1955年、マーク・ロブスン監督作品。実はイギリス映画。
字幕なしの録画ですが、大昔にTV放映(当然吹替版)見て筋は知ってるし!と、割と強気で見てみました。
今回盛大にネタバレです。
舞台は、敗戦の傷跡がまだ随所に残るベルリン。米駐屯軍の軍曹ジョー(リチャード・ウィドマーク)は、戦災孤児の少年にジープを盗まれそうになったのがキッカケで、孤児院の女教師マリア(マイ・ゼッタリング)と知り合い恋に落ちる。彼女の夢は、子供たちごとブラジルへと移住することだったが、スポンサーは彼女をめぐってジョーと大喧嘩したため手を引いてしまった。沈む彼女を見て、ジョーは何とか大金を手に入れられないかと思いつめる。
おりしも、川底に沈んでいたナチスドイツの隠し金塊が偶然発見され、数回にわけてロンドンに空輸されつつあるところだった。添乗を命じられたのはジョーと、旧知の英軍軍曹ロジャー(ジョージ・コール)。「英国で、金を売りさばける闇ルートを知ってるんだが…」ロジャーの提案にジョーは飛びつく。護衛の自分たち二人が組めば、誰も傷つけず、金塊を素早く強奪して逃げられるはず。
闇商人アルフィー(ドナルド・ウォルフィット)、彼の紹介のパイロット・ブライアン(ナイジェル・パトリック)、ロジャーの叔父、計五人による、金塊強奪計画がスタートする…。
ラブコメのごとく明るく始まるが(仕事にかこつけてマリアを連れ出すジョーの悪戯っぽい表情!)、中盤からは緊迫のサスペンス・アクション。だが、ハードボイルドに決めてみせても、これはアマチュアの計画である。唯一のプロ・ブライアンの無造作かつ非情な振舞から、何人もの命が失われるのを見てジョーは金塊を返すことに決めるが、ブライアンが承知する筈もない。死闘の末に、ようやく無事(?)自首を果たしたジョーは、軍法会議の場へと向かう空港で、旅装のマリアと孤児たちに出会う。「自分が全ての罪をかぶるからその代わりに」とジョーがアルフィーに出させた金で、彼女らのブラジル行きが叶ったのだ。
上司の温情でしばしの間、別れの抱擁をかわす二人。何も知らず「貴方も後から来てね」と旅立つマリアを、ちょっと淋しげな笑顔で見送るジョーなのであった。…ジ・エンド。
…うーん…
中盤以降は一応サスペンスフルで、キビキビと軍服アクションしている大好きなウィドマーク様、Foxとの七年契約から解放されたばかりなせいか、楽しそうに演ってる感じなんですけどねぇ、シナリオがちょこちょこ引っかかる所があるのが残念(^^;)
惚れた女の夢のために犯罪に手を染める、というのは、犯罪の動機としては比較的良い方だろうとは思いますが、しかし何故ブラジル?ネオナチでもあるまいに?それともこの頃ドイツではブラジルブームが来てたとか?ブラジルでなくてもなぜ国を出ないといけないの?誰か教えて…
そして、死人が出たしやめる、というのは正しいようでいて何か微妙。死人が出なきゃそんなにいいのかしら。軍を裏切って脱走するのは同じだと思うが…。ナイジェル・パトリックが妙にマイペースでノンシャランな悪党をイイ感じで演ってるので「アマチュアの試みに引っ張り込まれたプロって気の毒」と思えてくるのは、私間違っているのかしら。計画が狂ってきたのは、プロの非情(笑)だけでなくアマ側のツメの甘さにも一因がある。
自首したとはいえ、ジョーだけチャッカリ目的は果たしちゃってるし…(^^;)
ということで、見どころは常に一定のレベル(カッコよさ)は保つウィドマーク様と、ナイジェル・パトリックと、この時期カラーでのベルリン・ロケだけであった(ヒロインはあまり私の好みではなくて…シナリオのせいもあるが)。
それでもとりあえず懐かしかったしで☆三つ(甘いな…)。
自分的にはウィドマーク様が出てるだけで一応見た甲斐はある!
