1972年、ジョン・ヒューストン監督作品。
ポール・ニューマン追悼し直し、といいますか(笑)
気になっていながらずっと未見だった「ロイ・ビーン」を借りてきました。
原題が、“The Life and Times of Judge Roy Bean ”。心のままにそこらへんのアウトローたちを吊るしまくった実在の“無法判事”ロイ・ビーンの半生。結構思い切った構成で、様々な登場人物(死人含む)による「語り」やセピア色の静止画像をはさみつつ、断片的なエピソードをつなげてゆく。
テキサスの辺鄙な町(最初は町と呼ぶすらおこがましいところ)で、「正義」と「法」を体現するのだ、と、銃を片手に胸を張る、どうみてもかなりヘンな奴なロイ・ビーン。もちろん自称判事、なんちゃって判事である(でも読み書きは達者らしい。実は見かけより学があるのかも?)。ついでに何故かリリー・ラングトリーという当時の有名女優(これも実在)に夢中で、裁判所兼酒場の名前は彼女にちなみ、壁にはポスターが何枚も。ファンレターも何通も出していたらしい…。直接見たこともないくせに(笑)
最初は突き放したようなタッチに驚くが、まるでホラ話のような、口アングリ系のエピソードが続く前半(白子の無法者なんか、まるでヘビメタなスタイルで笑ってしまった)、ロイ・ビーンが自分の「スタイル」を確立?するにつれ、だんだんホノボノした気分になってくる。ひょんなことからクマをペットに飼うことになり、愛妻(といっても未入籍のメキシコ娘)とクマを連れてピクニックにいくあたりなど、アンディ・ウィリアムズの歌をあしらい、まるで「明日に向かって撃て!」の『雨にぬれても』の場面みたいなノリである。“Marmalade, Molasses & Honey”というこの曲は、アカデミー賞にもノミネートされたらしい。なかなか愛らしい曲だ。
だが、横暴無頼なロイ・ビーンの法執行は、年とともに町が大きくなるにつれて、そこに住むようになった善男善女たちからは浮き始める。時代の変化に足をすくわれ、不運も重なり、寂しく町を去る首吊り判事。このころになると、見る者は判事にすっかり肩入れしてしまって、モーリス・ジャールの曲がまたわびしさをかきたてるのであった。
だが、はるかな年月ののち、彼はまた帰ってくる…
嵐を呼ぶ男、再見…(?)
そして、伝説は完結する。
ニューマンは、アホなのか変わってるだけなのかよくわからないトンデモ判事ロイ・ビーンを好演。全編ひげ面だけどコミカルなイイ味出してます。アホっぽい、泥臭い可笑しさなんだけど、例のブルーアイズをひげ面の奥からしぱしぱさせるのがなんか可愛い。そして、横暴なセリフの奥に悲しみを爆発させる場面は泣かせます。
アンソニー・パーキンスとかエヴァ・ガードナーとか、古株スターが所々にいるのもいいね。
ニューシネマ時代の西部劇らしい、ファンタジックでひねりをきかせた作品ですが(だいたいロイ・ビーンあまり強そうに見えない)、あのジョン・ヒューストンが、ニューシネマを撮っちゃってるてのが、この映画の一番凄いところなのかもしれない。
ポール・ニューマン追悼し直し、といいますか(笑)
気になっていながらずっと未見だった「ロイ・ビーン」を借りてきました。
原題が、“The Life and Times of Judge Roy Bean ”。心のままにそこらへんのアウトローたちを吊るしまくった実在の“無法判事”ロイ・ビーンの半生。結構思い切った構成で、様々な登場人物(死人含む)による「語り」やセピア色の静止画像をはさみつつ、断片的なエピソードをつなげてゆく。
テキサスの辺鄙な町(最初は町と呼ぶすらおこがましいところ)で、「正義」と「法」を体現するのだ、と、銃を片手に胸を張る、どうみてもかなりヘンな奴なロイ・ビーン。もちろん自称判事、なんちゃって判事である(でも読み書きは達者らしい。実は見かけより学があるのかも?)。ついでに何故かリリー・ラングトリーという当時の有名女優(これも実在)に夢中で、裁判所兼酒場の名前は彼女にちなみ、壁にはポスターが何枚も。ファンレターも何通も出していたらしい…。直接見たこともないくせに(笑)
最初は突き放したようなタッチに驚くが、まるでホラ話のような、口アングリ系のエピソードが続く前半(白子の無法者なんか、まるでヘビメタなスタイルで笑ってしまった)、ロイ・ビーンが自分の「スタイル」を確立?するにつれ、だんだんホノボノした気分になってくる。ひょんなことからクマをペットに飼うことになり、愛妻(といっても未入籍のメキシコ娘)とクマを連れてピクニックにいくあたりなど、アンディ・ウィリアムズの歌をあしらい、まるで「明日に向かって撃て!」の『雨にぬれても』の場面みたいなノリである。“Marmalade, Molasses & Honey”というこの曲は、アカデミー賞にもノミネートされたらしい。なかなか愛らしい曲だ。
だが、横暴無頼なロイ・ビーンの法執行は、年とともに町が大きくなるにつれて、そこに住むようになった善男善女たちからは浮き始める。時代の変化に足をすくわれ、不運も重なり、寂しく町を去る首吊り判事。このころになると、見る者は判事にすっかり肩入れしてしまって、モーリス・ジャールの曲がまたわびしさをかきたてるのであった。
だが、はるかな年月ののち、彼はまた帰ってくる…
嵐を呼ぶ男、再見…(?)
そして、伝説は完結する。
ニューマンは、アホなのか変わってるだけなのかよくわからないトンデモ判事ロイ・ビーンを好演。全編ひげ面だけどコミカルなイイ味出してます。アホっぽい、泥臭い可笑しさなんだけど、例のブルーアイズをひげ面の奥からしぱしぱさせるのがなんか可愛い。そして、横暴なセリフの奥に悲しみを爆発させる場面は泣かせます。
アンソニー・パーキンスとかエヴァ・ガードナーとか、古株スターが所々にいるのもいいね。
ニューシネマ時代の西部劇らしい、ファンタジックでひねりをきかせた作品ですが(だいたいロイ・ビーンあまり強そうに見えない)、あのジョン・ヒューストンが、ニューシネマを撮っちゃってるてのが、この映画の一番凄いところなのかもしれない。
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