ガンファイターの最後
2008年12月26日 映画 コメント (21)
12月26日だから。
やはり今日はウィドマーク映画を見なきゃ(お誕生日だから、94回目の)。
…ということで、未見のままだった「ガンファイターの最後」をロード。
1969年アレン・スミシー監督作品(実はロバート・トッテンが撮ってて途中でドン・シーゲルが引き継いだとか)。
西部のとある町。凄腕のガンファイターである保安官パッチ(リチャード・ウィドマーク)は、ある晩見回り中に、彼に恨みを抱いていた住民から闇討ちを食う。「やめろ、俺に撃たせるな」と叫びつつ、結局射殺してしまうのだが、正当防衛なのに住民たちの目は異常に冷たい。
勤続20年、住民のことなら何でも知っている(知りすぎている)古風な保安官の存在が、いつしか住民たちには煙たくなってきている。町のお偉方はこぞって「あんな奴がいると町の発展にも差支える」と「いかにパッチを追い払うか」を審議する。が、解雇通知をパッチは破り捨てる。
パッチはただ、今の職、今の暮らしに留まりたいだけなのだが。
銃の腕一本で町の秩序を守ってきたというプライドのあるパッチは、「知りすぎている」内容を人に漏らすつもりなどない。しかし住民たちは次第に熱に浮かされたように、パッチへの憎しみをたぎらせる。第二の待ち伏せが発生し、パッチは反射的にそれを撃退するが、それは彼の立場をますます絶望的にするばかりだ。
町はもはや集団ヒステリーの域に達していた。
そんな中、パッチは突然、数少ない理解者の一人、恋人である娼館の女将(リナ・ホーン)にプロポーズする。もう死期が近いと思っての求婚なのか?珍しい一張羅のスーツ姿で、神父(なんとハリー・ケリー・Jrだった!)の前でぎこちなく愛を誓うパッチ。しかし…
買ったけどやっぱり見れずにいた映画。だって、タイトルそのまま、別に悪いこともしてないのに旧式だってだけで保安官が住民たちに惨殺される話と聞いていたんですもの。
もともとドン・シーゲルとかサム・ペキンパーとか(一緒くたにされても困ると言われるかな)、暴力描写の美学とかゆーよーな路線の映画は興味薄いんですよね~。
それでもやっぱウィドマーク様の演技は見ごたえありです。慕ってくれる孤児の若者(マイケル・マグリーヴィ)との、祖父と孫のような渋いしみじみ会話いろいろ。突然のぶっきら棒なプロポーズ、なんと後ろ向いて突っ立ったままの…そして後ろ手に握った手首の先の片手だけがぴょこぴょこ照れくさげに動いてるのが、可愛い!可愛すぎて涙が出ました~!(だって絶望的な中のプロポーズだし。なんでこんな可愛いのに惨殺されるんだ!とか)
ただ、「町に残る」ことに拘るパッチの頑迷もわからない所があるが、何でここまでパッチを消すことに住民たちが拘るのかが、いっそう納得がいかない。死神か厄病神のように扱われ(また言訳を滅多にしないんだね昔気質で)、力で相手を制することしか知らない不器用な男であるが、パッチは根は公正で人間的な男。「最初に、好きなだけ在職していいと約束された」と言う彼に、町の偉いさんたちは「その約束には法的根拠はない」と返す。恥ずかしくないんかいソレ、と、見ているこちらが思っちゃう…
監督交代とかあって、やはり脚本が練りきれてないんですかね。
しかし、脚本が改善されていても、この話は多分私の好みではないです…
渋くて哀しいウィドマーク様を見るためだけの映画です。
やはり今日はウィドマーク映画を見なきゃ(お誕生日だから、94回目の)。
…ということで、未見のままだった「ガンファイターの最後」をロード。
1969年アレン・スミシー監督作品(実はロバート・トッテンが撮ってて途中でドン・シーゲルが引き継いだとか)。
西部のとある町。凄腕のガンファイターである保安官パッチ(リチャード・ウィドマーク)は、ある晩見回り中に、彼に恨みを抱いていた住民から闇討ちを食う。「やめろ、俺に撃たせるな」と叫びつつ、結局射殺してしまうのだが、正当防衛なのに住民たちの目は異常に冷たい。
勤続20年、住民のことなら何でも知っている(知りすぎている)古風な保安官の存在が、いつしか住民たちには煙たくなってきている。町のお偉方はこぞって「あんな奴がいると町の発展にも差支える」と「いかにパッチを追い払うか」を審議する。が、解雇通知をパッチは破り捨てる。
