あああああ。
終わってしまいました(涙)
三巻だけちょっと太かったけど、もっと読んでいたかったのに…

高校から陸上を始めた新二も、いよいよ三年。
最上級生としていやさ部長として、周りを引っ張る立場に。
そして実力のほうも、ひたむきに重ねてきた練習にいよいよ経験と知識の裏打ちが伴い始めた。あんなに遠かった連や仙波の背中が、少しずつ、少しずつ、近づいてくる。

そして、四継(一人100m)とマイル(一人400m)という、二種のリレー。
個人中心といっても、選手層がそう厚くない学校ゆえ、団体競技にも出る。チームならではの大変さとやりがいと喜び…やっぱ泣かせますようん。

やはり最近の傑作駅伝小説「風が強く吹いている」は、スポーツ小説だけど実は成長小説としての側面は意外と強くなかった(「今回だけの駅伝」と割り切っているメンバーが多いので…)。そこがまた独特の味でもあるが、対照的に「一瞬の風…」は、高校の部活三年間の中で、主人公が着実に成長していくのが、じわんとリアリティを持って迫ってくる。
良い先生に恵まれた高校の部活(みっちゃん先生、すっげー良いです!)って、いいもんだねえ。仲間もみんないいしねえ…

実はウチの長男も陸上部だった。走りじゃなく投擲だけど。
もう受験勉強に専念してないとイカンのに、時々「体調と精神を整えるため」とか言ってジャージで何十分も走ってきたりして。
そうすると異様にサワヤカな顔になってたりする…やれやれ。

正直私には本気のスポーツ部の経験はないので、イマイチ理解しきれないものがあったのだが、こんな部活だったらやりがいありすぎて勉強どころじゃないかも(オイ)。
そんな風に思えるのは収穫なんだかなんだか(笑)
とにかく、私的にも色々思うものがありました。
どっちにしろ、陸上にカンケイない人もすっかり引き込まれることうけあいの傑作です☆

ISBN:4062136813 単行本 佐藤 多佳子 講談社 ¥1,575

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