1964年、リチャード・クワイン監督作品。スカパー録画で視聴。

締切に追われる脚本家ウィリアム・ホールデンが、パリで雇ったタイピスト・オードリー・ヘップバーンの魅力に触発され、一気に書き進めるシナリオがそのまま映画内映画となって二人の恋にだぶる…という、ロマンチック・コメディ。

なにはともあれパリでオードリー、というだけで一定のオシャレ感はある。ホールデンもちょい草臥れかけとはいえ頑張って軽快さを出してる。
シナリオ的にはそんなに凝ったことはやっていないのだが(トボけた味は出しているが伏線や小道具の処理などには大した工夫はないと思う)、主題歌はシナトラかな、と脚本家が呟けばシナトラの歌が流れ、カメオ出演にディートリッヒ、と呟くとディートリッヒ本人が一瞬の出演、という、贅沢っぽいつくりも楽しめる(特に前半は)。アステアのレコードも流れるし(「プロデューサーズ」の"That Face"という同名の歌とヤケに似ている。こっちの方が先なんだけど)、トニー・カーティスなんか、何故ノンクレジットで…と思うくらい作中「端役」呼ばわりされつつ頑張っていて驚きだ(笑)

ただ、脚本を書きあげた時点で、ホールデンが急にヘナヘナ…となってしまい、主役二人の恋愛はストレートには成就しないのだが、このラストのひとひねりがちょっと唐突でどうも。気を取り直してハッピーエンドには持ち込むのだが、それならそれで、ここでもう一発、グンとぶっ飛んだ盛り上げ方をしてくれればよかったのになあ。ちょい失速感があり残念でした。
書きあげたシナリオの結末までも変えてくれたらよかったのに。
「新作でリベンジ」なんてのではなく(^^;)

それにしても、やたらヌーヴェル・ヴァーグを揶揄するセリフがあったのに今回気付いて驚いた。そんなに気にしてたんですかハリウッドのみなさん?

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