駆逐艦ベッドフォード作戦
2008年5月31日 映画 コメント (9)
1965年、ジェームズ・B・ハリス監督作品。
冷戦の恐怖を描くミリタリー・サスペンス。
北欧からグリーンランド付近の海域を哨戒中の米駆逐艦ベッドフォード号は、領域侵犯中のソ連の潜水艦の航跡を察知する。ベッドフォード号のフィンランダー艦長(リチャード・ウィドマーク)は頑固なタカ派で、国防省の指令は「待機」であるにもかかわらず、強制浮上に追い込めないかと潜水艦の追跡に熱中する。冷厳な艦長の鉄の規律により、日々異様なまでの緊張感に満ちた艦内に、最近乗り組んだばかりの記者(シドニー・ポワチエ)や新任の軍医(マーティン・バルサム)は危惧を抱くが…
ドキュメンタリー・タッチの地味なモノクロ映画。ソ連の潜水艦と乗組員については、全くといってよい程描かれない。次第に高まりゆく緊張は、米軍艦内だけのものだ。ショッキングなラスト・シーンに至るまで、「未知への飛行」などと同様、この映画は反戦・反冷戦を訴える社会派のサスペンスといえるだろう。
ちなみに、一見有能だが些か偏執狂的なこの艦長役を演じるにあたり、ウィドマークは当時のアメリカ右翼の代表格バリー・ゴールドウォーター上院議員をイメージモデルにしたという。上院議員の写真をぐぐって見ると、なるほど…ブリーフィングの時使ってた眼鏡が同じ型だ…(それだけじゃないんだろうけど)。
更に、この作品は、ウィドマーク自身の製作。サミュエル・フラーが「真のリベラル」と呼んだ彼ならでは?(「映画は戦場だ!」より)
それだけに相当気合いの入った演技を見せてくれます。くれるけど、…まあ本音をいいますと、「悪役」でないほうがミーハーなファンとしては嬉しいのですがね(^^;)
でも一度は見ておこうか、とネットレンタルしました。
今となっては時代を感じさせられるテーマでもありますが(冷戦も遠くなりにけり)、公開当時に見たら相当な衝撃だったことでしょう。
なんという怖いラスト…しかし、ウィドマーク艦長の怖さがまたハンパじゃなくてそっちの方がキツいくらいでした(汗)
あと、端役ですが、医務室で塵芥分析(水中のゴミを分析して、ソ連潜水艦がいつ頃捨てた残飯かを調べてる…そこまでするのか…)をやってたスタッフの中にドナルド・サザーランドがいたみたい。あれ?と思ってキャストを確認したら…びっくり。
冷戦の恐怖を描くミリタリー・サスペンス。
北欧からグリーンランド付近の海域を哨戒中の米駆逐艦ベッドフォード号は、領域侵犯中のソ連の潜水艦の航跡を察知する。ベッドフォード号のフィンランダー艦長(リチャード・ウィドマーク)は頑固なタカ派で、国防省の指令は「待機」であるにもかかわらず、強制浮上に追い込めないかと潜水艦の追跡に熱中する。冷厳な艦長の鉄の規律により、日々異様なまでの緊張感に満ちた艦内に、最近乗り組んだばかりの記者(シドニー・ポワチエ)や新任の軍医(マーティン・バルサム)は危惧を抱くが…
ドキュメンタリー・タッチの地味なモノクロ映画。ソ連の潜水艦と乗組員については、全くといってよい程描かれない。次第に高まりゆく緊張は、米軍艦内だけのものだ。ショッキングなラスト・シーンに至るまで、「未知への飛行」などと同様、この映画は反戦・反冷戦を訴える社会派のサスペンスといえるだろう。
ちなみに、一見有能だが些か偏執狂的なこの艦長役を演じるにあたり、ウィドマークは当時のアメリカ右翼の代表格バリー・ゴールドウォーター上院議員をイメージモデルにしたという。上院議員の写真をぐぐって見ると、なるほど…ブリーフィングの時使ってた眼鏡が同じ型だ…(それだけじゃないんだろうけど)。
更に、この作品は、ウィドマーク自身の製作。サミュエル・フラーが「真のリベラル」と呼んだ彼ならでは?(「映画は戦場だ!」より)
それだけに相当気合いの入った演技を見せてくれます。くれるけど、…まあ本音をいいますと、「悪役」でないほうがミーハーなファンとしては嬉しいのですがね(^^;)
でも一度は見ておこうか、とネットレンタルしました。
今となっては時代を感じさせられるテーマでもありますが(冷戦も遠くなりにけり)、公開当時に見たら相当な衝撃だったことでしょう。
なんという怖いラスト…しかし、ウィドマーク艦長の怖さがまたハンパじゃなくてそっちの方がキツいくらいでした(汗)
