京流(吉岡流)の達人・吉岡清三郎。
腕を売るのではなく「貸す」商売、つまり、一日貸すごとに「利息」を取る方式の素浪人。微妙にこだわってるなー。
いつも不機嫌、無頼で強くて、「二」という数字とお人よしが大嫌い。…の割に、たまにウッカリ情に流されてるぽい時もあって…。
そして実は、こんなにも強い清三郎が身すぎ世すぎにこんな商売を選ばざるを得ないのは、彼の生まれる前にとうに死んでる超有名な某剣客(二刀流)が、一門のイメージをはなはだしく汚してくれたからなのであった…(^^;)

キャラクター設定が結構面白い。
いかにも悪ぶった主人公の心肝を冷やす(笑)ちょー暗い下女(根は美少女なのに)のキャラも楽しい。あのダメダメ料理はわざとやってるのかしら。それとも、京料理で育った主人公に、江戸前な味付けが合わないってだけかしら。気になる〜!
意外と料理の味付けでよく怒ってるんだよね主人公(笑)
しかし、風呂吹き大根に味付けしちゃダメだよね!ほんとに!

続きも出そうな気配が嬉しい。
ただ一箇所だけ。時代小説に「悪ガキ」はないと思うよ。あそこだけはちょっと引っ掛かった。

ISBN:4062141795 単行本 犬飼 六岐 講談社 2007/08 ¥1,890

コメント

nophoto
だぶるえんだー
2007年9月3日21:33

なかなかおもしろそうですね。時代小説も好きなんですが最近はあまり・・・・そうだ、「武芸十八般」というアンソロジーがよかったですよ。江戸時代の京都を舞台にした爽やか人情譚と、比国を舞台にした冒険物語が特に楽しめました。あと、鉄砲足軽たちの苦闘をリアルに描いたお話もなかなか。

ボースン
ボースン
2007年9月3日22:05

私も時代小説は久々ですが(嫌いじゃないけど)、結構おもしろいんですよ〜!
「峰打ちなんか、すぐ刀が壊れるから使わない」と言ってのけ、バシバシ人を斬りまくる、相当ぶっとんだ主人公です。人情時代劇とは一味違う血の気の多い乱暴さ。
そのくせ何となくユーモアが漂う語り口がナイスでした。
最近は文庫の時代劇もえらく流行しているようですが、ああいうのは人情派が主流なのでしょうかねえ。

お気に入り日記の更新

日記内を検索