ハンキー・パンキー
1982年、シドニー・ポワチエ監督作品。

コレもワキで出てるリチャード・ウィドマーク様狙いで(笑)。
でもかなりの御歳になってからだし。悪役らしいし。
作品自体大した評判きかないし。そもそも日本盤DVD出てないし。

…なこの映画。それでも多少気になってはいた。たまたまビデオがオークションで100円で出ていたので、送料入れてもレンタルビデオ借りるのと変わらないしナーと、話のタネに落札してみました。

内容は、建築デザイナージーン・ワイルダーが、たまたまタクシーで相乗りした美女を口説こうと思ったら、彼女に投函を頼まれた封筒をめぐって、恐ろしげな謎の組織?に追われるわ、殺人犯の濡れ衣はきせられるわ、で、ドタバタジタバタと繰り広げるコミカル・サスペンス。
このテの作品は、「大陸横断超特急」などでイイ味出してたワイルダーには悪くないと思われるのですが、とにかく開幕30分ほどしないと本気で笑う場面に出会えなかったという時点で、やはり世評は無理もない、というか…。

ウィドマークは案の定、謎の組織のボス格として、主人公たちに睨みをきかせる役どころ。ソフト帽かぶってる姿はちょっとマディガンばり。強そうデキそうな部下たちを常にゾロゾロ連れ歩いているのに、この御歳で何でいまさら自分の手で直接女を殴ったりしてるのかねぇと、演出にはイロイロ疑問山積。意外にもハイエナ笑いは割愛されてるが。
静かに凄味と貫録のみを魅せてくれるだけの方がいいと思うよ(そういう場面もあるが)。
終番ちょっとグランド・キャニオンの上を飛行機で飛んだりするのは楽しいが、五郎八航空みたいな素人操縦ギャグは不完全燃焼だし、全体にワイルダーの神経症的ギャグ演技も生かし切れてない気がする。
主人公たちを振り回す「謎」についても結局ボカしてしか明かさないので、コメディ部分がメインだからとしても(その割に導入部のシリアスが長すぎるが)、すっきり感のないシナリオだ。
名優の筈のポワチエだが、監督としてはイマイチセンスないんじゃないか。

唯一、雰囲気が盛り上がったのはワイルダーがピアノを弾いて、彼の逃亡を助けてくれたギルダ・ラドナーにちょこっと気持ちを通じさせる場面くらいかな。男も楽器が弾けるとこういう時強いね。うん。

なんでポワチエがこんなの監督してるのかよく分からないよ。…ウィドマークが出てあげてるのは、きっと「復讐鬼」以来の、長いお付き合いのよしみであろうと思うのだが。

…やはり、無理に海外盤DVDを買ったりとかしなくてよかった(爆)

コメント

nophoto
なにわすずめ
2008年12月5日10:17

久々のボースン様のレビュー・・・楽しみにしてましたヨン♪

・・・ふーん・・・「ハンキー・パンキー」ってそういう作品だったんですね。
海外版でDVD化されてますが、こんなのいいから、なんで他にもっとDVD化してほしいものをしてくれんのだ!と思えるような(?)クチですか。
でも、日本でもビデオ出てたんですね。ふーん。。。
ボースン様の星二つ・・・たぶん見ないかも。一生(笑)

楽器・・・といえば、ウィドマーク様の「情無用の街」のときのピアノもそうでしたけど、“へーっ、意外!”と思える人がピアノなんか弾いたりしてくれると、惚れ直しますわね~(ウィドマーク様は、デビュー前、リズム・キングとかいうジャズバンドのリーダーやってたそうですから、もっといっぱい披露してほしかったです。私が見た限りでは、「情無用の街」しかナイです。プライベートでは、よく弾いていたみたいですが。)

ここ数日、ポール・ニューマンの追悼特集をTVで見てましたが、彼もピアノうまいですね!アクターズ・スタジオの学生の前で、ジャズをサラリと弾いてみせて、若い子たちのハートをサッとつかんでました。さすが!

最近、アップされたボースン様のご贔屓男優のリスト、楽しく拝見しました。大いに長居しますから私。ヨロシクです(笑)
グレゴリー・ペックの作品では、「白昼の決闘」が大好きです。あれも彼の意外性が魅力でしたね!

nophoto
だぶるえんだー
2008年12月5日20:14

大陸横断超特急!!なつかしいです。子供のころ見て胸を躍らせましたよ。恋と冒険とアクションの配合がちょうど良かった。後半で主人公を助けるコソドロ君も良い味出してましたね。もう一度見たくなりました。

ボースン
2008年12月5日20:18

まぁねー、見なくてもOKな映画ですよ、大丈夫(笑)
でも未見だと、やはり一度は押さえておきたい気がするじゃないですか。悪役らしいときいていても、「実は潜入捜査官でした」などとファンなら嬉しくなるようなオチがないかなーとか妄想が湧いたり。…これはさすがに無理でしたが(笑)
それと、今週は疲れ切ってたので、だらーと見れる程度の作品である意味ちょうどよかったんです。英語字幕のみの海外盤、どかんと期待の大きい作品はやはり体調も時間も万全でのぞみたい…

ちなみに彼のミュージカルシーン、あと、「街の野獣」のドラム(ワンシーンだけだけど)も忘れられませんね♪あの身ごなしのキレの良さは、リズム感の良さにも直結している筈…!(はぁと)
ピアノももう少しチャンスがあればよかったですね。「愛のトンネル」あたり、家庭にピアノ持ち込んでくれてもよかったのにな。あの映画ならピアノ演奏シーンを入れてもおかしくなかったかも。相手役はドリス・デイだし。残念~。

ジーン・ワイルダーのピアノは、初めて見ましたが、まぁ「ヤング・フランケンシュタイン」でモンスターとタップを踏んだり、ミュージカル版「星の王子様」で歌い踊ったりしているのだし納得の技量です。それに比べると、ニューマンのピアノ?なんとなく意外ですね(笑)。
ニューマンも結構好きなスターなんですが、どことなく、リズム感とか悪そうな気がしていたんですー(^^;)
アクターズ・スタジオあがりの人ってみんな(ブランドもディーンもニューマンも)、リズム感悪そうな感じがするのはナゼ?くねくねっと首をひんまげてポーズ取るからかな?(笑)

そうだ音楽ならグレゴリー・ペックも、「白昼の決闘」で口説きのテクのひとつとして、ギター片手に甘いノドを聞かせてましたね。意外とサマになってた。あの映画のペックはほんとうに、二枚目ながら適度に崩れたキャラで味がありました(*^^*)

ボースン
2008年12月5日20:29

あ、だぶるえんだー様!コメント書いてる間に入れ違いになったんですね(^^;)

「大陸横断超特急」は、ジーン・ワイルダーが黒人に変装して…のお笑い場面が笑えて印象に残ってます。コソドロ君はえーと、リチャード・プライヤーでしたか。笑えてソコソコおしゃれな映画だったと思います~。

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