司書ミステリなんだけどー。
2005年10月12日 読書
「れんげ野原のまんなかで」を読む。
町のドはずれに立つ閑古鳥鳴きまくり図書館でおきるささやかな事件と謎解き。
職業柄(ご同業なので)、つい気になって手に取った。
都会のバカみたく混んでる図書館勤めな私にとっては、激ヒマ図書館ってなんか複雑な舞台設定ですが…
いけませんなあ、読みながら、謎や人間ドラマより、ついつい余分なことばかりが気になって(笑)
だからこの感想文は、一般に通用するものではないとは思います。
さて…。
主人公も謎解き役も司書で、結構司書レベルは高いなあ(私はなまけもののヘタレ司書なんで…)。んで、司書ならではの発想とか習性とかの描写は、大げさだと思うけどそれは許せる(「そんなもん、どこが貴重な骨董品?」とか、内心つっこんだりするけど…)。
私にとって致命的なのは、かんじんの図書館がなかなか具体的に見えてこないこと。
規模がまず、すぐにはわからない。
中央館が別にあって新設された分館なのは最初に書いてあるが、分館といっても大きさはいろいろだ。連作短編の二作目にやっと「小説が二万冊以上、それは蔵書の20%超」というくだりがあって、十万冊前後はあるかな、とわかる(ムム、中規模館だな。私のいるとこよりやや大きい?)。
一般の人には何万冊あればどのくらいの大きさの館かってのはピンと来ないだろうから数字はいいけど、最初の話では、かろうじて二階があるらしいとわかるのみだし、もうちょっと建物について書いてほしいなあ。
小説中にも、「どこへいっても図書館を見かけたら入ってみる」のが司書の習性のひとつと書いてあるが、司書でなくとも図書館好きには、どこかに図書館があると聞けば、「そこはどのくらいの規模蔵書が!?」というのがまっさきに気になることなのだ。
そして、最終話、図書館愛好家小学生の進くん。
愛好家なら、図書館の本と違う古い本渡されたら気づきそうだが…「あれっバーコード貼ってないよ」とか。そもそも「きちょうめんな人」が、自分の書きこみ(エンピツでしてるから消せる筈)を消さないまま図書館に本を返そうとするか?
著者、本は愛してても公共図書館への愛とか図書館愛好家への親近感はそれほどでもないのか…?
だから、図書館から離れた謎を解く四話目が一番素直に読めました(笑)
ISBN:448801710X 単行本 森谷 明子 東京創元社 2005/03/01 ¥1,575
町のドはずれに立つ閑古鳥鳴きまくり図書館でおきるささやかな事件と謎解き。
職業柄(ご同業なので)、つい気になって手に取った。
都会のバカみたく混んでる図書館勤めな私にとっては、激ヒマ図書館ってなんか複雑な舞台設定ですが…
いけませんなあ、読みながら、謎や人間ドラマより、ついつい余分なことばかりが気になって(笑)
だからこの感想文は、一般に通用するものではないとは思います。
さて…。
主人公も謎解き役も司書で、結構司書レベルは高いなあ(私はなまけもののヘタレ司書なんで…)。んで、司書ならではの発想とか習性とかの描写は、大げさだと思うけどそれは許せる(「そんなもん、どこが貴重な骨董品?」とか、内心つっこんだりするけど…)。
私にとって致命的なのは、かんじんの図書館がなかなか具体的に見えてこないこと。
規模がまず、すぐにはわからない。
中央館が別にあって新設された分館なのは最初に書いてあるが、分館といっても大きさはいろいろだ。連作短編の二作目にやっと「小説が二万冊以上、それは蔵書の20%超」というくだりがあって、十万冊前後はあるかな、とわかる(ムム、中規模館だな。私のいるとこよりやや大きい?)。
一般の人には何万冊あればどのくらいの大きさの館かってのはピンと来ないだろうから数字はいいけど、最初の話では、かろうじて二階があるらしいとわかるのみだし、もうちょっと建物について書いてほしいなあ。
小説中にも、「どこへいっても図書館を見かけたら入ってみる」のが司書の習性のひとつと書いてあるが、司書でなくとも図書館好きには、どこかに図書館があると聞けば、「そこはどのくらいの規模蔵書が!?」というのがまっさきに気になることなのだ。
そして、最終話、図書館愛好家小学生の進くん。
愛好家なら、図書館の本と違う古い本渡されたら気づきそうだが…「あれっバーコード貼ってないよ」とか。そもそも「きちょうめんな人」が、自分の書きこみ(エンピツでしてるから消せる筈)を消さないまま図書館に本を返そうとするか?
著者、本は愛してても公共図書館への愛とか図書館愛好家への親近感はそれほどでもないのか…?
だから、図書館から離れた謎を解く四話目が一番素直に読めました(笑)
ISBN:448801710X 単行本 森谷 明子 東京創元社 2005/03/01 ¥1,575
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