吾輩はシャーロック・ホームズである
2006年1月6日 読書 コメント (4)
かの名探偵ホームズが、ライヘンバッハの滝に“消えて”以来、「私はホームズを見た!」とか「私が(!)ホームズだ!」と妄想してワトスン君の家押しかけてくる人が頻出したそうな。
なるほど納得の展開ではある。
…しかし今度のホームズ(自称)はひと味違う。
日本から来た優秀な国費留学生で、各種ストレスの余り妄想するようになっちゃったらしい…
本人は認めないが、彼の本名は“ナツメ”と言う(…オイ)。
ぶっとんだ設定のパスティーシュ。
お札にもなった大文豪がこれでいいのか?と思いきや、読み進むにつれ、それなりにワトスン博士を魅了してゆく“ナツメ”氏が楽しくも微笑ましい。
倫敦塔の怪事件を解決するのは、“ナツメ”氏かはたまた“留守中”のホームズか?
まだ半分ほどだが、なかなか先が楽しみである。
ISBN:409387624X 単行本 柳 広司 小学館 2005/11 ¥1,470
なるほど納得の展開ではある。
…しかし今度のホームズ(自称)はひと味違う。
日本から来た優秀な国費留学生で、各種ストレスの余り妄想するようになっちゃったらしい…
本人は認めないが、彼の本名は“ナツメ”と言う(…オイ)。
ぶっとんだ設定のパスティーシュ。
お札にもなった大文豪がこれでいいのか?と思いきや、読み進むにつれ、それなりにワトスン博士を魅了してゆく“ナツメ”氏が楽しくも微笑ましい。
倫敦塔の怪事件を解決するのは、“ナツメ”氏かはたまた“留守中”のホームズか?
まだ半分ほどだが、なかなか先が楽しみである。
ISBN:409387624X 単行本 柳 広司 小学館 2005/11 ¥1,470
コメント
お笑いで終わるのか?と前半はらはらしましたが、後半になってひねりが入り、なるほどな感じにまとまりました(何が言いたいんだか!推理ものって感想難しいですね・・・)。
そして『倫敦塔』がやっぱり読みたくなりました。
・・昔、薄緑の厚手の表紙のついた文庫サイズの岩波で読んだとき、なんで中学生があんなに感動したのか確認したく。
だって好きだったあたりが引用されてたんですv
懐かしいですね、ロンドン塔。
終わってみれば明治のインテリの憂鬱とあの時代のイギリスが融合して自分の中に残った、不思議な一冊でした。
かなりハメをはずしてるようでいて、ちゃんと踏みとどまっている敬意を感じましたよね。最後の方のトンデモ推理は苦笑するしかないですが、あっと叫んで…のあたりは、何か妙な既視感があって印象的でした。漱石の作品のどこかを本歌取りしてるのかな?それとも“あの時代”を感じさせられる書き方、ということかしら。
不思議だけどいっぷう変わった魅力のある本でしたね。
今読むと、中学生のときにわからなかったオジサン(といっても今の自分よりは若いのですが(^^;))のかわいらしさまで伝わってきてまたひと味違いました。
引用は全編に及びます。烏の話など塔にまつわる話は『倫敦塔』、そのものずばりの『自転車日記』の超訳風、『倫敦消息』からは犬のカーロー君とジャック君なども出てきていました(笑)