1968年、メル・ブルックス監督作品。

そう、2005年のミュージカル・バージョンの元映画です。
古いコッチの方がいい、と言う人もいるくらいだし(ブルックス監督デビュー作にしてアカデミー脚本賞受賞作)、一度見てみたいと思ってましたがスカパーでやってたので視聴。

…なるほどー。
思ったよりも新作と同じであった。同じセリフや同じ曲も。まぁ、基本的に面白い脚本だから見比べも楽しい。
旧版はミュージカル仕立てではないのだが、舞台をやるからには自然と、オーディションや舞台初日場面に歌や踊りがある程度入ってくる。まあ、「わざとコケる舞台をやろう!」というネタの確かさは動かないし、「ヒトラーの春」で観客総アゴ落ちっぱなし、というのはそりゃもうはずせないですから。

違いはミュージカルかどうかというよりも、60年代テイストの強い旧作(英語の出来ない北欧系セクシー秘書がLPレコードに合わせて超ミニで踊るとか、ヒトラー役者L.S.D.のフラワー・チルドレン的熱唱とか)VS50年代に時代を移してマシュー・ブロデリックがタップ・ダンスしまくりの新作、ということで考えたほうがいいかもしれない。
50年代ミュージカルの好きな私は、やはり新作の盛りだくさんかつクラシックな歌と踊りが嬉しく感じる。旧作には当然“初めて「ヒトラーの春」オープニングを見る衝撃”(笑)がもれなくついてくるのだろうが、新作のクネクネヒトラー(ゲイリー・ビーチ)の「ハイル・マイセルフ」のほうが、L.S.D(ディック・ショーン)のコントっぽいヒトラーより上だと思う。まぁ後発だから上でちょうどいいのだろう(L.S.Dの歌はオーディションでの熱唱の方が良い)。

マックス役、旧作のゼロ・モステルと新作のネイサン・レインはどっちもどっちにイイ感じ。
ただ、ジーン・ワイルダーは!旧版レオ・ブルーム役のワイルダーは素晴らしい。
今風にいうと「ワイルダー可愛いよワイルダー」!てな感じで泣けそうだ。
かなり若いうちの作品だが、マシューより更に病的でなおかつ可愛いのである。
マックスに「昨日喧嘩したときデブって言ってごめん」とか、変に可愛い。そもそも、意図的失敗作上演の片棒をかつがせたいマックスに公園に連れ出されてメリーゴーランドやボートにのせられて籠絡されるって、成人男性としてどうよってくらい可愛いすぎじゃないですか(BLならいざ知らず)。法廷で、自分にとってはマックスが友情の手をさしのべてくれた唯一の人だ、と切々と語る場面も心にしみる。
ああ、レオってこんなにも愛に飢えたキャラだったのよねー!

DVDには老いた(とはいえほんの数年前にミュージカル版をプロデュースしたばかりだが)ブルックスやワイルダーのインタビュー等も収録されているらしい。
うーん、DVDも気になりだしちゃったな…(^^;)

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索