サリヴァンの旅

2008年7月7日 映画
1941年プレストン・スタージェス監督作品。モノクロ。

喜劇を作らせては定評のある映画監督サリヴァン(ジョエル・マクリー)は、実は社会派の映画を作りたいと考えていた。大学出で苦労知らずのインテリのくせに、と反対された彼は、浮浪者の格好をして、貧困や社会悪を実体験する旅に出るのだが…

前半はどこまでもドタバタ・コメディ。まじめな考えからとはいえ、イマイチ「苦労知らず」な発想で動くサリヴァンの悪戦苦闘には苦笑するしかない。まあ、ジョエル・マクリーの朴訥な面構え(良い意味で頭良くなさそう)が、嫌味になりすぎるのを救ってるって感じ。だがそれだけに終盤のシリアス方向への急展開が効いてくる。言うなれば「貧困」にしっぺ返しを食らい、怪我でぼーっとしてる間に身元不明状態で刑務所にぶち込まれた彼は、いかにして脱出できるのか!なかなかハラハラさせられました。

映画作りについて、これほどの苦労?をした上で出した彼の結論を、人によってどう思うか知りませんが、私もやはり喜劇作家を珍重するなあ。うんうん。笑いを生みだす才能はやっぱ貴重ですよ、ええ。
…まあ、良作。ただし映画の結論どおりの理由で、私はP.スタージェスなら「レディ・イヴ」の方がずっと好きです(笑)

そして、ちょっとした縁からサリヴァンと旅をともにするヒロインのヴェロニカ・レイク。片目にかかるウェーブした金髪ワンレンヘアが特徴。それを帽子に隠して少年のような浮浪者変装も含めてなかなかキュートでした。
先日見た「少佐と少女」で、“近所の女学校の女の子たち”が片っ端からヴェロニカ・レイク・ヘアで片目を隠してたのが笑えましたが、当時は相当流行ったのでしょうか…。

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