字幕なしの録画ですが、大昔にTV放映(当然吹替版)見て筋は知ってるし!と、割と強気で見てみました。
今回盛大にネタバレです。
舞台は、敗戦の傷跡がまだ随所に残るベルリン。米駐屯軍の軍曹ジョー(リチャード・ウィドマーク)は、戦災孤児の少年にジープを盗まれそうになったのがキッカケで、孤児院の女教師マリア(マイ・ゼッタリング)と知り合い恋に落ちる。彼女の夢は、子供たちごとブラジルへと移住することだったが、スポンサーは彼女をめぐってジョーと大喧嘩したため手を引いてしまった。沈む彼女を見て、ジョーは何とか大金を手に入れられないかと思いつめる。
おりしも、川底に沈んでいたナチスドイツの隠し金塊が偶然発見され、数回にわけてロンドンに空輸されつつあるところだった。添乗を命じられたのはジョーと、旧知の英軍軍曹ロジャー(ジョージ・コール)。「英国で、金を売りさばける闇ルートを知ってるんだが…」ロジャーの提案にジョーは飛びつく。護衛の自分たち二人が組めば、誰も傷つけず、金塊を素早く強奪して逃げられるはず。
闇商人アルフィー(ドナルド・ウォルフィット)、彼の紹介のパイロット・ブライアン(ナイジェル・パトリック)、ロジャーの叔父、計五人による、金塊強奪計画がスタートする…。
ラブコメのごとく明るく始まるが(仕事にかこつけてマリアを連れ出すジョーの悪戯っぽい表情!)、中盤からは緊迫のサスペンス・アクション。だが、ハードボイルドに決めてみせても、これはアマチュアの計画である。唯一のプロ・ブライアンの無造作かつ非情な振舞から、何人もの命が失われるのを見てジョーは金塊を返すことに決めるが、ブライアンが承知する筈もない。死闘の末に、ようやく無事(?)自首を果たしたジョーは、軍法会議の場へと向かう空港で、旅装のマリアと孤児たちに出会う。「自分が全ての罪をかぶるからその代わりに」とジョーがアルフィーに出させた金で、彼女らのブラジル行きが叶ったのだ。
上司の温情でしばしの間、別れの抱擁をかわす二人。何も知らず「貴方も後から来てね」と旅立つマリアを、ちょっと淋しげな笑顔で見送るジョーなのであった。…ジ・エンド。
…うーん…
中盤以降は一応サスペンスフルで、キビキビと軍服アクションしている大好きなウィドマーク様、Foxとの七年契約から解放されたばかりなせいか、楽しそうに演ってる感じなんですけどねぇ、シナリオがちょこちょこ引っかかる所があるのが残念(^^;)
惚れた女の夢のために犯罪に手を染める、というのは、犯罪の動機としては比較的良い方だろうとは思いますが、しかし何故ブラジル?ネオナチでもあるまいに?それともこの頃ドイツではブラジルブームが来てたとか?ブラジルでなくてもなぜ国を出ないといけないの?誰か教えて…
そして、死人が出たしやめる、というのは正しいようでいて何か微妙。死人が出なきゃそんなにいいのかしら。軍を裏切って脱走するのは同じだと思うが…。ナイジェル・パトリックが妙にマイペースでノンシャランな悪党をイイ感じで演ってるので「アマチュアの試みに引っ張り込まれたプロって気の毒」と思えてくるのは、私間違っているのかしら。計画が狂ってきたのは、プロの非情(笑)だけでなくアマ側のツメの甘さにも一因がある。
自首したとはいえ、ジョーだけチャッカリ目的は果たしちゃってるし…(^^;)
ということで、見どころは常に一定のレベル(カッコよさ)は保つウィドマーク様と、ナイジェル・パトリックと、この時期カラーでのベルリン・ロケだけであった(ヒロインはあまり私の好みではなくて…シナリオのせいもあるが)。
それでもとりあえず懐かしかったしで☆三つ(甘いな…)。
自分的にはウィドマーク様が出てるだけで一応見た甲斐はある!
