某所でワンコイン廉価版注文したら品切れと言われ、反射的にFOX正規版買ってしまった(オークションで割安、1000円台にはなったが)。FOX版はかなりフィルムの修復してるようだから、結果的にはこれでよかったのかも。1952年作。
マリリン・モンローの初主演てことでそれなりの知名度のサスペンス映画。兼アン・バンクロフトのデビュー作。私の目当てはどっちでもないが…
NYのホテルを舞台に、恋人に愛想づかしされかけた男(リチャード・ウィドマーク)が、鬱憤晴らしに向かいの部屋の美女(モンロー)に声を掛けたらば…というオハナシ。
彼女は嬉々として彼を部屋に招き入れるが、実は恋人を亡くして精神不安定。ホテルの客ですらなくてベビーシッター…まあそれはいいのだが(いや良くないか。次第に子供を邪魔者扱いし出すし…)、何気なく関わった彼にとっては、あれよあれよのうちに事態はどんどんヘンな方向に。
え?この女おかしいんじゃ?と思っても、やっぱり恋人(バンクロフト)の仕事が終わる時間には駆けつけて仲直りしたいと思っても、なかなか脱出がかなわない。
モンローは子供っぽいアブナさと哀れさをにじませて役には合ってると思う。あと少し、たまにでもシャープな所があればいいんだけどねぇ、一本調子になるから。
まぁそこは、今回あくまで「受け」の芝居なウィドマークを始め、脇役陣がしっかりしてるので、地味な展開ながら破綻なくサスペンスが続き、一気に見れましたが。舞台劇みたいなノリ。話も短いからね(77分)。
モンローの“過去”を知るエレベータボーイの叔父さん(エリシャ・クック・Jr)とか、何かあるとすぐ騒ぐ野次馬根性旺盛な奥様とか、普段は無言のそのダンナとか、バーテンとかホテル専属女性カメラマンとか、いい子だけど普通に我儘も言う小さな女の子とか、皆いかにもな存在感。
開巻早々の、さっきまでバーテンと喋っていたバンクロフトがクルリと振り向いた途端にスポットが当たり、ホテルのバー付き歌手とわかるあたりなんかスマートです。
50年代の、オシャレなホテルの様子が印象的♪(エレベータ手動だよ!)
とはいえ最終的には、モンローの狂気もそんなに大惨事を引き起こすことにはならず、やっぱりちょっと物足りなさが。
そして折角のウィドマーク、極悪激烈ワルから頼もしいヒーローまで、的確な演技で「何でもできる」人だと思うんですが、今回徹底的にニュートラル。「フツーの男」に徹しているので、手堅いんだけどなんか勿体無い気もするしねぇ(ミーハーな私…)。
最初はどの程度善人か否か不明な描かれ方。
結構女慣れはしてそうだが…。エレベータでのエピソード見ると機転はききそう。時にシニカルな物言いをすることがあるらしいのは、個人的にはむしろ好みだ(オイ)
しかしだいたい、気の毒ですよ、この「フツーの男」。
登場時から、一方的な「別れの手紙」を受け取ってるためちょっとイラついてる。
結婚とか永続的な事はまだ何も考えてなかったようだけど、別に恋人の歌手を殴ったとか二股かけたとか明確な問題おこしたわけでもないみたい。それまで気があって逢うたび楽しくやってた彼女なのに「あなたって冷たい所がある、人を上っ面で批判したり、人間的に何かが欠けているみたい、先が心配だし別れたい」って、イキナリ言う?
ついついウィドマーク側にヒイキしがちな私だけど、ここらは何でそこまでエスカレートしたのかもう少しシナリオに書いといてほしかったなー。
恋人に別れ話切り出されてる最中に売り込みにまとわりつかれたら、誰でも冷たく当たると思うけど(^^;)
それとも気の毒な境遇だからこそ、モンローにコナかけても同情の余地ありって計算?
なので、ベビーシッター事件に巻き込まれた彼の様子を見て、「別に心底冷たいわけでもなく(多少口が悪いとしても)、根はちゃんと他人に共感したり同情したりもできる普通の人間だ」とようやく納得し「やっぱり仲直りしよう」となるバンクロフトを見ると、「うーん、そういうアンタこそ上っ面で批判してたんでないかい」と、つい苦笑してしまう。
映画中でもぼやいてたけど、本当に女には振り回されまくり、この主人公(^^;)
あと、なんか微妙にウィドマークの顔つきがいつもと違う感じ。モノクロ映画だけど、金髪が普段より黒っぽく感じるし、メークが違うのかね。はて?