パッチはただ、今の職、今の暮らしに留まりたいだけなのだが。
銃の腕一本で町の秩序を守ってきたというプライドのあるパッチは、「知りすぎている」内容を人に漏らすつもりなどない。しかし住民たちは次第に熱に浮かされたように、パッチへの憎しみをたぎらせる。第二の待ち伏せが発生し、パッチは反射的にそれを撃退するが、それは彼の立場をますます絶望的にするばかりだ。
町はもはや集団ヒステリーの域に達していた。
そんな中、パッチは突然、数少ない理解者の一人、恋人である娼館の女将(リナ・ホーン)にプロポーズする。もう死期が近いと思っての求婚なのか?珍しい一張羅のスーツ姿で、神父(なんとハリー・ケリー・Jrだった!)の前でぎこちなく愛を誓うパッチ。しかし…
買ったけどやっぱり見れずにいた映画。だって、タイトルそのまま、別に悪いこともしてないのに旧式だってだけで保安官が住民たちに惨殺される話と聞いていたんですもの。
もともとドン・シーゲルとかサム・ペキンパーとか(一緒くたにされても困ると言われるかな)、暴力描写の美学とかゆーよーな路線の映画は興味薄いんですよね~。
それでもやっぱウィドマーク様の演技は見ごたえありです。慕ってくれる孤児の若者(マイケル・マグリーヴィ)との、祖父と孫のような渋いしみじみ会話いろいろ。突然のぶっきら棒なプロポーズ、なんと後ろ向いて突っ立ったままの…そして後ろ手に握った手首の先の片手だけがぴょこぴょこ照れくさげに動いてるのが、可愛い!可愛すぎて涙が出ました~!(だって絶望的な中のプロポーズだし。なんでこんな可愛いのに惨殺されるんだ!とか)
ただ、「町に残る」ことに拘るパッチの頑迷もわからない所があるが、何でここまでパッチを消すことに住民たちが拘るのかが、いっそう納得がいかない。死神か厄病神のように扱われ(また言訳を滅多にしないんだね昔気質で)、力で相手を制することしか知らない不器用な男であるが、パッチは根は公正で人間的な男。「最初に、好きなだけ在職していいと約束された」と言う彼に、町の偉いさんたちは「その約束には法的根拠はない」と返す。恥ずかしくないんかいソレ、と、見ているこちらが思っちゃう…
監督交代とかあって、やはり脚本が練りきれてないんですかね。
しかし、脚本が改善されていても、この話は多分私の好みではないです…
渋くて哀しいウィドマーク様を見るためだけの映画です。
コメント
この作品は、そうなんですよ、私もなんかかわいそすぎそうなんで見る気があまりしないまま今に至っているんです。この作品のポスターもうちにあったのですが、後ろから撃たれている痛々しい表情のアップだったので、手放したと思います。
でも、ちょっと見てみたいですよね、プロポーズの手の演技。
大体、ファンの心理って、それこそ指の先の表情まで細かく見てしまいますが、(たとえば、爪のドアップなんかあったら、興味ありませんか?)ウィドマーク様の場合、裏切りませんね。大味な人ではないんで、細かいとこにもちゃんと魅力的な演技が光っています。器用なんでしょうね。「人生模様」まだ途中のままですが、お行儀悪く食事をするシーンでもその器用さを感じましたし、もしかして、この人左手も右手同様に使えるんでは?と思えるシーンがよくあります。
でもなー。悲しいものよりはむしろ可愛さの生かせるコメデイなんかの方が見たいですね。「愛のトンネル」DVD化してほしいなあ~
誰かが言いませんでしたか?、「そのままの格好で寝てるんだろー」って。で、「アラモ」でジム・ボーイが真っ赤な顔をしてベッドから起き上がる場面を思い出しました。
歌は彼女が唄ってるようですね。
年賀状、無事投函まで行きましたか?ご家族分まですべてとは大変ですね。
私はほぼ自分のだけなので数が少ないんです(長男は年賀状ソフトの使い方を少し教えたら、だいたい自分でするようになったし、小学生の二男はろくに出す気がないし。相方は私の作ったデザインを流用しても宛名書きは自分でするし)。…もう少しオリジナルな絵を添えてた時代もあるんですが、今年はもう出来あいを組み合わせただけ。やれやれ。
>お行儀悪く食事
景気よくスープにパンをぶちこむところですね?あれはちょっとだけ可愛いですね。「クラリオン・コール」ではメイクも演技もトミー・ユードーにクリソツなのですが、微妙にコミカルなアレンジが。
>もしかして、この人左手も右手同様に使えるんでは?