あと、端役ですが、医務室で塵芥分析(水中のゴミを分析して、ソ連潜水艦がいつ頃捨てた残飯かを調べてる…そこまでするのか…)をやってたスタッフの中にドナルド・サザーランドがいたみたい。あれ?と思ってキャストを確認したら…びっくり。
コメント
ウイドマーク、もっとオーバーでも良いが好演、又観たい。(エラー再送に付き前送信あれば削除願います、恐縮)
ウィドマークの演技は、最初は独裁的ながらも有能と感じさせるので(実際、そうだからこそ部下も激務強いられてもある程度は付いてくるのかも)、説得力があります。ケイン号のクイーグ艦長なんかじゃ、逆にこんな事態に至りませんもんね。しかしホントにヤな艦長っぷりでした〜(泣)
私はマーティン・バルサム同様気の弱いタイプなので、上司があの何分の一かでもキツかったら泣いちゃいますよ〜(^^;)
あと、奇人変人艦長シリーズには、「ミスタア・ロバーツ」のヤシの木艦長(J・キャグニー)も追加したいと思います♪実害は比較的少ないけど。
なんといっても終盤の展開と衝撃のラストに至る数分間は思わず、息を呑む怖さでしたね。しかし、何度かリピートして見てしまうほど、ここでのウィドマーク様の演技もすばらしかった。
たしかに、傲慢で独断に満ちた困った艦長なのですが、敵を追い回してるときの嬉しそうな様子は、ある意味、かわいい(?)感じもしました。
ですが、計算が狂ってからの彼の焦燥と取り返しの付かなくなった事態に直面したときの表情・・・・見ごたえありましたねえ・・・・
それにしても、ラストの映像、ホント、久しぶりに衝撃が走るコワさでした。
(ポータブルDVDプレイヤーって、旅に持っていくと、その便利さがうれしかったです(^^♪)
名前が途中のまま、送信されてしまいました、失礼しました^^;
この映画でのウィドマーク様の演技、背筋が凍るほど見事ですよね。バカだからではなく、己の有能さに淫したがゆえの破滅。ちょっとないパターンだし、気合いを感じます。
態度を改めて仕切りなおして真面目に見ました。
自分の部屋でくつろいでるシーンが出てきて、こりゃ王様だよね。(この時のお顔がなかなかハンサムでした。)でも、王様は孤独なんだろうな。だから、副艦長に「暴走したら、止めて」とか頼んだり、元独軍の顧問にアドバイスを求めたりしちゃううんでしょうね。
ウィドマークは「敵が発射しない限り、こちらから発射しない」というポリシーはあって、かなり冷静なんですよね。根詰めて働いているクルーの背中をポンとたたいてその労を労ったりもしてます。
若いクルーをいびるのも、もっとねちねちやるかと期待?していたら、そうでもなく・・大声で怒鳴ったり、胸をつかんだりするわけでもない・・・でも、労ってもらおうが何をしてもらおうが、存在そのものが怖いわけでして。いや、本当におっかない顔で・・・あのくつろいでいる時の眼鏡をかけた顔との落差がありすぎて、途中で見るのを放棄したくなりました。終始おっかない顔じゃないから余計に怖い。何かきっかけがあれば、マッド軍人になちゃうってことですから。
ウィドマークはソ連を脅威に感じているけど、クルーはソ連じゃなくて彼を脅威に感じているって・・・・何とも皮肉な。
とんでもない結果を招いたことへのうろたえぶりや悔恨の表情が素晴らしかったですね。
こんな役をやったら、やっぱり、オスカーはもらえないでしょ。
冷戦は終わりましたが、核兵器を持っている国、「発射するぞ」と言っている国はありますから、今日的なテーマでした。見ていて疲れました。
しかし半世紀たってもその危機はすぐ「隣」ですね。
たまたま現実になってないだけですからね。。。
いつか観なおそうと思ってDVDは持っているのですが、観なくちゃ(’_’)
艦長が怖すぎて、再見する気にはイマイチなれないのですが(笑)
ボースン様がおっしゃるように、再見するには勇気と気力が必要です。この映画を作ったウィドマークより、最後まで見た私を褒めてあげたい。
ところで、ウィドマークの日本でのDVDって結構、重いものが多くないですか?
「ニュールンベルグ」「復讐鬼」「街の野獣」とか、・・・・ま、「長い船団」もありますが・・・
「太陽に向かって走れ」「あの高地を取れ」とか、通快な作品がDVDになってほしいです。