アレグリアとは仕事はできない
2009年3月16日 読書
津村記久子著。
「三十分で事足りるはずだった。あいつをやるのは。あいつを。」
性悪なコピー機(厳密にはスキャナ・FAX・コピー複合機)品名アレグリアをめぐる、はげしくも荒んだ人間関係。OLの心の叫びが、微妙なユーモアをにじませつつ猛スピードで説得力たっぷりに描かれる。私は機械とは比較的うまくやるほうだと思うけど、逆に主人公がコピー機に感情的に振り回されるさまはよく分かる気がする。うまくてなづけられてサクサク動いてくれるキカイは可愛いし、理解できない動きをするキカイは憎たらしい。しかも、そのことが自分を孤立化させてゆくとなれば、そりゃぁ殺意くらい抱くでしょうよ、キカイにだって。
イマドキの働く人間は、嫌でも嫌でなくてもキカイと付き合わざるを得ない場合が多い。暑苦しいけど面白かった。
同時収録の「地下鉄の叙事詩」は、暑苦しくより読後感がザラついたものがあるが、サスペンス?の盛り上げはなかなか。今後、要チェックですな。…というか、既にコレの後の作品で芥川賞作家になっちゃってる人だけど。
「三十分で事足りるはずだった。あいつをやるのは。あいつを。」
性悪なコピー機(厳密にはスキャナ・FAX・コピー複合機)品名アレグリアをめぐる、はげしくも荒んだ人間関係。OLの心の叫びが、微妙なユーモアをにじませつつ猛スピードで説得力たっぷりに描かれる。私は機械とは比較的うまくやるほうだと思うけど、逆に主人公がコピー機に感情的に振り回されるさまはよく分かる気がする。うまくてなづけられてサクサク動いてくれるキカイは可愛いし、理解できない動きをするキカイは憎たらしい。しかも、そのことが自分を孤立化させてゆくとなれば、そりゃぁ殺意くらい抱くでしょうよ、キカイにだって。
イマドキの働く人間は、嫌でも嫌でなくてもキカイと付き合わざるを得ない場合が多い。暑苦しいけど面白かった。
同時収録の「地下鉄の叙事詩」は、暑苦しくより読後感がザラついたものがあるが、サスペンス?の盛り上げはなかなか。今後、要チェックですな。…というか、既にコレの後の作品で芥川賞作家になっちゃってる人だけど。
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