「襲われた幌馬車」で、ナイフと手錠の鎖と両方使っての格闘なんか、そう思えちゃいますよね。もしや両手利きだったりして…
>愛のトンネル
ドリス・ディBoxとか出ませんかね。出ても入らないかなあ。ディのヒット作はたくさんあるし…
彼の、タフなんだけど時々可笑しみが、というような演技が私は好きです。「長い船団」なんか、コミカルな役作りがあの安直な歴史スペクタクル物語に新鮮なタッチを与えてくれてる気が(笑)
言ってました言ってました「そのままの格好で…」(笑)
でも20年間も給料据え置いてる町のお偉いさんたちにも責任あるかもですよねぇ。ほんと、滅茶苦茶な町、滅茶苦茶なストーリーです(^^;)
銃の力による秩序に反発する住民、というテーマは、この作品から数えてちょうど10年前の「ワーロック」のテーマにも重なります。あの時逆に、プロのガンファイター・フォンダを叩き出したのがウィドマークだったこと、ブレイズデル(フォンダ)はパッチとは逆にえらくお洒落だったことや結局潔く自ら町を去って行ったことなど、興味深く思い起こされます。
「それで本当に大丈夫か?」と斜に構えながらも、力よりも理性に頼りたいとする「普通の人々の良識」にまだ希望をつなごうとしていた「ワーロック」を思えば、…10年で、人間社会に対する映画作家の目は、ここまで辛辣さを増したんですねぇ。追い出されるほうも頑迷だけど、追い出すほうはもっとずっと醜い。
そういうところが、やっぱり悲しいしあまり見たいタイプの映画とは言えないのでした。ウィドマーク様が出てるので仕方がないが(笑)
ところで、「暗黒の恐怖」が今月の半ばにまた新しく出てるようですが、何で、同じタイトルがこんなに続いて出るんでしょう?先ほど米アマゾンで発見しました。
相変わらず字幕の有無が謎ですが。DVDビーバーには、Fox版の情報しかありませんでした。
昔は27日くらいまでなら、近場は元日に届いてたような気がしますが…
「暗黒の恐怖」、日本における500円DVDみたいなもんなんでしょうか?いろんなメーカーから同じようなタイトルばかり出る…
おや、This product is manufactured on demand using DVD-R recordable media. なんて書いてますね。なんじゃそりゃ(^^;)…少なくとも字幕はなさそうな気分。
せめて、あまりまだ出てないタイトルを売り出してくれてたらいいのにな。
アマゾンよりヤフーのオークションが新品で500円位安いので、セコク後者で注文したところ、後になってまだ4~5日かかるとの返事が…ちょっとガックシ。
この映画の日本公開はリバイバルの「眼下の敵」と2本立てだったとおもいますが…40年も前なのであやふやです、待ち遠しい!(^^)!
やっと本日「ガンファイターの最後」が手元に来ました。DVDジャケットのパッチが被る帽子がいかにも…って感じでいい--、お目当てウィドマーク様の表情もシリアスなドラマを予感させて素晴らしい--!!
公開時の1969年は東大安田講堂機動隊導入、神田カルチェラタン…そして12月に本作日本封切かぁ---(とネットで再確認)この映画のラストシーンのように複雑な思いだった…などと顧みつつ(’_’)。
GET!の報告です。まだ見てないのですが…、観たらまたご報告しまーす!(^^)!
やっぱり「渋くて哀しい」ウィドマーク様かっこいいですよね、自分なりに生き切った、舌足らずなフランク・パッチ。lastで教会を後にして死地に向かうパッチ。すでに朦朧としてきた意識なのに薄っすらと、どこか満足げな眼差しまで漂わせ、撃たれに行くガンマン。全身で演じ切って、まさにドンピシャのはまり役ではないでしょうか。リナ・ホーンの抑えた歌声の中、ゆっくりとやって来た夜汽車が行くと、少年が現れて物語が始まる…最後にもリフレインした汽車が去ってend。人は何時の時代も同じ過ちをくりかえすと暗示してるのかな?これは思い込み過ぎかぁ--?でも好きだなこの幕開けとエンディングと主題歌「sweet apple wine」
クライマックスになだれ込むあたりは、やっぱドン・シーゲル風ですかね。しかし観終わっての感想はずっしり。重たい短編小説を読んだ感じかも。ウィドマーク様の魅力をいたるところにちりばめ、ぎっしり詰め込んで。パッチ同様に舌足らずな映画かもしれませんが、だからこそ強烈なメッセージになっているよう。こうあってはならないと…僕は大好きになりました!!この映画。あっそれとメキシコ人のマーシャルさん良かったですね。強そうなのにパッチにブン殴られても、親父に殴られたような顔して。だからこそパッチを説得できない。いや誰も出来ませんね、パッチを。だから汽車に逃げ込んできた悪人をおもいっきり蹴っ飛ばす。痛快なシーンでした!!この映画。再見してほんと良かったです。ウィドマーク様!!ボースン様!!主人公フランク・パッチも含めて人の不条理さというか、その辺りを問い掛けたのでしょうか?いやはや重いこと重いこと。意図してもしなくても、知らぬ間にも、パッチを追放する立場に人はなりうるんだと思うし。しかし頑張って、いい仕事してきたんですね。ウィドマーク親父様!!(失礼しました)見終わってほんと背筋がしゃんとしました。
明日は仕事さぼらないぞ!「おゼゼ」稼ぎまぁ--す。
ボースン様もどうかまたいつか見てくださぁ--いね!(^^)!
