艦長ホレーショ・ホーンブロワー!
だいぶ以前に、TV放映でみて以来だ。
TVだから多少カットもあった筈。これでやっとノーカット鑑賞できるゾ。

ホーンブロワー役にはグレゴリー・ペック。
長身黒髪、男性的だが甘いマスク。誠実そうだがとぼけたユーモアも発揮可能。やっぱり、ハリウッドスターから選ぶならこの人しかいない!いやぁやっぱり華があるなあ。

ただ、今回DVDできちんと見て、ひとつだけ気になった。
艦内で猫背になるのはノッポのホーンブロワーとしては当然だが、陸上や甲板に出た時の姿勢がいまひとつだぞ?
軍人、特に英国の軍人となると、「背筋が命」ぢゃないのか!?
まぁ、バストショットなら全く問題ないのだが(惜しい…)。

他にも、艦内にはびみょーにアメリカナイズされた雰囲気がなくもないが、「戦艦バウンティ号の反乱」の時のように酷くはない。
副長ブッシュ(ロバート・ビーティ)や水兵ブラウンならぬクィスト(ジェームス・R・ジャスティス)あたりのキャストが英国ぽさを強調している。
あまり他の作品を知らないのだが、このブッシュの「艦長に夢中」ぽさはいい感じ♪
制服も、日によってホーンブロワーは一張羅と普段着を使い分けてる。モールの輝く一張羅以外は肘にしっかりツギが当たってたりして、基本は抑えてる。…やっぱり貧乏。
有名な「アー、ハン」は、三倍ぐらい大げさな感じだが、戦闘戦略以外だと不器用な態度をみせがちなホーンブロワーの特性は、いい感じでペックが出せてると思いますよ。
とにかく目に楽しいキャスティング。

レディ・バーバラはヴァージニア・メイヨ。そんなにお高い感じの美女じゃなくて、微妙かな〜と思ってたが、実は横顔のほうがグッと端正で綺麗だと今回気がついた。
…まあ誰でもいいとかいっちゃ駄目かな(笑)

話は「パナマの死闘」から「勇者の帰還」まで、原作の最初の一番おいしいところをてんこもり。
ナディビダッド号への奇襲、正面決戦、そしてフランス基地への決死の突入と、戦闘シーンは盛りだくさんで楽しい。護送馬車からの脱走も原作通りだが、ブッシュの傷が原作より軽いので、マリーの館を省略したまま一気にウィッチ・オブ・エンダー号奪還&帰国とエンディングまでなだれこみ。とーっても調子がいい。
まあ私はマリーさんのファンでもなんでもないので気にしない(笑)

「マスター・アンド・コマンダー」あたりのリアリティ溢れる渋〜い映像美学と比べるのはもってのほか。半世紀の昔、目にも鮮やかなテクニカラー全盛の時代なのだ。
「講談」として楽しみましょう。

あと、音楽、特に可もなく不可もなく感じたが、とっぱなの金管のうなりには、何だかTV版「スター・トレック」のオープニング曲を連想させられた。まあ、宇宙時代のホーンブロワーなんだが…

そんな中で、楽しさを一番阻害してくれるのは、実は字幕だったりする。
字幕がほしくて高い日本版を買ったのだが、開巻そうそう「見せしめのムチ打ちだー!」とか、かなり脱力した。後衛の提督(リア・アドミラル)てのも、うぅ…
艦長というべき所が気を抜くとすぐ船長になるし…(涙)
高橋先生にで良いから監修してもらってほしかった…

英語字幕があれば一番だと思うんだけど、…海外版を買う気があれば。
やっぱり、しょせんはジュネス企画…か(爆)
帆船小説マニアは、字幕を消して観るほうがよいかも。
みおわったあと、しばらくツラツラと字幕消して観てたら、やはり楽しかったです。

DVD ジュネス企画 2007/10/25 ¥5,040

(追記)
ペックの姿勢について愚痴を書きましたが、その後、彼はデビュー前に既に脊椎を痛めていたらしいという話を聞きまして。となると姿勢がイマイチなのは、演技力のせいとも限らないのか。でも残念です。

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