ロバータ

2008年1月22日 映画
「フレッド・アステア自伝」も読み終わったしと、正月に録った「ロバータ」(1935年)を見る。初見♪

アステアの役は例によって歌って踊ってのバンドマン。ピアノも披露してくれる(それも曲弾き気味なのがカッコイイ♪)。仕事を探しにパリに来て、元貴族とのふれこみで舞台に立つジンジャー・ロジャースとコンビを組む。その友人ランドルフ・スコットは、朴訥なスポーツマンなのに伯母の一流服飾店「ロバータ」を引き受けることになり、伯母の第一助手だったアイリーン・ダンとロマンスが…と、二組の恋愛が進行する。
ま、ストーリーはどうってことないけど、それはお約束。
ちなみにジンジャーのはただの「ハッタリ」だけど、ホンモノのロシアのプリンスやプリンセスもちゃんといる。しかも勤労青年貴族である(でもロシア料理店へ行ったら、帝政ロシア国歌を演奏してもらえたりはする)。
「ニノチカ」でも思ったけど、戦前のパリって、亡命貴族なんか掃いて捨てるほどいるっての、もはや常識だったんですかねえ…

しかしアイリーン・ダンて、こんなに歌えたのかー。知らなかった〜。
「煙が目にしみる」は泣かせます。

ダンスは勿論だけど、ハッタリで貴族を名乗ってるけど、実は昔はアステアの隣に住んでたというジンジャーの明るいチャッカリ娘ぶりも魅力的!

ラントルフ・スコットは、もちろん歌も踊りもなし。絵に描いたような朴訥系二枚目で、元恋人が出てきてロマンスが一時迷走して友人諸氏何とかしようと走り回ってという、物語を進める狂言回しというか狂言回されというか…。ま、イヤミがないのが取り柄だ。
露出的なデザインは嫌、という性格が笑えます(似合ってるし)。

そしていい意味で十年一日というか、三十代のこの頃からまったく変わらず優雅で完璧なアステアの踊りだ〜。煙が…での踊りと、バンド・ワゴンの「ダンシング・イン・ザ・ダーク」の踊りの本質に差がないのが凄いよねー。十年一昔じゃないのよ、念のため。
終盤の“ミュージカル・ファッションショー”の、友人の穴を懸命に埋めて、ドレス紹介をとうとうと、歌うが如く語るアステアのMCぶりにもウットリです。

ファッション界が舞台で、ある意味では「パリの恋人」を連想させるところのある作品ですね。
今となっては、30年代のモードはあまりピンと来ない部分があるけれど(笑)
(50年代の先端ファッションをピンと来させてしまうオードリー・ヘプバーンの凄さも凄いのでしょうが)

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