西部開拓史 特別版 五分の一。
2007年6月2日 映画 コメント (11)
先日買った「西部開拓史」。
全部見ると179分。
とてもじゃないのだが、オムニバス映画なので、とりあえず今日は第一話だけ見る♪
豪華キャストのシネラマ超大作だが、公開年度は1963年。
実はこのころ、娯楽の帝王としての映画の地位は、TVの登場によってすっかり揺らいでいたのであった。てんで映画界は、打開策としてひたすら「超大作」ばかりを追い求めていたのである。そのへんは特典の「メイキング」で色々と解説してくれてこれは映画史理解には丁度よろしい。
また、西部劇というジャンル自体も、そろそろ斜陽の時代に入りかけていた。「原住民を蹴散らして新天地を獲得〜☆」なんて、70年代には正面きって言えっこない。まあそれでも、開拓民の一家四代の年代記というのは、きちんと作れば歴史的感興(ぐっと白人寄りでも)を味わえる。
第一話は、夢を抱いて西への危険な道をたどる開拓民(カール・マルデン)一家の旅。
一家には綺麗なお嬢さんが二人。恋に憧れるロマンチストな長女のイーブ(キャロル・ベイカー)と、元気でちゃっかりして歌のうまい次女リリス(デビー・レイノルズ。「雨に唄えば」のヒロインだもの)。
運河を船で、そしてやがては手作りの筏で川を下りつつ西部をめざす一家が出会うのは、風のように自由な猟師ライナス(ジェイムズ・スチュワート)。1年の大半を大自然のなかでひとり狩りを続け、毛皮を売る時だけ街に戻ってどんちゃん騒ぎ、の、自称「農夫にも夫にも向かない男」。もともと二枚目というにはやや癖のあるスターだが、もうそこそこトシな大物なのに、ひたすら飄々とした猟師のたたずまいには説得力がある(普段以上に飄々演技だ)。新大陸も、うろついてる人間がこーゆーのばかりのうちはインディアンも困らなかっんだろうがな…
イーブの微笑ましくも猛烈なアタックにたじたじの彼は、逃げ腰になりつつもやがて、彼女の内に秘められた強さにうたれて、彼女の愛を受け止めるのだった。
と、川の盗賊のボスにウォルター・ブレナン。普通に一本映画作れるキャストではある(笑)川下りの迫力や開拓民群像もいい感じだ…。
…画面に縦線がなければもっといいんだけどね…
このころ色々連発された「大作化」手法のうち、シネラマってのは三台のカメラで撮った映像を湾曲したスクリーンにつなげて映すものであった。で、つなぎ目が二本、ちらちら見える。くすん…
さて続きはいつ見よう。月曜には第二話見れるかな。
DVD ワーナー・ホーム・ビデオ 2007/05/11 ¥980
全部見ると179分。
とてもじゃないのだが、オムニバス映画なので、とりあえず今日は第一話だけ見る♪
豪華キャストのシネラマ超大作だが、公開年度は1963年。
実はこのころ、娯楽の帝王としての映画の地位は、TVの登場によってすっかり揺らいでいたのであった。てんで映画界は、打開策としてひたすら「超大作」ばかりを追い求めていたのである。そのへんは特典の「メイキング」で色々と解説してくれてこれは映画史理解には丁度よろしい。
また、西部劇というジャンル自体も、そろそろ斜陽の時代に入りかけていた。「原住民を蹴散らして新天地を獲得〜☆」なんて、70年代には正面きって言えっこない。まあそれでも、開拓民の一家四代の年代記というのは、きちんと作れば歴史的感興(ぐっと白人寄りでも)を味わえる。
第一話は、夢を抱いて西への危険な道をたどる開拓民(カール・マルデン)一家の旅。
一家には綺麗なお嬢さんが二人。恋に憧れるロマンチストな長女のイーブ(キャロル・ベイカー)と、元気でちゃっかりして歌のうまい次女リリス(デビー・レイノルズ。「雨に唄えば」のヒロインだもの)。
運河を船で、そしてやがては手作りの筏で川を下りつつ西部をめざす一家が出会うのは、風のように自由な猟師ライナス(ジェイムズ・スチュワート)。1年の大半を大自然のなかでひとり狩りを続け、毛皮を売る時だけ街に戻ってどんちゃん騒ぎ、の、自称「農夫にも夫にも向かない男」。もともと二枚目というにはやや癖のあるスターだが、もうそこそこトシな大物なのに、ひたすら飄々とした猟師のたたずまいには説得力がある(普段以上に飄々演技だ)。新大陸も、うろついてる人間がこーゆーのばかりのうちはインディアンも困らなかっんだろうがな…
