ちょっと微妙なデキだけど、興味深くは読めました。

五十冊出てついに最近完結した、「ズッコケ三人組」シリーズ。
ユーモア児童読み物の古典?だけど、子供時代には私は読んでない(年食いすぎてて)。近年二、三冊読んだだけ。
それでも最終巻はなかなかだったから…。
“全くいつもどおり”なノリでどたばたと“事件”にとりくんで、駆け回って、解決したころに卒業式当日。全然最後らしさなんかないまま来た三人だけど、…なんだけど、唐突にわーん(泣)、と。
ここのバランス感覚が妙に納得がいって、うむさすがはベテランと感心したものでした。

一方、今度の「中年…」は、なんと40になった三人組に、昔対決した怪盗Xからの挑戦状が、という話。みんな情けないくらいフツーのオッサンになっちゃってて、いや元々フツーの小学生でもあったんだけどさ。
まあこの情けなさは、必然ではあるんでしょうが、まあ厳しいですよネ人生って。

やはりコドモ時代の中心は「勢い」が売りのハチベエだけど、オトナ版はむしろ、学級崩壊に悩む冴えない中学教師(笑)のハカセがメイン。オトナとして動かすにはやっぱり、頭で動くハカセのほうが、読者の共感も呼びやすいわけだよね確かに(三人組の中唯一独身てのもよろしいし)。ハチベエは、コンビニの店長になってるけど、相変わらずあんま何も考えてないし、エロオヤジ度だけ上がって困ったもんだ(笑)
モーちゃんはかなり昔のまんま。要領悪そうなのもまんま(^^;)

事件そのものはあまりスッキリ解決しなかったけど、最終的な読後感は、あーハカセはやっぱりイイ奴だよな、いい感じに終わってよかったな〜てな感じでした(笑)
三十年たつと、あの時いちばんオトナっぽかったハカセが、逆に一番若々しく見えるのが可笑しいね。独り身のせいか…
著者はあとがきで、本気かギャグか、十年後に50才の「熟年三人組」を書くかもなんて吹いておりますが、熟年三人組もやっぱりハカセが主役なのではという予感…

ISBN:4591090876 単行本 那須 正幹 ポプラ社 2005/12 ¥1,050

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