サクリファイス

2008年12月6日 読書
近藤史恵著。

ロードレース。日本ではまだ結構マイナーな自転車レースだが、世界に出れば全く扱いは違う。世界への夢は遠く熱く、日本の選手たちの心を灼く。

主人公は、いいものを持ちつつ勝負に対してちょっと微妙な思いを捨てきれない繊細さを持つ若手選手。ただ、ロードレースとは、エースとアシスト、役割分担が非常に強烈なスポーツであるらしい。アシストの働きなしにはエースの、ひいてはチームの勝利などない。勝ちしか目に入らない選手は逆に、優れたアシストになることもできないのだ。そうした特殊な種目において、ある悲劇的な事件を通じて彼が知る、ロードレーサーの執念とは、覚悟とは、そして誇りとは…

ほろ苦さと爽やかさのないまぜになったラストまで、読み始めたら一気だった。
去年の本。気になっていながら読みそびれたままでいたのだったが…早く読めばよかったよ(爆)
なんと、近藤サン、スポーツ小説(スポーツ・ミステリ)を書かせてもこんなによいものを書くとはねぇ。南方署強行犯係シリーズは結構好きだけど、それ以外は微妙なところかなあと思ってた人なのだが。いい意味で驚かされました。

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