山火事 (1956年)
2009年6月9日 読書 コメント (6)
ジョージ・R.スチュワート著、半端にデータはあるようですが、もちろん絶版。
山火事と戦う人々の姿を描いた小説。映画「赤い空」の原作と聞き手を出しました。話は全然違うとかですが、半世紀以上前の消防事情それも山火事となると、映画を見る前に知っておいていいだろうと。
なにせ山火事です。しかもアメリカですから、だだっぴろいことこの上なしですから、火事に気付いても火元に近づくだけでも大変。消防士(といっても消火器は持たない)を空輸したりするのですが、そもそも山火事というのは火をかけて消すとかではなく、とにかく燃えている周囲をだーーーーーっと斧やシャベルで切り開いて、火事が燃えようにも燃えられない地帯「防火線」をひたすら一定幅で作っていく、もちろんなるべくムダがないように(余裕を持って作ると当然延焼面積は増える)、でも火に追いつかれて防火線を閉じ切れなかったらアウト、しかし地形天候風向きなど計算を狂わせる要素も色々あって…というところで、実に原始的で難しい作業であったようです。山火事というのは、基本的に「消す」ものでなく「燃え尽きてもらう」ものらしい…少なくとも半世紀前は。今はもう少しなんとか技術の進歩があるのだろうかしらん。
山中に点在する監視所の娘、広大な山林をカバーする山林監視局の面々 気象予報を流す気象局員、トラクターの運転手、臨時雇いで消火活動に参加したホームレスさんたち、火にまかれそうになる野生動物や、火事そのものや、とにかくありとあらゆる関係者の視点を転々とした語り口は、あまり身近ではない大規模な山火事と、それとの戦いをパノラマ的に描き出してなかなか面白かった。
あともう少し、訳文がわかりやすければ…。まぁ、50年代の邦訳に元々期待はあまりしていませんでしたが。そして、時々意味不明な訳語があるので、解説とか書いておいてくれたらもっとよかったのに…
「出動係」って、何なのかしら…。
そして、防火線をうまく引き切れたら、「迎え火」というのをつけるらしいんですが、これって何のためにつけるのかしら…。無事引けた防火線の内側から、燃えている火に「向けて」、迎撃のために火を放つらしいんですが、いまいちよくわからん…
手前から燃えた部分は、もう何もかも燃え尽きちゃってそれ以上燃えなくなるからかしら。でもこれもかなり最後まで来たあたりで「そういうことかな?」と思いついたことだったので、困ったことです(しかも間違っている可能性もある)。
まーねー、半世紀以上前の本だしねー、しょせん。珍しいテーマなのでそれなりに一気に読んだのですが、興味ない人には辛いかも。
新訳注釈つきで出し直してといっても無理かしら。
山火事と戦う人々の姿を描いた小説。映画「赤い空」の原作と聞き手を出しました。話は全然違うとかですが、半世紀以上前の消防事情それも山火事となると、映画を見る前に知っておいていいだろうと。
なにせ山火事です。しかもアメリカですから、だだっぴろいことこの上なしですから、火事に気付いても火元に近づくだけでも大変。消防士(といっても消火器は持たない)を空輸したりするのですが、そもそも山火事というのは火をかけて消すとかではなく、とにかく燃えている周囲をだーーーーーっと斧やシャベルで切り開いて、火事が燃えようにも燃えられない地帯「防火線」をひたすら一定幅で作っていく、もちろんなるべくムダがないように(余裕を持って作ると当然延焼面積は増える)、でも火に追いつかれて防火線を閉じ切れなかったらアウト、しかし地形天候風向きなど計算を狂わせる要素も色々あって…というところで、実に原始的で難しい作業であったようです。山火事というのは、基本的に「消す」ものでなく「燃え尽きてもらう」ものらしい…少なくとも半世紀前は。今はもう少しなんとか技術の進歩があるのだろうかしらん。
山中に点在する監視所の娘、広大な山林をカバーする山林監視局の面々 気象予報を流す気象局員、トラクターの運転手、臨時雇いで消火活動に参加したホームレスさんたち、火にまかれそうになる野生動物や、火事そのものや、とにかくありとあらゆる関係者の視点を転々とした語り口は、あまり身近ではない大規模な山火事と、それとの戦いをパノラマ的に描き出してなかなか面白かった。
あともう少し、訳文がわかりやすければ…。まぁ、50年代の邦訳に元々期待はあまりしていませんでしたが。そして、時々意味不明な訳語があるので、解説とか書いておいてくれたらもっとよかったのに…
「出動係」って、何なのかしら…。
そして、防火線をうまく引き切れたら、「迎え火」というのをつけるらしいんですが、これって何のためにつけるのかしら…。無事引けた防火線の内側から、燃えている火に「向けて」、迎撃のために火を放つらしいんですが、いまいちよくわからん…
手前から燃えた部分は、もう何もかも燃え尽きちゃってそれ以上燃えなくなるからかしら。でもこれもかなり最後まで来たあたりで「そういうことかな?」と思いついたことだったので、困ったことです(しかも間違っている可能性もある)。
まーねー、半世紀以上前の本だしねー、しょせん。珍しいテーマなのでそれなりに一気に読んだのですが、興味ない人には辛いかも。
新訳注釈つきで出し直してといっても無理かしら。
コメント
ちなみに、うちの向かいは消防署ですので、毎日のように、出動、訓練の様子が拝めます。勇ましい掛け声と共にしょっちゅうランニングやら、なんやらかんやらやってます。幼い頃にここの消防車に乗せてもらったことも、実はあります。
山火事のことは、よくわかりませんが、「迎え火」って大文字じゃなくて、奈良の山焼きみたいのんでしょうか??・・。向かいに聞いてみようかしらん。
この小説の「出動係」は、自分では必ずしも出動しないんです(笑)
むしろ消防隊をどう出動させるかの計画を練るのかなあって感じ…でも出動係なんていうと組織内でどの程度の位置なのかがわかりにくくて。他にいい訳語ないのでしょうかね。
山火事をどうさばくかってゲーム化しやすいかも、と検索してみると、案の定こんなものがありました。
http://www.4gamer.net/patch/demo/wildfire/wildfire.html
ゲーム画面のキャプチャを見てみると、やっぱりシャベルや鋸のアイコンもありますね。いまでもシャベルは山火事で欠かせないらしい…
ですので、ボースン様がときどきゲームの話題を書かれていてもコメントができない世界でした。ですが、ちょっと、ウエのページ覗いてみると、禁断のにおいに
誘われそうではないですか。これって、どうやったら、遊べるんでしょう。
インストールするんですか?・・・・・危ないなあ・・・わたし・・・
上のゲームは、インストールするんでしょうねえ。最近は、何を買うにもお手軽なだけにコワイです(笑)
そして、古い記事にこんにちわ。
予測ですが、「迎え火」・・・ほれ、日本神話でありませんでしたっけ。
ヤマトタケルだったか、が、罠にはまって周囲から(外側から)火攻めで焼き殺されようとしたとき、彼は剣で草を薙ぎ払い、内側から火をつけて、その難を逃れた・・・とか。
火を、先に火で迎撃するのです。先に燃やせば、もう燃えるものがないから炎がこない。
ではでは。
ヤマトタケル…うーむ、そういえば。言われてみるとそんな話もあったような気が。日本でも伝統?のテクニックだったんですね。ありがとうございます。