コメント
私、あいかわらず、聞き取りが5分の1ほどしかできないので、このラストは、プレスシートや、キネマ旬報などの解説を読んで、納得いかんけど、そうなんか?と思ってたんですが、それらに書かれている最後は、ジョーの上司、Majour Brackenが、ジョーやマリアに内緒で金をマリアたちのブラジル行きに贈り、何も知らない彼らの傍らで微笑んでいたと書かれてるんですよね。ところが、映画の中にはそんな場面がないし、これって、とても大事な場面なのに、腑に落ちないなあ・・・・と思っていたんです。
それぞれの場面は、目に楽しいのですが、最後の詰めに不満が残るのは確かですね。というか、計画自体がそもそも無謀だし。この2人は将来どうなるのよと、思って案じましたよ。<
もう一つ、不満な点は、最後に2人が別れの抱擁をしているシーンは、なぜか、合成くさいですね。背景と人物との境目が妙に不自然。何で、そんな撮り方をしたのか、ぜんぜんわかりません。別に、ややこしいところで撮影してるわけではないのに・・・・。後で、とってつけたみたいに感じました。
途中から現れる胡散臭い怪しげな人物の設定も、字幕なしだといまひとつ掴みきれないものがあってちょっとわかりにくかったです。<
ただ、この作品を救ってるのは、音楽と、赤いメッサーシュミット、そして、ウィドマーク様の千変万化する表情でしょうね。私は、ハナから、内容把握が完全にできないことがわかってるだけに、これらの要素だけでも十分楽しみました。<
できれば、これも原作を読んでみたいものですが、(マックス・カットーの同タイトル)、本の入手は難しそうですね。<
それと、前から不思議に感じてるのが、この、タイトル。「賞品」という和訳があまり適切ではないような気がします。「報われた」という意味とは思うんですが。「贈り物」の方がまだ、自然でしょうか。
そうですよ!そうだったんですよ。
飛行機が自分の車に激突炎上、絶対アシがつく!とビクつくアルフィーに「これはdeal(取引)だ」とか「車が盗まれたと自分から届をだせ」とか「金を何ポンド出せ」とか言い含めて先に家に帰していました。最初はひとりでなくロジャーと二人でかぶる予定だったのかもしれませんが結果的にはロジャーはああなっちゃったし…。
私の手元の「映画の友」1955年6月号の記事にも、ちゃんとそのように書いてありますし、TV放映見た際の記憶が違ってるということはない筈です。
(状況がわかった上で見直したら、きっと聞き取れると思いますよ)
途中から現れる胡散臭い怪しげな人物の設定ってのは…パイロットと金の闇ルート商人ですか?ロジャーの叔父ダンが闇ルートの商人アルフィー・ストラットンを知ってたのでジョー、ロジャー、ダンの三人が彼の家へたずねて行ってあれこれ言って仲間に引き入れるんですね。アルフィーは表には出ない筈がダンの車が土壇場でエンコしたのでアルフィーの車ごと現場に付き合うハメになる(アマチュアだなあ…)。ブライアンはアルフィーの紹介で仲間入り。
キネマ旬報DB何するものぞ。あのあらすじ、今初めて検索で見てみましたがウソばっかりです。
「成金にマリアがいじめられてる(マリア、口説かれるのは嫌だけど、ブラジル行き資金のことを思うとムゲにもできないでいるというのが正しい)」とか、仲間の人数も一人多いぞ…(パイロットのブライアン・ハメルが“ブライアンとハメル”って、二人に増殖してる!)
「太陽に向って走れ」の前妻死亡説と同様、まちがってる時はまちがってるんですよね(笑)
>「報われた」という意味とは思うんですが。「贈り物」の方がまだ、自然でしょうか。
では、「黄金の報酬」とか、どうでしょうか。
とりあえず自分の人生棒にふってまで(あれではいつかマリアと一緒になれるのかどうかも少し怪しいですよね)、マリアの夢をかなえる資金を根性で獲得したのは確かなんですし。
でも、イマイチ(私には)理解できない夢のために、ウィドマーク様の人生棒にふらせるヒロインて、私にとってはどうにも、ヤな女~!なのでした(笑)
でも、この女性の方からジョーにお金を出してと頼んだわけではないですよね・・・?(お金がいるのという話はしてたと思うのですが)
あの、嫌味なパトロンが、彼女に狼藉をはたらいてるのを偶然見てしまい、惚れた弱みで、ジョーの方がその気になってしまったのでは。
「僕が何とかするから」みたいなことを言ってましたか? 彼女は訳を知りたがっていたけども、「説明する時間が今はないけども、もうすぐ夢が叶うよ」とかもジョーの方から言ってませんでしたか?
