海洋冒険小説の主人公としては破格のだらしなヒーロー。
帆船小説好きの知り合いの間では不評気味。でも、主人公のダメっぷりやちっとも航海しないらしいという前評判を聞いていたので、逆に冷静に読んだらそれなりに面白かった。あまりに情けない奴だけど、語り口には独特のユーモアが漂って、ついついプッと吹きだしてしまうことが何度もあった(少なくとも後半は)。
臆病だし、弱いくせに大酒飲むからつぶれてばかりだし、時間は守れないし、とにかく基本的に運が悪くて間の悪い時に間の悪いことばかりやっちゃうし。でもまあ、根は悪い奴じゃないんだよね。ストイックさは薬にしたくも無いけど、虚飾もなくて自然体。二巻目も出たら読もう。
歴史ユーモア・ミステリと思って読むのがコツ。密偵ファルコほどの大傑作じゃないけれど…(笑)

ISBN:4150410801 文庫 エドウィン・トーマス 早川書房 2005/04/21 ¥945

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