「海賊」にひかれて手にとってみました。
主役はなんと、水の上を歩ける(!)少年少女たち。
カリブ海に異界から流れ込んだ魔力の影響で生まれた“ミズスマシ”たちだ。…だが、OnePieceを連想するのは間違っている(笑)

読んでみると海賊モノというよりあくまでもファンタジーな様子。死霊を雇って作物の世話をさせる農園とか、貝を使った不思議な魔法とか、現実を下敷きにしていそうにみえてちょっと違う、ダークな味わいのカリブ海は、「鏡の中の迷宮」のヴェネツィアにも通じるものがある。

カイ・マイヤーは、ドイツのファンタジー作家にしては(笑)、理屈や哲学でなく感性でファンタジーを書く珍しい人です(偏見?)。エンデとかラルフ・イーザウとかっていかにもおかたいけど、マイヤーの奔放で華やかな想像力が私は結構好き。
あの“異世界の”ヴェネツィアの描写にはシビレたしねえ。三部作の最後までつきあうと、え?そうなの?完全なハッピーエンドじゃあないの?(汗)という、ちょっと微妙なエンディングが待っていましたが…
本作はどうだろ。最終巻が出るまではやっぱり心配だが…最後まで頑張れジョリー&ムンク!(笑)

ISBN:4751523716 単行本 カイ・マイヤー あすなろ書房 2005/12 ¥1,785

コメント

nophoto
ダブルエンダー
2006年2月21日22:19

そういえば、わたし先日「海賊モア船長の憂鬱」という小説読みました。今からだいたい300年前のインド洋を舞台にした冒険物語なんですが、久しぶりに胸が躍りましたよ。渦巻く陰謀手に汗握る海戦。人々の哀歓・・・・淡々とした語り口もかえって心地よく、一気に読んでしまいました。日本の作家もこういう話を書くのかと・・・・・

ボースン
ボースン
2006年2月22日18:35

お久です、ダブルエンダーさま!
そうですかモア船長いいですか…。
最近シリーズ新作が出たのは知ってたのですが未読で…よし今度ためしてみます♪

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