普通のヒーローは大概ダークヘアなのに、逆をついて明るい金髪な所がいいんだけどな彼…(tall,dark,and handsome というそうです、欧米では)。
実際、男で金髪のスター=ヒーローって少ないよね(昔は少なかった。今は…?)。
少女マンガだと、金髪美青年って、定番だけど。
マリリン・モンローの初主演てことでそれなりの知名度のサスペンス映画。兼アン・バンクロフトのデビュー作。私の目当てはどっちでもないが…
NYのホテルを舞台に、恋人に愛想づかしされかけた男(リチャード・ウィドマーク)が、鬱憤晴らしに向かいの部屋の美女(モンロー)に声を掛けたらば…というオハナシ。
彼女は嬉々として彼を部屋に招き入れるが、実は恋人を亡くして精神不安定。ホテルの客ですらなくてベビーシッター…まあそれはいいのだが(いや良くないか。次第に子供を邪魔者扱いし出すし…)、何気なく関わった彼にとっては、あれよあれよのうちに事態はどんどんヘンな方向に。
え?この女おかしいんじゃ?と思っても、やっぱり恋人(バンクロフト)の仕事が終わる時間には駆けつけて仲直りしたいと思っても、なかなか脱出がかなわない。
モンローは子供っぽいアブナさと哀れさをにじませて役には合ってると思う。あと少し、たまにでもシャープな所があればいいんだけどねぇ、一本調子になるから。
まぁそこは、今回あくまで「受け」の芝居なウィドマークを始め、脇役陣がしっかりしてるので、地味な展開ながら破綻なくサスペンスが続き、一気に見れましたが。舞台劇みたいなノリ。話も短いからね(77分)。
モンローの“過去”を知るエレベータボーイの叔父さん(エリシャ・クック・Jr)とか、何かあるとすぐ騒ぐ野次馬根性旺盛な奥様とか、普段は無言のそのダンナとか、バーテンとかホテル専属女性カメラマンとか、いい子だけど普通に我儘も言う小さな女の子とか、皆いかにもな存在感。
開巻早々の、さっきまでバーテンと喋っていたバンクロフトがクルリと振り向いた途端にスポットが当たり、ホテルのバー付き歌手とわかるあたりなんかスマートです。
50年代の、オシャレなホテルの様子が印象的♪(エレベータ手動だよ!)
とはいえ最終的には、モンローの狂気もそんなに大惨事を引き起こすことにはならず、やっぱりちょっと物足りなさが。
そして折角のウィドマーク、極悪激烈ワルから頼もしいヒーローまで、的確な演技で「何でもできる」人だと思うんですが、今回徹底的にニュートラル。「フツーの男」に徹しているので、手堅いんだけどなんか勿体無い気もするしねぇ(ミーハーな私…)。
最初はどの程度善人か否か不明な描かれ方。
結構女慣れはしてそうだが…。エレベータでのエピソード見ると機転はききそう。時にシニカルな物言いをすることがあるらしいのは、個人的にはむしろ好みだ(オイ)
しかしだいたい、気の毒ですよ、この「フツーの男」。
登場時から、一方的な「別れの手紙」を受け取ってるためちょっとイラついてる。
結婚とか永続的な事はまだ何も考えてなかったようだけど、別に恋人の歌手を殴ったとか二股かけたとか明確な問題おこしたわけでもないみたい。それまで気があって逢うたび楽しくやってた彼女なのに「あなたって冷たい所がある、人を上っ面で批判したり、人間的に何かが欠けているみたい、先が心配だし別れたい」って、イキナリ言う?
ついついウィドマーク側にヒイキしがちな私だけど、ここらは何でそこまでエスカレートしたのかもう少しシナリオに書いといてほしかったなー。
恋人に別れ話切り出されてる最中に売り込みにまとわりつかれたら、誰でも冷たく当たると思うけど(^^;)
それとも気の毒な境遇だからこそ、モンローにコナかけても同情の余地ありって計算?
なので、ベビーシッター事件に巻き込まれた彼の様子を見て、「別に心底冷たいわけでもなく(多少口が悪いとしても)、根はちゃんと他人に共感したり同情したりもできる普通の人間だ」とようやく納得し「やっぱり仲直りしよう」となるバンクロフトを見ると、「うーん、そういうアンタこそ上っ面で批判してたんでないかい」と、つい苦笑してしまう。
映画中でもぼやいてたけど、本当に女には振り回されまくり、この主人公(^^;)
あと、なんか微妙にウィドマークの顔つきがいつもと違う感じ。モノクロ映画だけど、金髪が普段より黒っぽく感じるし、メークが違うのかね。はて?
普通のヒーローは大概ダークヘアなのに、逆をついて明るい金髪な所がいいんだけどな彼…(tall,dark,and handsome というそうです、欧米では)。
実際、男で金髪のスター=ヒーローって少ないよね(昔は少なかった。今は…?)。
少女マンガだと、金髪美青年って、定番だけど。
コメント
そしてウィドマーク、前半のイライラはかなりなモノでしたね。振られかけてるムシャクシャでマリリンにちょっかいを出す展開なのですが、恋人が「あなたは冷たい」という論拠がちょっと曖昧で(別れ話切り出されてるまっ最中にうるさく寄ってくる売り子=写真係に優しくできる人がいたら、聖人ですよね)、アンが…というか、前半のシナリオがちょっと性急に感じました。
そりゃ、「振らなきゃ話が進まない」のはわかるけど(^^;)
個性で勝負!タイプのマリリン以外は手堅い演技者を揃えてるんだから、惜しかったな…って感じです。
別の用事で入ったDIY店でワンコインDVDを見てしまったので買っちゃいました(ジーン・ケリーの『三銃士』も)。
ン10年前にテレビで観た時には結構面白いと思いましたが見直すとおっしゃるように「物足りない」印象です。
モンローの演技は、後年の『バス停留所』の名演の原型のような気がしました。
ウィドマークの髪の色は、わたしも?と思いながら観ていました。シーンによって濃さが異なりますね。
監督はイギリス人のロイ・ウォード・ベイカー(この映画のクレジットではROY BAKER)。
ジェームズ・キャメロンがパクった(らしい)『SOSタイタニック』という秀作があり、これもテレビで、確かノーカットで観ていますが良くできた映画でした。
晩年はハマー・フィルムで安っぽいホラー作品しか作っていないのが誠に残念。