細部にのみ神が宿っている場合って…「カジノ・ロワイヤル」
2005年4月2日 映画いわゆる007シリーズとは製作プロダクションを異にして、スパイ映画のパロディとして作られたコメディ作品。ただし原作はイアン・フレミングの007シリーズ第1作であり、その意味ではこれも立派な007映画ではある。 引退した往年のスパイ、ジェームス・ボンド卿(デヴィッド・ニヴン)のもとへ、英米仏ソの情報機関幹部が集まってきた…
つらつらと半分ほど「007/カジノ・ロワイヤル」を見る。
何年ぶりだろうか、うーむ懐かしい。
最初のクレジット・タイトル画面からして素晴らしい。何と説明しようか、飾り文字がアニメちっくにぴょこぴょこ賑やかに動いてちょー楽しい。
バート・バカラックの音楽も、死ぬほどキュートだ。
当時(60年代末頃)最先端なファッション&デザインの秘密基地と、どーんと豪華な英国のお屋敷(ボンド邸)だのスコットランドの古城だのクラシック・カー(“引退して久しいオリジナル007”はアストン・マーチンではなく古式ゆかしいロールスを駆るのだ)だのが同居して、あらゆる場面が目にも楽しい。
ピーター・セラーズ、ウッディ・アレンと大物コメディアン(アレンはまだそれほどプレイクしてなかった筈だが)がガン首揃えた上に、敵組織の正体などのオチも結構大胆で笑わせる。
やってることは「オースティン・パワーズ」と変わらないくらいおバカなパロディなのだが(さすがに下ネタは控えめだ)、キャストといい舞台といいえらくゴージャスである。
ただ、あの名女優デボラ・カーにあんなドタバタ演技をさせたのはかえって興ざめだったけどねえ。
ラストのパニック・シーンもちょっとダラダラ引っぱり過ぎたと思うし。
デヴィッド・ニーヴンはやはり完璧だけど。
そう…すんごくお楽しみが盛りだくさんなパロディ映画なのだが、結局傑作になりそこねてるのは私も認める。愛してはいるが。
でもまあ「オースティン・パワーズ」には勝ってるかなあ?(低いぞ志が!)
ちょうどあの頃のサイケ系ファッションで、敵組織の女の子たち(無意味に女の子だらけ!)バッチリ決めまくっているので、見比べるのも一興かもですよ、みなさん。
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