥)がマリーナを連れ去ってしまう…
甘いマスクに長身のペックと華奢なブライスは組み合わせとしては悪くない。彼女、首が長いから色っぽいけど上品だし。
陽気で下品で恥知らずなクインもお約束だが、少し驚いたのがマッキンタイア。先日見た「六番目の男」では性格の悪いオヤジ=ラスボスだったのだが…カッコイイじゃないか、オイ。
ヒゲ面だが美文調でキザにしゃべり、要所で船長のワキを固め(また割と甘いんだな船長のワキって)、アクション場面では船長以上にキレのあるスマートな動きを見せる。驚きました。コレだったらウィドマーク様のオヤジと言われても許せるかも。(ただ、調べると彼と7歳しか実年齢違わないのね。それで父子ってなんなのあのキャスティング…)
おおらかで、言葉を換えると大味で、とりあえず気楽に楽しめる典型的ハリウッド娯楽作品。
帆船好きにはオススメできます☆
コメント
西部男=イラチ、納得です。
『すべての旗に背いて』は、1967年に『王者の海賊』というタイトルでリメイクされていますがこちらはリメイクされていましたっけ?
そして、マッキンタイアがかっこいいのですか?!ふーむ・・・。どんなのだろう・・。「六番目の男」の頃のウィドマーク様の実年齢が41歳だから、あの役柄としては、ちょっと、トウが立った青年ですよね。しかし、あのマッキンタイアがたった7歳上とは・・・。どう見ても50代後半には見えましたよねえ
まあ、あんまり年とったお父さんとは、対決にならなかったでしょうが・・・
クィンの初期は、海賊もやればインディアン(ウォルシュの『壮絶第7騎兵隊』やデミルの『平原児』など)もやっています。敵役が多かったですね。
あとスペイン人、メキシコ人、イタリア人役も多かった。
メキシコ人闘牛士役でモーリン・オハラと共演した『灼熱の勇者』は、主演です。
この作品は結構良いですよ。中古DVD屋で時々みかけます。
セシル・B・デミルの娘婿という縁でデミルの『海賊』(1938)のリメイクである『大海賊』で監督もやりました。デミルは総指揮です。
これは髪の毛のあるユル・ブリンナーが出演しています。
相手役は、後の大統領ジャクソンを演じるチャールトン・ヘストン。
まあ、大味な映画でした。
闘牛士姿は、クインにぴったりでしょうねえ。もともと、メキシコの血筋も入ってる人らしいですし、(しかも貴族の出らしいですね!!)ホント、彼は、アレック・ギネスばりに多国籍な演技ができる人だと思います。私は、「アラビアのロレンス」のクインも、ギネスも気に入ってます。あの中では、やはり、オマー・シャリフがダントツすてきでしたが。
「灼熱の勇者」は未見ですので、また、中古屋さんで探してみますね。
「大海賊」のプレスシートは、たしかうちにもあったような気がするのですが、
あの時のブリンナーには、髪が生えていたのですか?なんか、ターバン(と言うか、バンダナ)を頭に巻いた上半身裸の図柄だったので、気がつきませんでした。
髪の生えたブリンナーは珍しいですよねぇ・・・「カラマーゾフの兄弟」で、たしか髪が生えていたような・・・・・。でも、彼の頭はやっぱりスキンヘッドが似合いますね。たまに、史劇などでも、髪&髭ありメークで登場してますが、なんか、ふつーっぽいですもん。(爆)
「すべての旗に背いて」は私も好きです。ちょいトウがたったフリンもいいですし、モーリン・オハラの女海賊も似合っていて、いかにも「気楽に楽しめる」娯楽映画の王道でした。リメイクは見ていません。
「世界を彼の腕に」は…ペック船長が「ロシア人がオットセイを乱獲するからこのままでは絶滅しかねない(自分たちはハーレムを作り損ねた独身オスだけ狩ってる)、アラスカを買ってオットセイを増やすんだ」などと、かなり怪しい理屈で自分たちを正当化していたところなど、一度なら黙ってだまされてあげるけど二度はないかな~って感じです(笑)リメイクは難しいんじゃないですか?
>なにわすずめ様
ハイ、マッキンタイアは意外に軽快な演技を見せていました。ペックがあまり俊敏ではないこともありますし(若い頃背骨を傷めてるそうです)。
「六番目の男」ではウィドマーク様はかなり若々しいパーソナリティを演じ、マッキンタイアが老け気味に演じて、とりあえず年齢のツジツマを合わせたというところでしょうか。一癖ある面構えで悪役も多いようだけど、「情無用の町」で演じたFBIと潜入捜査官との連絡役は面白い味出してたと思いますね。
しかし、あの頃から、すでに老成された雰囲気があったような気がします・・・
あの映画、きれいな画像で見てみたいです。ウィドマーク様のピアノシーン。
私が持ってる廉価盤はひどくて、ときどきモザイクが出るんですよー。大雨警報じゃあるまいに(笑)
プレイヤーに悪影響が出ているのでなければいいのですが。
私はスタジオ・クラシックス版を持ってますが、画質はともかく商品説明はヒドいですよ。「第一次大戦後のギャング達とFBIの対決」「第一次大戦後、初めて作られた本格的なギャング映画」…キネ旬データベースが間違ってるのが原因みたいですが(FoxサイトもAmazon.co.jpトも全部孫引き…)。やれやれ。
大爆笑してしまいました♪…たしかそうですよね~♪
ねっねっ。
100円レンタルで見ました。
ウォルシュ節全開ですね。
ペックも実に楽しそうに演じていますね。
主演二人は本当に惚れ合っていたんではないでしょうか?
クィンも憎めない悪党ぶりが素晴しい。
ちょっと弱いのは、仇役のセミヨンが魅力的でないことと最後、砲艦での二人の対決があっさりしていることでしょうか。
海賊物ならチャンバラ対決となりますがこの設定では、良い対決方法が浮かばなかったのでしょうね。
アン・ブライスは、普段は忘れてしまう女優ですが『深夜の銃声』のクロフォードの娘役とか『兄弟は皆勇敢だった』のヒロインとかが印象的でした。
>ウォルシュ節全開ですね。
男っぽさ120%です!
>海賊物ならチャンバラ対決となりますがこの設定では、良い対決方法が浮かばなかったのでしょうね。
剣戟アクション好きなので、私もそこはちょっと残念。
民間人ですもんね。これが軍人さんなら、一応腰にサーベルの一本も吊っていて、チャンバラが楽しめたろうと思うのですが。舞台が19世紀に入っていても剣戟のある冒険モノはそこそこあります。
結果、敵役のような友人のような、のクインばかりが真の恋敵より目立っちゃってます(笑)
冒険モノとしては、結局中盤の帆船レースが一番の見せ場かなって気もしますね。これはこれで帆船好きには訴えかけるものがあります☆