1940年ハワード・ホークス監督作品。モノクロ。

辞職して田舎で静かな生活をと考える敏腕記者と、それを何とか引き留めたい、無理ならせめてあと一本は記事を書かせたい編集長。
四回も映画化されてるネタだそうだ。
実際、ビリー・ワイルダーが監督した1974年作「フロント・ページ」は、学生時代に既に見ている(こちらは記者と編集長がジャック・レモンとウォルター・マッソー)。
ワイルダーとレモンとマッソー、というだけでクォリティ十分なのだが、そのワイルダー作品よりもさらに上と言われることの多い「ヒズ・ガール・フライデー」。
記者が女性(ロザリンド・ラッセル)で編集長(ケイリー・グラント)の元妻という、男女関係のヒネリも加わって期待が高まるが、どうしたんだろう?

普通に面白かった。
普通に…

あれ?
…えーと…しかし…なんというか、「とんでもなく面白い」というのを期待していたんだけど?
やー、面白いんですけどねえ。スクープのためなら手段を選ばぬ編集長グラントの恥知らずっぷりは期待通りです。なんてスマートな人非人なんだ!ピンストライプのスーツがキリリとカッコいいラッセルが、そのへんは重々分かっているのでトロくさい婚約者を編集長の魔手から守るべく丁々発止、とやってるうちに結局は記者魂がつい再燃しちゃって…なさまも、また楽しいです。

が、「フロント・ページ」より面白かったかどうかと言われたら、大筋がわかっちゃってるからかもしれないが、微妙なものがあるような。

ドタコメながら格調が高いのは「ヒズ・ガール・フライデー」ですし、記者室の描写など、誇張で笑わせつつもなんだかシリアスな説得力があるのも認めます。
そして、だいたい私はグラントはかなり好きなほうなんだが!

なぜ、「思ったより、びみょー」と感じるんだろう???やっぱり期待しすぎた?

実は、コメディ監督としてのホークスはこれまであまり賞味してきたことがないのでした。「赤い河」「リオ・ブラボー」は確実に好きな映画なんだけど…
コメディにおけるホークス・タッチがつかめてないのか。

「フロント・ページ」を再見して確認してみたいなぁ。
それとも「赤ちゃん教育」とか、他の高評価ホークス・コメディを試すべきかなあ。

ただ、このオハナシを全く知らない人には、もう問題なくオススメです。スピーディなやりとりと、同じくスピーディでトンデモな話の展開には腹をかかえて笑わずにはおれないことでしょう。

コメント

nophoto
オショーネシー
2008年9月22日21:58

おや、意外と“フツー”でしたか。
反対に私にとっては「フロント・ページ」の方が微妙な作品だったりするんですよ。(ボースン様と同じく「ヒズ・ガール~」の方を最初に見ているからかもしれないですね)
ボースン様はハワード・ホークスの「男性映画」のほうがお気に入りのようですね。
彼の映画は「男性映画」と「コメディー」に限定してよいと思います。
「コメディー」のほうもなかなかのものですよ。
「赤ちゃん教育」はあまり好きではないんですが、ゲイリー・クーパとバーバラ・スタンウィックの「教授と美女」とか、マリリン・モンローが一番最高に可愛い「紳士は金髪がお好き」なんてどうでしょうか?
ケイリー・グラント好きなら、「僕は戦争花嫁」(女装姿を見せてくださいます)「モンキー・ビジネス」もありますね。

ボースン
2008年9月22日22:34

こんばんわ~!オショーネシーさま。
いや、面白いんですよー!面白いんですけどね。
ロールトップデスクのネタとか、二度めとなると笑いの衝撃が多少薄まってしまうのもあるかもしれません。それでも編集長と記者を男女の組み合わせにするのは天才的だと思いますし。ほんとこの映画のロザリンド・ラッセル格好いいですよね。

「紳士は金髪がお好き」も一応昔見てるんですが、モンローは「お熱いのが」の方が好きだったりしますから、やはりホークスとワイルダーではちょっと下世話なワイルダーの方が肌にあってるのかしらん。それでもそのうち「赤ちゃん教育」「モンキー・ビジネス」あたりはいつかチェックしようとちゃんと予定に入ってます(*^^*)
とにかくケイリー・グラントが出ている限り、そのコメディには一定のレベルが約束されているようなもんですからねえ。

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