よーするに、あの、パトロンの親父に対抗したかったんでしょうね。
ジョーって、後先考えない単純ないい奴・・・。聡明そうで、抜かりないはずのウィドマーク様がこの役を演じると、もっと、深い理由があったのか!?とカン違いしてしまうけども、実はそんなたいそうな理由なんてないという話。
ところでこの、ジョーといい、「太陽に向かって走れ」のマイクといい、女性に、結婚してるの?と、聞いて、独身とわかったとたん、あからさまに嬉しそうになるのって、西洋では、一種の礼儀なんでしょうか????
ええ、女性から頼んだりはしてないと思いますよ。
ジョーにパトロンが殴り飛ばされたんで、ほとんど実現しかけていたブラジル行きがダメになってしまった、と泣いただけです。それでジョーが「俺が何とかする!」と、勝手に犯罪を計画実行したわけです。
ただ、恋人としての本命はジョーでも、下心ありありのパトロンを適当にいなしつつ何とかお金だけは出させたい、という彼女が、あまり好きになれないんですよねワタシ(笑)
もっとハスッパなアーパー娘なら逆に気にならないんですが、女教師がそれってどうよ?って。
まあ、すべては「好み」ですから仕方がない…(^^;)
>女性に、結婚してるの?と、聞いて、独身とわかったとたん、あからさまに嬉しそうになるのって、西洋では、一種の礼儀なんでしょうか????
既婚未婚の確認は、やっぱ50年代だからでしょう(笑)それを聞くだけ「本気」なのかも。
今は誰も気にしてないみたいですが。やれやれ。
>映画の原作でたまたま移民先がブラジルだったということではないでしょうか。あるいは、その時期ドイツ系移民を受入れたのはブラジルだけだったのかもしれません。
それはどっちもありそうですね!
そういえば、ユダヤ人の亡命船旅映画「さすらいの航海」も南米を目指していましたっけ。いや、中米か?
国外に出るなら、ヨーロッパや北米は対独感情まだあまりよくないでしょうし…
また、私のような内気な日本人とくらべると、ポンと国外へ出てしまうことに、ヨーロッパ人のメンタリティではあまりハードル高くないのかもしれませんね。
それでも、犯罪を犯してまで叶えてやるような切羽詰まった夢なのか?という違和感は残ります。もう少しシナリオがそのへんちゃんと語ってくれてればと思う(笑)
「ブラジルにさえ行ければあーなってこーなって…」とヒロインが熱く熱く語るとか。
当時の人から見れば自然な発想だったのかもしれないのですが、まあこの映画のシナリオは所々グラついてる感じです(^^;)
原題のprizeは、ご褒美と捕獲物のダブルミーニングではないかと思います。
それでも昔の邦題はやたらカタカナだらけですませたりしないので、昔の映画タイトルのほうがたいてい印象に残りますね…誤訳くさい時でさえ(笑)
話変わりますが、Max Cattoの原作本みっけ。(英密林)しかし、666.66ポンドって、高いですね。(買わないけど)^^;
原作読んでみれば、映画で語りきれてない部分も見えてくる可能性が高いですね。
こないだの「裏切りの空」のように原作の方がはるかに面白かったということも考えられますし。(しかも、和訳だったので貴重でした。もう一回読みたいくらい)
それにしても、コロンビア本社が作っているプレスシートの概略があんなにいいかげんなのはどうしたものか。(-_-;)キネマ旬報のDBは、たいがいああいったプレスシートを元に書かれてますので大元がまちがっていたら、どうしようもないですね。案外あれが原作に基いた内容なのかも・・・
そのうち、もう一度ボースン様からいただいた情報を元に再見してみようと思います。
Max Cattoの原作本って、なんと、まだ手に入るんですか~!意外と、映画と全然違うストーリーだったりして(ありがち)。しかしまたずいぶん高価な…。
>そのうち、もう一度ボースン様からいただいた情報を元に再見してみようと思います。
そうですね、カラーでウィドマーク様の金髪がおがめると、それだけで内容がどうあっても「モトは取れた」とか思ってしまいますもんね(爆)
TCMホームページの「黄金の賞品」記事にいつのまにか「DVDにして欲しいですか投票」がくっついてるのには驚きましたが、私、投票してきちゃいましたよ!