紫堂恭子著、全六巻。冬休みに一気読みです。

カワイイ絵柄の割に主人公はオトナ、青年が多いかなというこの著者の、意外に珍しい、少年が主人公のFT(勿論印象的なオトナキャラがちゃんと周囲にいますが)。

王位継承をめぐって、伝説の秘宝「王国の鍵」探索の旅にかりだされた王子アーシャ。剣よりも本が好きな「頼りないボンクラ王子」(この酷評は、戦死したばかりの兄王子が文武両道のデキた人だったこともある)と思われていた彼は、過酷な旅や渦巻く陰謀の中で、否応もなく成長してゆく…。
竜と竜使いの伝説、敵か味方か謎の存在「竜人」、隣国との打ち続く戦いなど、事態はなかなか錯綜していて、コトの全貌が分かるまでには結構時間がかかる。作品によってはこの著者、「面白いが最後がちょっと駆け足だったかな」というものがあるんだけど、「王国の鍵」は最後の余韻までじっくりと描き込まれた逸品です。最終巻の盛り上がりがすばらしい。王子が山を降りるシーンは泣けたなー。

ちなみにタイトルに関連して。全く関係のない話なのですが、「王国の鍵」というのは、グレゴリー・ペックのデビュー映画のタイトルと一緒ですね。若い神父だか牧師だかの話で未見だけど、写真で見た若いペックがいかにもサワヤカだったので印象は悪くない。良いタイトルですね。聖書の言葉かも知れん。

コメント

nophoto
だぶるえんだー
2009年1月12日21:13

紫堂恭子先生ですね?ぼんやり憶えています。辺境警備では大いに楽しませてもらいましたよ。

そういえば「これは王国の鍵」という小説も楽しかったですよ。これまた記憶がぼんやりしているのですが!

ボースン
2009年1月12日21:46

だぶるえんだー様、こんばんわ!
「辺境警備」デビュー作からして既に世界が完成されてましたよね、紫堂センセ。
あの可愛く綺麗な絵柄で(点目の兵隊さんたちは異様に可愛かった…)主人公がオッサンなのが、素晴らしい驚きでした(笑)

「これは…」は荻原規子さんですね。未読です。初期の作品は読んでたのですが(「白鳥異伝」とか)、ここのところずっとごぶさた…一度戻ってみますかねえ。

nophoto
だぶるえんだー
2009年1月14日20:26

いつも御返事ありがとう。そうそう荻原さんでした。(萩原ではなく荻原さん・・・・でしたよね?自信がありませんが)古代日本の御話も楽しかったですね。・・・・え!辺境警備デビュー作だったのですか?うわーーーー初陣であの出来栄えとは。恐るべし紫堂恭子。

ボースン
2009年1月15日0:33

逆ですよー、だぶるえんだー様、いつもコメントありがとうございます、です☆
「荻原」さんも、デビュー時から絶賛でしたっけ。最近初期作品群がソフトカバーで新版出た見たいですが、やっぱり「最初から凄い」ってひとはちゃあんといるもんです…
しかし、デビュー時がどうこうばっか言ってるとトシがバレバレです(笑)

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