イーブの微笑ましくも猛烈なアタックにたじたじの彼は、逃げ腰になりつつもやがて、彼女の内に秘められた強さにうたれて、彼女の愛を受け止めるのだった。
と、川の盗賊のボスにウォルター・ブレナン。普通に一本映画作れるキャストではある(笑)川下りの迫力や開拓民群像もいい感じだ…。
…画面に縦線がなければもっといいんだけどね…
このころ色々連発された「大作化」手法のうち、シネラマってのは三台のカメラで撮った映像を湾曲したスクリーンにつなげて映すものであった。で、つなぎ目が二本、ちらちら見える。くすん…
さて続きはいつ見よう。月曜には第二話見れるかな。
DVD ワーナー・ホーム・ビデオ 2007/05/11 ¥980
コメント
フィルム代、現像代もろもろ通常の映画の3倍の費用がかかる訳だから当時はすげーって思いましたよ。それともう一つ凄いのは3台の撮影機、映写機がそれぞれの場合、寸分異なる事なくモーターが同じように回転しないと、どれかひとつが速かったり遅かったりでは映像にならないからそのシンクロ技術たるやかなりのものではなかったかといまさらながら感心します。現代の技術ならおちゃのこさいさいでしょうが。やっぱり戦勝国って凄いですね。関係ない?。ジョークでした。
「これがシネラマだ」、「シネラマ ホリデー」からスタートしいよいよ劇映画かよー、それも西部劇かよー。少年の心は高まるばかり。ウイドマークもデビー・レイノルズもジェームス・スチューアートも出るんじゃ学校休んでも観なきゃーって。(休みませんでしたよ、念の為)
さあいよいよ開始だ。劇場の照明が徐々に徐々にもう一つ徐々に暗くなって行く。もうドキドキだ。
でもカーテンが上がらないじゃないか。どうなってんだー。
なんーんだ、序曲か。
この序曲が半端じゃない。一生忘れない大音響と素晴らしい曲じゃないかー。この序曲だけで充分に商品価値あるじゃないのー。
時計を計った訳ではない。3分もあろうか。いや2分か。この曲だけで感動してしまった。
以上が17歳の少年頃の懐かしい思い出です。オソマツ、失敬。
「西部開拓史」を観たのは前から4列目の中央。従ってスクリーンを見上げる感じで、30度はあろうか。前過ぎた。
画面の幅は計った訳ではないが30メートルはあろうか。更に湾曲している大スクリーンゆえ、レイノルズ妹さんが右で喋れば私は右を見なければいけない。ベーカー姉さんが左で話せば私も左を見なければ駄目だ。この感覚です。しかし、自分もその世界に入っているような、「話せない・演技しない」開拓者の一人って感じなのです。
ウソかホントか、アメリカで復元の話があると言う。ホントなら借金してでも観に行きますよ。でもHOW THE WEST WASでないなら行かない。
このDVD特別版に収録された特典映像の中には、アメリカで「故人の趣味で」シネラマ上映をしている映画館が登場していましたよ。当然西部開拓史。ウソじゃないホントでしたよ。
そして、キャスティングと音楽ともに凄いのは同感です。序曲(レコードジャケット見たら四分少々でした)もメイン・テーマも好きです。iPodに入れたのでたまに歩きながら聞いてます。「大いなる西部」もですが、雄大な西部劇音楽を公園など屋外の自然の中で聴くと、何ともいえない感慨がありますね。レコード買い集めてた頃は、これを屋外で聞けるなんて想像もしていなかったから、それでかな。
すいませんシネラマ上映主さん!たぶん、まだお元気…だと思います…(爆)
iPodに限らず、今や小さなMP3プレーヤーが花盛りですね。私はウォークマンすら買ったことがなかったのですが…(^^;)
CD何枚分もの曲(上位機種なら何十枚もいけそう)を一度に放り込んでおけるところが、面倒くさがりの私には嬉しいです。←非音楽的な感想でこちらもスイマセン。
来年は更なるクラシック映画のDVD化と、DCPさまのご健勝を祈りつつ…よいお年を。
(西部開拓史50thアニバーサリー・プレミアム・ロードショーなんて)