レビューに書いているように「…なんで?」と思う部分もあるのですが、彼を見ていると結局「払っただけのモノはもらった」気になります。あのメキシカンのマーシャルのエピソード見ても、パッチって芯の芯は凄くまっとうなんですよね…
ひねくれているように見えて魅力的で、哀しい人物です。
二度と見たくないなどとは思っていませんので、ご安心を。
パッチ独特の生きざまの潔さ、あの壮絶な最後も…パッチなら多いにありだ!と納得させるあの演技も…どんな役でも魅力ある人物にしてしまう演技はほんとすごいですね。ところでこの映画、ドラマの始めの方でウィドマーク様が馬に乗ったまま家屋の軒下?を見回りしたりする何気ないシーンも好きなんですが、どのシーンも良いですよね、DVDの解説にはトッテン監督とシーゲル監督のシーンが半々におさまってるようなことが書いてありましたが、ということはトッテン監督もなかなか良いってことになりますね。ドラマの運びもいいし、脇役もみんないいですよね、正しいことが葬りされるこの現実をなんとかしろ!と頑固男を通して訴える役はウィドマーク様にぴったりの役だし…このドラマがウィドマーク様のいわゆる一人主役映画の最後ではありませんか?…心底拍手です。いやぁ二度も書いて恐れ入ります。すみません!(^^)!天皇誕生日はウィドマーク様誕生日に直近ですね。おかげで3度目みることができました。・*:.。.:*・★・*:.。.:*・★・*:.。.:*・★・*:.。.:*・★・*:.。.:*・
私もお誕生日あわせでまた何か再見したいところですが、日曜出勤です…うーうーうー…(涙)
>このドラマがウィドマーク様のいわゆる一人主役映画の最後ではありませんか?
そうですね、TVムービーだとまだ主役で出てきますが…あ、でも、70年代に入っての「悪魔の性キャサリン」は一人主役と呼んであげたいかも…イマイチな映画ですが。クリストファー・リーは、やっぱ主役と言うより悪役でしょう!(^^;)
ありがとうございます「悪魔の性キャサリン」がチョット楽しみになってきました!(^^)!
いやまあ、期待しすぎずに見るのがコツです。純正のホラーだし(^^;)
中古のドン・シーゲル・コレクションボックスを購入しました。
シーゲルらしい箇所は有るものの、『悪の花園』同様、これまたウィドマークだけで保っている映画ですね。
扇風機や電灯などとウィドマークの生き方の対比がまあ面白いと言えば面白い。
後年シーゲルが『ラスト・シューティスト』を撮ったのはこの作品でやり残した事を完成させたかったのかもしれません。
そう考えるとこの作品にも意義は有ったと言えますね。
今夜は地獄の戦場を又見ます(^^
そう!ウィドマークだけでもってる、と思えちゃいますかたけだ様にも。
「ラスト・シューティスト」では格調高く?死んでゆけたウェインでしたが、こちらはもっと救いのない「最後」で哀しいです。
>G3様
ハイ!ありがとうございます、って、私がありがとうという所じゃないな(笑)
「地獄の戦場」、清純さわやかなウィドマーク様が見れるので私も結構好きな映画です。
私も、寝る前に、つまみ見でもいいから何か見ようっと♪
…やっぱり大好きなフランク・パッチをちょっと見ます(-_-)
なんかえらいクレイジーな感じ。妙なしゃべり方で笑顔の大安売りで、久々にトミー・ユードー御降臨て雰囲気です(笑)